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八甲田レポート:慣れと油断

 日曜日、函館の小児科の先生を案内し八甲田を登ってきました。生憎の天候で、酸ヶ湯へ向かう途中の沖揚平では吹雪いて何度も視界0となり、10年前にここで事故ったことを思い出しました。その時も視界0で突然現れた立ち往生している車に追突してしまいました。

 山も視界が悪く、風と雪でゴーグルを付けての登山でした。当然誰も登山者はおらずトレース(踏み跡)はありませんでした。しかしそれはそれで誰も歩いた後のない雪の上を自分の足跡を残しながら歩くのは楽しいものです。途中から一般ルートを外れ、沢筋ではなく直登することにしました。雪のアオモリトドマツの林を見せてあげたかったのです。今年の樹氷は本当に大きく育ったのでしょう。山の上の方ではまだ立派な樹氷が残っていました。残念ながら強風と凍った斜面に安全を考え、頂上直下で引き返すことにしました。

 トラブルはその後でした。登りのルートファインディングは高いところを目指せばそのうち頂上に着きます。難しいのは下りです。視界が悪い時はコンパスで方向を取って降りなくてはなりません。しかし僕はこれまで何度か来たことのあるルートだから、少しは見えているし、と油断してしまいました。安全を考え、降りやすい方、降りやすい方と斜面を選ぶうち方角を間違い、大きくルートから外れてしまいました。挙げ句の果てに自分がどこにいるか分からなくなってしまったのです。幸い連れの先生の携帯のGPSで自分がどこにいるかが判明し、なんとか無事に下山することができました。案内するはずが、逆に案内して貰った訳で、全く恥ずかしい限りです。いくら慣れていても初心忘れるべからずべからず、油断大敵と学びました。

 何事もそうですよね。基本が大切です。

働き方改革

 世の中の色々な場所で働き方改革が叫ばれていますが、開業医も働き方改革をする必要がありそうです。先日とある医療系の情報誌に、開業医の平均寿命が70.8歳とありました。60歳代で亡くなる開業医が最も多いのだそうです。勤務医時代からのハードワークを引きずり、開業してからは尚更診療時間が長く、心身ともに疲れ様々な病気に罹ってしまうのでしょう。


 弘前市内のある人気の皮膚科の先生が受付時間を平日17時、土曜日11時にすると聞きました。この先も長く診療を続けるためには少し仕事量を減らす必要があると判断したようです。先日も1日の患者数が170人を越えたとか。当院でも受付時間を18時までと短くし、また少子化もあってか、患者数は年々減少し、1日100人を越えることも少なくなってきました。しかしその代わり診療に時間の掛かる子を診るようになって、やはり帰宅時間は8時を回ることも少なくありません。僕だけでなくスタッフも疲れています。

 働き方を改革するには単に診療時間を短くすれば良いというだけではないでしょう。その内容も問われのだると思います。仕事をして報われる思いが必要なのでしょう。そして自分たち自身が心身ともに健康で、心に余裕が必要です。診療のレベルを上げる必要もあります。

当院の働き方改革・・・思案中です。

一升餅

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 去年生まれた初孫の1歳のお祝いで札幌へ行ってきました。生れて9日目でしっかりと父親(僕の息子)を見て笑顔になった孫娘は、もうよちよちと歩き始めていました。両家のじじばばも集まり、一升餅を背負わせ、皆で彼女の健やかな成長を喜び、将来の幸せを祈念したのでした。

 それにしても日本には子どもを祝う行事のなんと多いことか。子どもを大切にする文化は今も確実に息づいています。しかし一方で虐待のニュースは絶えることがありません。それは単に虐待する親だけの問題ではなく、やはり日本社会の歪みの現れと思っています。虐待を予防するには責めるのではなく、虐待する親を支援し、彼らが抱える不安に寄り添うことが大切だと考えています。

八甲田れポート:冬の終わりに

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 良く晴れた日曜日の朝、ボードを持って八甲田へと向かいました。日差しは強く風もなく、まるで4月の春山を思わせる天気でした。このところ暖かい日が続き、当然樹氷は崩れているだろうと思っていましたが、今年の樹氷は大きかったのでしょう、山の上部にはまだ見事な樹氷の森が広がっていました。お出かけや急患診療所の当番で次に山へ行けるのは早くても2週間後。きっと山は様変わりしていることでしょう。4、5月の残雪の春山も好きです。今年は少しずつ足をならして、体力を戻し、怪我をしないように山を楽しもうと思っています。また山の写真を撮れたら大自然レポートをお届けしますね。

病気が治るのに2つの大切なこと

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 敬愛する澤田敬先生が厚生労働大臣賞を受賞されました。土曜日、その祝賀会で東京に行っていました。受賞講演はいつものように朴訥で心に響く講演でした。これまで澤田敬先生は高知で虐待防止のNPO法人「カンガルーの会」を立ち上げ活動されています。先生は虐待はそれを早期に発見するのではなく、虐待が起こらないように予防するべきでそのためには親子の関係性を修復する必要があると言います。それには虐待してしまう親自身の生い立ちからみて行く必要があります。先生は世の中の虐待防止対策はうわべだけのシステム論で物事の本質を観ていないといつも嘆いておられました。
 先生は虐待する親御さんにいつも優しく接しています。どうしてそんなに優しくなれるのか、今回の講演で「それは自分自身の生い立ちにあるのではないか」とお話しになっていました。敬先生のお母様はとても厳しい方で悪いことをすると土蔵に閉じ込め鍵を掛けられたと言っていました。そのガチャンという音がトラウマになっていると。しかし敬先生のお母様はおそらく愛情深い方だったのでしょう。敬先生はそれを虐待とは感じなかったのだと思います。ただそんなお母様でしたから、虐待する母親を見ると自分の母親とダブって見えてしまうのではないかと言っていました。
僕はまだお母さんの態度に苛ついてしまうことがあります。まだまだ敬先生の足下にも及びません。
写真は敬先生に花束を贈呈する赤平です。赤平もまた敬先生を敬愛しています。

 ところでその会場で乳幼児精神保健学会FOUR WINDSの幹事の一人が僕に小学校2年生の息子の話をしてくれました。
微熱で学校を休ませた時、そこ子が話したそうです。
「お母さん、僕、病気が治るのに大事なことが2つあると思うんだ」
「何と何?」
「一つはね、寝ること」
「そうね、ゆっくり休むことは大切よね。もう一つは?」
「それはね、安心すること。僕、お母さんと一緒にいると安心して病気が早く治るような気がするんだ」

その話を聞いて、思わず胸が熱くなりました。
正しくその通りです。
ただ残念なことですが、今はその2つを叶えてあげるのが難しい世の中なのかも知れません。
でもその大切な2つを忘れたくないですよね。

スマホと脳機能

 先週、NHKのクローズアップ現代という番組でスマホと脳機能の話題が取り上げられていました。「最近30〜50代の働き盛りの成人で、物忘れが激しくなったり、意欲の低下、感情鈍麻などの症状がみられる人が増えてきた。その原因としてスマホが原因ではないか」と趣旨の番組でした。つまりスマホからの膨大な情報が絶えず入ってくることにより、それを処理しきれなくなっていると言うのです。「スマホによる脳過労」「オーバーフロー脳」などと呼ぶ脳科学者もいるとか。脳が情報処理するには“ぼんやり”する時間が必要なのだそうです。それが四六時中スマホをみることで脳が疲れ切り、情報がオーバーフローする(脳から溢れる、漏れ出る)ということなのでしょう。脳の過労状態は脳血流量も低下するそうで、その結果、脳機能が低下し、記憶力低下など様々な症状として出てくるということのようです。それから回復するには、スマホやタブレットなどを断ち、自然に親しみ、のんびりと過ごすことなのだそうです。
きっと子どもの脳には、大人以上にその影響が出るでしょうね。

下にテレビに出ていたスマホ依存の行動チェックリストを挙げておきます。皆さんはいくつ当てはまりますか?

 1.スマホはいつも手元にスタンバイ
 2.時間が空いたらスマホを取り出す
 3.疑問が浮かんだら、すぐに検索
 4.覚えておくために「写メ」を撮る
 5.スマホなしでは初めての場所へ行けない
 6.スマホ以外で調べものをしない
 7.いつも時間に追われている
 8.情報に乗り遅れることが怖い
 9.着信音やバイブレーションの空耳が聞こえる
 10.夜、ふとんの中でスマホをやっている

実はこの表を「スマホ」で撮影している僕でした (^_^;

第2回特別支援医教連携セミナー IN 弘前

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 今週の土曜日、青森県武道館で第2回特別支援医教連携セミナー IN 弘前が開催されます。これは以前(昨年の3月)にもこのブログで紹介したセミナーの第2回目になります。昨年は健生病院の加村先生に小児科の講演をお願いしました。今年は誰にしようか迷って、候補は何人かいたのですが、やはり一度は自分が話そうと決めました。
講演のタイトルは「子どもの行動の意味を考える」
 実は昨年の暮れに青森県教育相談研究会から依頼されて講演したのですが、その時のものを少しだけ手直ししてお話しすることにしました。先の研究会は2時間の長い講演でしたが、今回は40分のショートバージョンです。

「全ての事象には意味がある」と考えています。咳の意味、発熱の意味。子どもが泣く意味、泣かない意味。同じように大人にとって子どもの困った行動にもそれなりの意味理由があります。その理解と共感なくして子どもの行動を変えることはできないと思っています。

 昨年は80名を超える参加者がありましたが、今年はまだ60名を少し越えるだけのようです。まだ席に余裕があります。もしご興味のある方はどうぞご参加ください。

申込先:TOSS東北中央事務 黒滝誠人 kurotaki77mktあyahoo.co.jp
上のアドレスの「あ」を「@」に変えて
件名:医教弘前 申込み 
内容 1.氏名 2.メールアドレスまたは電話番号 3.住所 4.勤務先
を添えてお申し込みください。
 

八甲田レポート:樹氷

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先の日曜日、まだ膝や腰は痛くどうしたものかと迷いましたが、久し振りに何の予定もないfreeな日曜日、そして眩しく澄み切った青空に、途中(避難小屋)まででも登ってみようと八甲田へと車を走らせました。山は去年の秋以来ですから、4ヶ月ぶりの山登りでした。

好天に誘われてか予想以上に多くの登山客でした。年配の方も少なくはありません。おそらくこの日、山頂まで登った人は15、6人はいたでしょう。避難小屋まで登った僕も、ここまで来たら上まで登らない訳にはいかないと山頂を目指しました。先日記念病院を受診した際、ご高齢の院長先生が、「スポーツ外傷はほとんどがオーバーワークによるものだ」と言っていたのを思い出しました。確かにその通りでしょう。しかし引き返せない性分なのです。雪山は登るには辛いですが、下りは柔らかい雪で膝への負担は軽いはずです。
途中で歩けなくなったらどうしようと不安はありましたが、予想通りに膝は何とか持ちこたえてくれました。
良かった〜 (^o^)

今年の樹氷は見事でした。山の斜面には大きなスノーモンスター達が立ち並んでしました。山へ来ると心落ち着きます。次はボードを担いで登ろうと決めていました。

インフルエンザの2度罹り その2

 今期、同じA型のインフルエンザに2回罹る子どもがいることが小児科医のMLでも話題になっていました。どうやら今、二つの型のA型インフルエンザが流行しているようです。一つは以前、新型インフルエンザとして問題になったAH1pdm09。もう一つはAH3いわゆるA香港型。同じA型でも多少遺伝子は違うので2回罹ることはあります。さて、どうなのでしょうね。当院で経験した2例も2つの型のA型インフルエンザに罹ったのかも知れません。しかし免疫ができずに同じ型に罹ったのかも知れませんし、それは調べられていなので分かりません。ただ自分自身は抗インフルエンザ薬は使ったことはないし、マスクをしなくてもインフルエンザには滅多に罹りません。何度か罹って免疫が強くなり、罹りにくくはなっているのでしょう。シーズン初めに何となく体が重いのは、発熱や咳は出なくても軽く罹っているのだろうと思っています。そんな時は漢方薬を飲んで、早くに寝ることにしています。


 さて、今期、呼吸障害で積極的な治療が必要な子が数名出ています。新型インフルエンザのパンデミックの時もそうでした。おそらく同じAH1pdm09のインフルエンザに罹って呼吸障害を起こしたのだろうと思っています。ただどの子も診断前に発症から1日以内(第0〜1病日)で合併症を起こしていました。初診時、あるいは翌日インフルエンザの診断確定時に既に呼吸障害がありました。つまり抗インフルエンザ薬を投与する前に既に呼吸困難の症状が出ていたのです。
 インフルエンザはほとんどが安静にしていれば治りますが、やはり稀にある合併症には注意が必要です。そしてそれは抗インフルエンザ薬を使用すれば防げるものではないと考えています。

インフルエンザ=抗インフルエンザ薬はやはりおかしいです。


それにしても昨今、患者さんも園・学校・会社も加えて医療機関も、検査キットに振り回されていると思いませんか?

インフルエンザの2度罹り

連日のようにインフルエンザに関するニュースが報道されていますが、青森県の流行も警報レベルに達したようです。津軽地域も今週に入り急に増加してきました。しかし今のところ当院では重症例はなく、苦しそうにしている子どももそう多くはありません。

今シーズン、A型インフルエンザの2度罹りを2例経験しました。これまでも1シーズンでAとBの両方に罹る子はいたのですが、同じA 型に2回罹った子はそうはいませんでした。理由として二つ考えられます。一つは違うタイプのA型に罹った。二つ目は二人とも抗インフルエンザ薬を使用したので、インフルエンザに対する免疫の獲得が不十分で2回罹ってしまった。
ゾフルーザはウイルスが増殖するのを抑えます。ということは体の免疫応答、抗体の産生も弱いのではないかと思うのです。以前、タミフルでも使用すると免疫の獲得が不十分となるという報告がありました。タミフルは感染した細胞からウイルスが飛び出すのを抑える薬剤ですから、ウイルス量そのものはそれなりにあるはずです。それがゾフルーザではウイルスの増殖を抑えるのでウイルス量は更に少なくなります。当然免疫応答も弱くなるのではないかと思うのです。
(まだ報告は出ていませんが・・・)

罹ったら自力で治して、あるいは漢方薬で免疫能を高め、自分自身の抵抗力を高めるのが良いのではないかと思っていますが、賛同してくれる人は多くはありません。僕がマスクをしなくてもインフルエンザに罹らないのは、何度か罹ってしっかり免疫ができているからなのですが、それを話しても納得してくれる人は少ないです。毎年シーズン初めに何となく体が重くなるのは、インフルエンザに感染して、発症しなくても体の中で免疫君が戦っているからかな〜なんて思っています。そんな時は激しい運動もお酒も控えています。


先ずは普段から規則正しい生活と睡眠をしっかり取って、インフルエンザに負けない体力を付けましょうね。

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