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緊急事態宣言

皆さま
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
新年最初の「院長のひとこと」です。

 緊急事態宣言が出されてしまいました。記者会見で諮問委員会の尾身会長が真摯に「十分な行動変容を促すメッセージを伝えることが出来なかったのは我々の責任でもある」と述べていたのに対し、どこか他人事のように視線をそらした某総理大臣の表情が印象的でした。

 自分のブログやメルマガで子どもは新型コロナに感染しにくく、感染しても軽症と何度も書きました。若年者層も軽症者が多いのでしょうし、それが行動制限とは逆の強いメッセージとなっているのでしょう、今回の緊急事態宣言では特に若年者層の行動変容はほとんど起こっていないようです。しかしそれでは感染者の増加を止めることは出来ません。多分、もう流行拡大を止めることは困難ではないでしょうか。まあジワジワと増える程度に抑えて、早くにワクチン接種を開始するしかないのではと考えています。
青森はまだまだクラスター絡みの感染で済んでいるので、しっかりクラスター対策をしましょう。

 さて、そのワクチン、多くの国で既に接種が始まっていますが、日本では開始までまだ1ヶ月以上掛かりそうです。やきもきもしますが、朗報もあります。ファイザー社製のワクチンは保存が−70℃と管理がかなり大変ですが、もっと保存が容易でしかも終生免疫が期待できるというワクチンが日本で開発されたそうです。まだ動物実験段階だそうですが、早いとこ臨床試験を開始して、実用化して欲しいものですね。

 日本では国は無料で接種を進めると言っていますが、やはり高価なワクチンなのでしょう、国民全員にワクチンを接種するだけの予算を付けられない国も少なくないようです。今や感染症は地球規模で拡大します。全世界的に流行を抑える必要があります。開発途上国のワクチンを積極的に勧めることは先進諸国の利益にも繋がるという研究報告もあるそうです。国の懐事情でワクチンを接種してもらえない人が居る事態は好ましくありません。富める国が援助する必要があると考えています。

心の井戸

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メリークリスマス!
 皆さんはどんなクリスマスを過ごされていますか?自分もキリスト教徒ではありませんが、毎年このクリスマスを楽しんでいます。自分の子どもの頃、朝起きて枕元のプレゼントを見付けた時の嬉しさを今でも覚えています。どんなプレゼントだったかは記憶にありませんが、その楽しい気持ちが残っています。お正月の思い出、誕生日の思い出、母の日の思い出、友だちと遊んだ思い出、それらの数々の思い出が自分の心を形作っています。良い思い出だけではありません。辛い思い出や悔しい思い出も一緒に残っています。

 昨年夏にお呼びした渡辺久子先生がヒロロでの講演会で「心の井戸」の話をされていました。
「人の心は深い井戸に似ています。日常何気なくやり過ごしてしまう出来事は、井戸に投げ込まれた石のように、必ずある波紋を心の表面に引き起こして心の底に沈んで行きます。人の心の井戸の底には、人がその日その日を刻々と生きた感情体験の記憶の片鱗が絶え間なく降り積もって心の地層が形成されていきます。最近の乳幼児精神医学で明らかになったことは、人は一つや二つの不幸な出来事により心が傷つき心が病むのではなく、むしろ日常生活の中で、丁度身体が空気を吸い、食も当を食べるように心が触れ、吸収している周囲の世界との関わり、つまり家庭の雰囲気や、抑圧や歪みなどが累積して、心の歪みや障害を形作っていくのです。」

 もちろん心の井戸に放り込まれる石には黒い石ばかりではなく、輝く宝石もあります。明るく輝く石が多いと良いですね。

 我が家の子ども達もきっと孫娘、孫息子の枕元にクリスマスプレゼントをそっと置いたことでしょう。そして朝起きて彼らがそれを見付け、包みを開けた時の丸くなった目を想像していました。

クリスマスの次はお正月。子ども達にはお楽しみが続きますね。
それでは皆さま、良い年をお迎えください。

写真は弘前のカトリック幼稚園です。毎年この時期ステンドガラスに灯りがともります。

子どもとコロナ 2

以前、同じタイトルで長崎大学森内先生の講演の内容を紹介しました。今日はナショナル・グラフィックの記事を紹介します。「子どもがコロナに感染する・させる割合は大人の半分ほど」とありました。その内容はアイスランドでの最新研究で子どもが新型コロナウイルス感染拡大にどの程度影響しているか明らかにされていました。およそ4万人を対象にした調査の結果、15歳未満の子どもが新型コロナに感染する割合、および他人に感染させる割合はいずれも大人の半分程度だそうです。また、子どもの感染例はほぼ全てが大人から移されたケースだったそうです。おそらく日本でもそうでしょう。
と言うことは感染拡大を防止するのに休校措置は役立たないということです。休校は子どもや地域社会への影響が大きく、米疾病対策センター(CDC)も休校をなるべく避けるように推奨しています。

ただ、思春期以降に感染リスクは一気に上昇するようです。米国での調査では高校での感染割合は小学校の3倍近くに上るとありました。

ではなぜ子どもは罹りにくいのか。
以前から新型コロナウイルスが結合する「ACE2受容体」が子どもは上気道に少ないからだという説があります。また小さな子どもはウイルスにさらされる機会が多いために、新型コロナウイルスに近いコロナウイルスに対する免疫があり、それが新型コロナウイルスにも有効に働いている(交差免疫)のではないかと言う説もあります。

別の論文ですが興味深い報告がありました。新型コロナに感染した患者の年齢が若いほどインターロイキン17A(IL-17A)とインターフェロン-γ(INF-γ)の値が高いことが明らかになったそうです。IFN-γにはウイルスの複製を抑える作用があります。全ての人に備わっている自然免疫系の一部であり、感染後の早い段階で活性化されます。一方、成人患者では小児に比べ、新型コロナウイルスのスパイク蛋白に対する強い免疫反応が認められたそうです。そして中和抗体が作られ、ウイルスを排除する。
言い換えると、小児では感染して直ぐに自然免疫が働き発症を抑えるが、成人では感染してから免疫ができ、それからウイルスを排除する(獲得免疫)ために時間が掛かると言うことです。そして様々な炎症反応が連鎖し、重症化するのでしょう。

地域別の新型コロナウイルスの感染者数をみると、大阪や北海道は減少傾向にありますが、東京は微増、その周辺や地方の中核都市では増加、全体として微増傾向にあります。GoToが原因かどうかは分かりませんが、明らかに首都圏のコロナが地方に拡散したように見えます。経済と感染防止の両立は困難ですが、感染の危険性の高い場面・場所とそうでない場所とのメリハリの利いた対策が必要と考えます。

男子もHPVワクチンを

 しばらく前の話になりますが、母親に連れられHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を希望されて受診した中学生の男子がいました。その子は父親の仕事の都合で海外で暮らしていたそうです。その国では男の子もHPVワクチンを接種していたそうで、帰国後、日本でも当然接種できるものと思っていたそうです。しかし他の医療機関で日本では男性に認可されていないからと断られ、人づてに聞いて当院を受診したのでした。認可されていないと言うことは、もし接種で事故が起きたとき、その補償が出来ないと言うことです。それを説明した上で接種してあげました。

 さて、そのHPVワクチンですが、今度日本でもようやく男性への接種が認可されるようです。何故、男の子に?と思われる方もいらっしゃると思いますが、男性も打つべき理由は大きく2つあります。1つは女性にHPVを感染させないため。もう1つは中咽頭がんや尖圭コンジローマを予防するためです。それだけでなく肛門がんや直腸がん、陰茎がんもそのほとんどがHPVによることが分かってきました。そして海外の先進諸国では男性にもHPVワクチンを接種することは常識となっているのです。

 国が勧奨接種を中止して以降、日本のHPVワクチンの接種率は未だ低いままです。その間に毎年1万人を越える女性が子宮頸がんに罹患し、3000人の方が亡くなり、しかもその数は増加傾向にあります。HPVワクチンが定期接種になった2013年から本来なら救われていただろう多くの女性が子宮頸がんに罹患し、今後も増え続けることを思うと残念でなりません。
 一方先進諸国ではより予防効果の高い9価のワクチンが接種され、子宮頸がんはもはや過去の病気となりつつあります。子宮頸がんはそのうち日本の風土病になるのではないかなんて言っている研究者もいます。行政はHPVワクチンを早くに勧奨接種に戻すか、少なくとも接種意欲を削ぐようなコメントは控えて欲しいものです。

 ところで今年の7月、日本でも9価のHPVワクチンの製造販売が承認されました。しかしコロナ禍の影響でしょうか、発売が遅れていますし、定期接種になる見込みも立っていません。かなり高価なワクチンです。早く定期接種に組み込まれることを期待しています。

注)HPV:ヒト・パピローマ・ウイルス 主に性行で感染します。
  勧奨接種:国が積極的に接種を勧めること 現在HPVワクチンは勧奨されてはいませんが、定期接種から外れたわけではありません。

お岩木山レポート:雪化粧

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 このブログでも何度か紹介していますが、岩木山の5つの登山道で一番好きなコースが赤倉コースです。日曜日、少し出発が遅くなりましたが、赤倉神社へと車を走らせました。赤倉神社までは除雪は入らず、冬、社は深い雪に閉ざされます。登るには下の大石神社から歩くことになりますが、まだ積雪は少なく登山口まで車で入ることが出来ました。

 雪は登るにつれて深くなり、伯母石で膝下ほど。鬼の土俵までは登ろうと思っていましたが、クリニックに残した仕事の山を思うと脚が進まず、伯母石で引き返しました。
それでも久し振りのスノーシューを履いての登山、雪化粧した石仏をカメラに納めることも出来て満足しました。
 ただ気になったのが、一番器量の良い9番目の石仏が前に傾いていたことでした。この冬、雪の重みで倒れないと良いのですが。心配です。

八甲田レポート:カラマツの紅葉

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 もちろんカエデやサクラの紅葉は綺麗ですが、カラマツの紅葉も美しいものです。黒石から八甲田へ向かう途中、城ヶ倉大橋の手前の沖揚げ岱周辺には見事なカラマツ林が広がっています。他の木々が葉を落とす頃、カラマツの紅葉が更に浮き上がります。

 日曜日、山は雪化粧し、登山道もすっかり雪で覆われていました。お陰で登るのに何時もより少し時間が掛かりましたが、晴天に誘われてか沢山の登山客がありました。今年の冬は大雪が予想されています。酸ヶ湯はそば屋の窓も板が打ち付けられ、すっかり冬支度が終わっていました。

写真右は八甲田の井戸岳です。

新しいワクチン

 毎年、どうやったらスムーズにインフルエンザワクチンの接種を進めることが出来るか悩み、これまで試行錯誤やってきました、今年は週3回夜のインフルエンザワクチン外来を設け、予約は取らないという方法に切り替えました。希望者は多少は増えてもそれ程多くはならないのではと予想していたのです。しかし18時から予約無しで接種するというスタイルは利用者には便が良かったようで、多くの方にご利用いただけました。ただ確保したワクチンが早々と無くなってしまい、期間の半ばで夜のワクチン外来を終了せざるを得なかったのは大きな誤算でした。申し訳ありませんと謝るしかありません。

 それにしてもそれ程有効率が高くないワクチンをどうしてこんなに沢山の人が希望するのか少々疑問を感じないわけではありません。現在のインフルエンザワクチンの有効性、つまり接種すれば罹らないで済む確率は5割といったところでしょうか。重症化は防ぐと言い訳のように唱えていますが、それとて確実なものではないのです。しかも乳児への効果はあまり期待できないワクチンです。やらないという選択肢もあっても良いと考えていました。それが今年は国をあげてインフルエンザワクチンの勧奨が行われ、普段は接種しない方も希望されていました。国のキャンペーンの影響はとても大きいものだと改めて知りました。

 ところで今週、アメリカの製薬会社ファイザーが開発したコロナウイルスのワクチンのニュースがありました。その有効率は90%というのですが、高すぎて俄には信じることは出来ません。mRNAを利用した新しいタイプのワクチンだそうですが、もしその有効性が本物なら素晴らしいものです。自分にはまだその仕組みをしっかりとは.理解していません。有効性だけでなく副反応や免疫の持続性などこの新しいタイプのワクチンが本当に人類にとって有益かどうか注視する必要があるのでしょう。

 もし本当に有効なワクチンであるなら朗報ですよね。
期待しましょう。
 
 別の話題もありました。軽症者、無症状者はコロナウイルスに対する既存の免疫(交差免疫)が働いていいるのではないかというニュースでした。これは前々から予想されていました。もしそうだとすれば風邪を繰り返し引いている子ども達が罹りにくい理由の1つなのかも知れませんね。
(以前に罹った別のコロナウイルスで今回の新型コロナウイルスも予防できているのではないかという話しです。)

八甲田レポート:晩秋

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 今年は少なくとも月に2回は山に登ろうと決めていたのですが、やはり急患診療所や自分の体調、天候など様々な理由で思うように登ることが出来ず、結局8月の終わりからはほとんど登れていませんでした。今年も八甲田の紅葉の一番綺麗な時期を逃してしまいました。残念!

 11月最初の日曜日、久し振りの八甲田は、既に木々は葉を落とし、稜線には数日前に降った雪が残っていました。登山客はほとんどいないだろうと思っていましたが、予想外に多くの登山者に出会いました。中には若い山ガールも。一時は山を登るのは中高年ばかりだったのですが、最近は山を登る若い人達も増えてきて嬉しいです。自分が登り始めた頃は、山は若者が中心で、夏になると全国の大学山岳部が北アルプスに集まっていました。

 2ヶ月も登っていないとやはり体力は衰えます。息は切れるし、脚も悲鳴を上げていました。また鍛えなきゃ駄目ですね。

 写真の山は赤倉岳です。

子どもとコロナ

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 弘前では連日のように新規感染者が報道され、皆様の不安が大きいのはよく分かります。このブログで以前、子どもはコロナに罹りにくいし罹っても軽症と前に書きましたが、まだまだ子どもが罹ってしまったらと不安に思われる方が多いようです。以前、弘前にお呼びし子宮頸がんワクチンについて講演していただいた長崎大学の森内浩幸先生が日本臨床ウイルス科学会で「COVID-19と小児」をテーマに講演したというニュースを読みました。その内容をかいつまんでお伝えします。

 先生は講演で「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は子どもにとっては基本的に風邪のウイルス」と述べたそうです。
「日本だけでなく世界でも18歳未満の感染者は少なく無症候性のことが多い。日本では現時点で子どもの死亡例はない。子どもにとって危険なのはコロナよりもインフルエンザ肺炎でさらにインパクトが大きいのがRSウイルスである」
もちろん講演ではその裏付け、科学的データを解説されたと思いますが、難しいことはここでは省きます。

 感染経路は家庭内での感染が主。
「インフルエンザは子どもが流行の中心で、学校の流行から社会に広がって行くが、SARS-CoV-2は社会の中の流行からウイルスが家庭内に持ち込まれ、子どもが感染するという逆の構図である」
そして更に「感染対策としてゼロリスクを求める過剰な対応は非現実的で、バランスの取れた対応策を立てる必要がある」と協調されたそうです。

 そのバランスを取るのが難しいのでしょうね。子どもにとっては風邪のウイルスであったとしても高齢者にとっては極めてリスクの高い感染症です。高齢者に対する感染防止対策と、それ以外の感染防止対策とを分けて考える必要があるのでしょう。

 少なくとも弘前の休校措置はSARS-CoV-2の流行の阻止という意味では過剰な対応のように思います。
子ども達はまたゲーム三昧のようです (v_v)


 さて、Withコロナ、新しい生活様式とはどんな生活様式なのでしょう。
皆がマスクして半分顔を隠したままの社会・・・違和感を感じます。
人と人との関係性に問題が生じないものかと危惧しています。


写真は中野もみじ山の近く、浄仙寺の紅葉です。

掌(たなごころ)

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 小児科医にとっての大きな喜びの一つは自分が診ていた子の成長した姿を見ることでしょう。保育園の時にはそれこそ毎週のように受診していた子も小学校に入る頃になると風邪を引かなくなってパタッと来なくなります。それでも年に一度のインフルエンザワクチンや大学入学を控えての予防接種で顔を見せてくれます。そんな時、立派になったな〜と感慨深く思うのです。

 先々週、ある女の子が大学入学のための健康診断書を求めて受診されました。懐かしい顔でした。その子がCDを作ったからと僕にプレゼントしてくれたのです。CDには「掌」というタイトルが付いていました。”たなごころ”と読みます。聞くと「リンゴ娘」の姉妹グループで「ライスボール」というボーカルユニットのメンバーとして活動しているそうです。そう言えば彼女は小さい頃、クリニックを受診するたびに診察室で歌を歌って聞かせてくれました。もちろんお母さんに促されてでしょうが、忙しい診療の中でその歌声に癒やされていました。
 CDジャケットのタイトルとなった「掌」という曲はとても素敵な曲でした。初めて聴いたとき胸に熱いものがこみ上げてきました。CDには他にも2曲が収録されています。「命」と「ずっとずっと」です。どれもとても良い曲で、車の中で繰り返し聞いています。ネットでライスボールと掌とで検索すると直ぐに出てきますよ。皆さんも是非聞いてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=HGg81Wh2c8s

写真は日曜日に奥さんと出掛けた東八甲田のグダリ沼です。紅葉がとても綺麗でした。

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