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ぼくはここにいる

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長崎の童話館のKさんから一冊の本が届きました。
「ぼくはここにいる」
20年前に書かれた児童書の復刻版です。
主人公のボクはイジメを受けて悩み、高層マンションの屋上へ上ります。高いフェンスを乗り越え、飛び降りようとしたその時、「お命、預からしてもらいます」と関西弁を話すホシが現れます。ホシとの様々なやりとりを通してボクの心は救われます。ホシが残した最後のメッセージが「ぼくはここにいる」でした。そう心の中で叫んでくれればいつでも君の前に現れるよと。

子ども達は皆、僕はここにいると叫んでいます。
しかしそれを言葉にできず、態度で示す子がいます。
お利口さんを装ったり、
わざとイタズラしたり、暴れたり、
叱られてでも自分を見て欲しい。

「ぼくはここにいる」

全ての大人がホシのように、その声が聞こえるようになることを願います。
子ども達だけでなく、お父さんお母さんにも読んで欲しい一冊です。
外来の本棚に乗せておきます。

小児抗菌薬適正使用支援加算

 今日のタイトルはこの4月から3歳未満の乳幼児で新たに認められた保険点数の項目です。点数は80点。保険点数は1点が10円になりますから、この加算を請求すると1件当たり800円の収益になります。これは乳幼児が風邪や下痢などで小児科を受診し、抗生物質を使用する必要がないと診断、それを説明した場合に初診に限り算定されるものです。国は不要の抗生剤使用を抑制し、医療費の増大を少しでも抑えようとしているものと思われます。あるいは掛かり付け医制度を推進するためかも知れません。(その制度の下では6歳まで算定可能になります)

 当院ではもう10年以上も前から抗生剤の適正使用、つまり不要の抗生剤を使わないことを心掛けてきました。取り組みを始めた最初の頃は患者さんが納得してくれるかどうかが不安で、言い訳のように抗生剤が不要の理由を詳しく説明していました。しかし最近は抗生剤を使わないことが当たり前になって、使う必要があるときにだけ説明するスタイルに変わってきました。
 さて今回の措置、何をか言わんやという感じで、何だがモヤモヤが晴れません。自分にとって当たり前のことをしているだけでお金をもらえるなんてちょっと変と思うのです。最近は、少なくとも小児科医は抗生剤の適正使用を心掛ける人が増えてきたように思います。しかしまだまだ不必要な抗生剤処方例を多く見かけます。適正な抗生剤投与を心掛けることは子どもの体にとっても好ましいことなのですが、しかしそれがお上の指導でなければ、それも金銭的な目先の利益がなければ進まないなんて情けないなと思うのです。むしろそれで抗生剤が本当に必要な時に使わず手遅れになることが出てきやしないかと心配になったりもします。

 古いカルテを見返すと、自分も随分と不適切な抗生剤処方をしていました。見ていて恥ずかしくなります。何が必要で何が不要かを考えて診療しているとどんどんお薬の数が減ってきました。ちょっと薬屋さんには申し訳なく思っていました。 (^_^;

5000倍可愛い

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「写真で見るより5000倍可愛い」
分娩に立ち会うことができなかった息子が、仕事が終わって病院に駆けつけ、自分の赤ん坊を見て最初に言った言葉です。僕の初孫(女の子)です。先週末、彼女に会いに札幌へ行きました。病院を離れて既に18年、生後1ヶ月前後の乳児を診察する機会はありましたが、生まれて間もない新生児を見る機会はほとんどありませんでした。会って驚きました。彼女はまだ生まれて9日目の新生児でしたが、息子の顔を見て笑顔をみせるし、何かを話したそうに口をすぼめます。表情が本当に豊かでした。替わって僕が抱っこすると彼女は「このおじさん誰?」とフリーズ。しばらく僕を見た後、顔を背けました。もうしっかり区別できているのですね。新生児の認知機能がこれほどだとは思いませんでした。息子が生まれたばかりの頃は自分も余裕がありませんでしたし、赤ちゅんの心の発達のことを勉強していませんでした。FOUR WINDSと出会い、赤ちゃんのことを勉強し、改めて赤ちゃんを観察すると、本当に面白い。しかも自分の孫ですから尚更楽しく思えました。
写真を載せますね。新生児模倣ではありません。しっかりと自分の意志を持っています。既に自己主張し始めていました。息子は「おまえの結婚相手はパパだと刷り込ませるんだ」と言っていました。親馬鹿だ〜。でも親馬鹿結構。子どもが小さい内は親馬鹿が一番です。

注)新生児模倣;生まれて間もない新生児が他者の顔の動きなどを模倣する現象のこと。

伝えたいこと

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4月2日は世界自閉症啓発デーです。自閉症の啓発を目的として世界中でブルーライトが照らされたり、様々なイベントが開催されます。その日本の実行委員会公式サイトには「自閉症をはじめとする発達障害について知っていただくこと、理解していただくことは、発達障害のある人だけでなく、誰もが幸せに暮らすことができる社会のじつげんにつながるものと考えております」とありました。
日本でも各地でそれに因んだ催しが開催されます。弘前ではその日の日没から午後9時までお城がブルーにライトアップされ、弘前大学精神科の主催で講演会が開催されます。青森市でもアスパムをブルーライトアップし、発達障害者支援センター、ステップの主催で講演会が開催されます。実は今年、そのステップさんに青森での講演を頼まれました。最初に話が来たとき、自分は発達障害を研究している専門家ではないのでお断りしようと思ったのですが、対象が一般の方というのと、所長さんに僕がブログに書いた「発達障害があろうとなかろうと、もともと多様な子ども達なのだから色んな子がいて良いのではないのではないか」と書いたのを読んで、それで僕を指名したと言われ、講演を引き受けることにしました。
年のせいなのでしょうか。最近、色々と講演を頼まれることが多くなりました。講演の準備をすることは自分の勉強にもなります。口下手な僕ですが、引き受けたらからには自分が日頃考えていることを伝えたいと考えています。チラシを載せます。もしご興味がおありでしたらご参加ください。

大自然レポート:3月11日に

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 今年の3月11日、僕は久し振りで八甲田を登っていました。山を登るのは昨年秋以来ですから4ヶ月半ぶりです。既に樹氷は消え、日差しもあってか寒さに厳しさはなく、薄手の手袋一枚でも平気。春の間近なのを感じさせました。雪山にしては登山客も多く、年配の方も何人か登っていました。もっともこの季節、天候が崩れるとあっという間に真冬に逆戻りしますから、登山にはそれなりの装備は必要です。山頂から滑ろうと、いつものようにボードを担ぎ上げました。しかし残念ながら一面にクラスト(表面が硬くなること)し、しかも風で斜面は波打ち、とても滑るどころではなくずっと横滑りで降りてきました。何とか滑ろうとすると途端に転んでしこたま腰を強打し、ヘルニアの再発を心配していました。

 山から降りるとテレビでは7年前の災害の特番がずっと放送されていました。自分もあの日のことは忘れることができません。自分が医療支援に行った大槌町のことがいつも気になっていて、その後も何度が訪れています。最後に行ったのは2年前、復興までの道のりはまだまだ遠いと感じました。今年も行ってみようと考えています。

小児科医のアイデンティティとは

弘前市では4ヶ月と7ヶ月健診を個別健診で、1歳半と3歳半健診を集団でやってきました。今年の春からその集団健診が少し変わります。まず今年から3歳半健診が、来年度から1歳半健診も変わります。小児科医は身体を診察するだけ、発達の評価は大学の精神科が行うことになりました。まず問診票でチェックし、それで引っ掛かったこどもは大学の精神科に行ってそこで検査、評価を行い発達障害か否かを診断するというものです。健診会場には精神科のお医者さんは来ません。
 僕はその新しいシステムに反対してきました。確かに今までの健診では診断されずに見過ごされてきた発達障害の子達がいました。しかし診察もせずチェックリストだけで疑いのある子を大学に呼び出し検査する。ちょっと乱暴ではないかと思ったのです。もちろん早期に診断し、早くから療育することで救われる子もいるでしょう。しかしそれで傷つき悩む親子いるのではないかと危惧するのです。そして何よりそれに対応する社会のシステムが整っていません。

発達障害の診断は検査だけでは分からないと思っています。診断すべきは診断名ではありません。その子の困りごとが何処にあって、どんな支援を必要としているか、支援の方向性を診断することです。それは簡単ではありません。なぜなら単に認知機能の問題だけではなく、何より関係性の評価が大切だからです。子どもは発達し変化します。簡単に診断するべきものではありません。しかも大学に呼び出されただけでご両親は大きな不安を抱えます。大学の精神科の先生に質問しましたが、そこは時間を掛けて慎重に評価するとは言っていました。

自分が一番残念なのは小児科医としてのアイデンティティを傷つけられたように感じたことでした。体も心もそして発達も加えて環境も全てをトータルで評価できるのが小児科医だと思っています。それを小児科医は体だけ診ればいいだなんて!

そんな理由で4月からの集団健診を僕はボイコットしました。本当は他の小児科医と示し合わせれば良かったのですが、ボイコットしたのは僕一人でした。自分が抜けた分、他の先生の負担が増えてしまいました。なんだか自分が悪者になった気がします。

問題の多い新しい健診システムですが、これまでその問題を解決してこなかった小児科医にも責任があります。小児科医と精神科医が手を取り合ったより良い健診システムができることを望んでいます。

第1回特別支援医教連携セミナー in 弘前

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 先週の土曜日、武道館で件名のセミナーが開催されました。1月の末、このブログにも載せたセミナーです。何と80名を超える参加者があり、大盛況の会となりました。参加者の8割方が学校の先生であとは医療関係者、療育関係者でした。小児科のDr.は僕を入れて3人。
さて、この会を仕掛けたのは僕自身でしたが、会場に入って驚きました。横断幕に「第1回特別支援医教連携セミナー」とデカデカと書いてありました。「えっ、第1回⁉」とうことは第2回もやるのですね。セミナーは例によって模擬授業で始まり、講演にレポート発表、当事者の発表、加村先生の講演、パネルディスカッションとテンポ良く進みました。秋田や岩手から来られた先生は津軽の教師はとても熱心だと驚いていらっしゃいました。

 子ども達の生活にとって学校は家庭と同じくらい、大きなウエイトを占める生活空間です。学校の先生の対応一つで子ども達は大きく変わります。医療ができることはごく限られていますが、自分にとってこういったセミナーをコーディネートすることも大きな役割の一つかしらとも思っていました。

 今週の土曜日、今度は僕が大館へ出掛けて講演してきます。ただ参加者が弘前と違って学校の先生が少ないのが残念です。保育士さん達が半分以上だそうですが、それはそれでとても良い機会だと思っています。
でもお話しの内容を少し変えなきゃなぁ〜 (^_^;

今も昔も

「君たちはどう生きるか」
最近話題になっている本のタイトルです。先日、本屋さんでレジの横に積まれていて思わず一緒に買ってしまいました。今、クリニックのフロアの本棚に並べました。僕は始めてでしたが、奥さんに聞いたら昔中学の頃に読んだと言っていました。(もちろん漫画でなく)

自分も中高生の頃、同じような悩みを抱いていました。
「自分は何の為に生きているのか」「自分の存在価値は?」「人生の意味とは?」
その頃はこんな青臭い問いはおそらく大人になったら解決するのだろうと思っていました。しかし今も同じような問いかけをしながら生きています。この本が若い子ども達だけでなく大人にも読まれているのは、おそらく他の人も同じように「自分はどう生きたらよいのか」と自問自答しながら生きているのでしょう。その解答が見つかるかも知れないと思ってこの本を手に取るのかも知れません。
さて、今の自分は・・・、明確な答えは見つからなくてもそう悩みながら生きて行くだけで良いのかなと考えています。少しお気楽です。
そして命果てるとき、自分は己の人生をどう振り返るのだろう、そんな事を考えていました。

色々と忙しく、山へ行けていません。
大自然レポートは3月になりそうです。

また今年もインフルエンザ狂騒曲

インフルエンザの患者が過去最高になったとニュースで出ていました。弘前はまだそれ程でもないようですが、それでも毎日10名前後の診断をしています。中にはわざと診断しないケースもあるのでそれ以上かも知れません。1週間で50人は超えそうです。

さて、インフルエンザが流行するこの季節、診療をストレスに感じているドクターも少なくないようです。何がストレスかというと、診察そのもののストレスではなく、まだ発熱したばかりなのに園や学校で検査をしてくるように言われたり、診断が付いたらたとえ軽症でも抗インフルエンザ薬を希望されたりと実際の診療以外のストレスが大きいのです。家族が罹ったら会社に報告しなければならないと言われることも少なくありません。熱が無くてもプラスに出ることもあるから検査してこいと言われたとか。検査して陽性ならお薬を飲む、家族もお休み。全く変な世の中になったものです。
いっそのこと検査薬も治療薬も薬局で買えるようにすれば良いのにと思ったりします。そしたら毎日校門で生徒全員を検査してマイナスなら登校許可なんてね。多分それでも流行を阻止することが出来ないでしょう。

札幌の友人は「そんな事をいちいち気にしていては疲れるだけ、ただ黙々と検査して、陽性ならお薬を出す。それだけ」なんて言っていましたが、「それなら医者は要らないよなあ」と思うのです。状態が悪くなければ漢方薬やあるいは無治療でも治ります。大切なのは重症化するかどうかを見極める事です。抗インフルエンザ薬が必要なケースかどうかの判断です。漢方薬で治療するときは今どの病期か、その患者の証(≒体質)を見極める事です。

それでも当院を選んで来てくださる方はタイミングを計り、僕の治療の選択にも納得してくださる方が多いことに感謝しています。

昨日、スマホに配信されたYahooニュースに出ていた記事を載せます。
僕と同じにストレスに感じているドクターです。是非、ご一読ください。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180131-00543278-fsight-soci

医教連携セミナー

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 以前、このブログ(2017年3月)で紹介した医教連携セミナーを弘前でも開催することになりました。大館の間嶋先生にお願いして、弘前に来てもらうことにしたのです。今回は医療機関側の講演を健生病院の加村先生にお願いしました。対象は発達障碍の診療に関わる医師、看護師、そして学校関係者。子役付きの模擬授業もあって、大変勉強になります。発達障碍の子ども達に対し医療機関が出来ることは少なく、保護者だけでなく、療育機関、園・学校との連携が大切だと考えています。関心のある方は是非ご参加ください。

日時:2月24日12:30〜16:00
会場:青森県武道館
参加申込みはkurotaki77mkt@yahoo.co.jp に
 件名 医教弘前 申込み 
 内容 1.氏名 2.メールアドレスまたは電話番号 3.住所 4.勤務先 で
参加費 教師・医師 2000円
    一般・学生 1000円 です。

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