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私、失敗しないので・・・?

「私、失敗しないので」
 誰もが知っているテレビ番組ドクターXの台詞です。もちろん手術で失敗されるのは困りますが、しかし世の中、全く失敗しない人はいません。それを分かった上での台詞でしょうが、時々、失敗を極端に恐れる子が外来に来ます。そこで彼らが失敗しない方法はというと、挑戦しないこと。失敗したくないからやらない。それはおそらく過去に失敗して、とても嫌な経験をしたことがあったから失敗したくないのでしょう。嫌な経験・・・そう、その代表は親から酷く罵られることでしょう。叱られるだけならまだしも、子どもの人格を否定するような叱責はいけません。

 失敗を乗り越える力をレジリエンスと呼んでいます。人間、生きていると様々なトラブルがあるものです。勉強や学校での人間関係、大人なら健康問題、仕事や金銭的な心配事などなど。子どもの内にそれらのトラブルを乗り越える力を身に付ける必要があります。それには何が必要か。まず基本的なベース、心の土台が必要です。それには親子の心の絆が基本となります。どんなに失敗しても、どんな君でもお母さんは君を愛していると。そこから子どもの心には自分は自分でいいんだという自己肯定感、自尊感情が生まれます。その土台が出来た上で今度は様々な経験が必要です。それには成功体験だけでなく失敗の経験も大切です。それらを糧にして子どもは失敗を乗り越える力を身につけて行くのです。だから失敗しても良いのです。

 米国の著名な児童精神科医アリシア・リーバマン先生の、FOUR WINDSの学会での講演で出てきたフレーズを紹介します。
Mistakes can be repaired(失敗は取り戻せる)

八甲田レポート:紅葉情報

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 今年の八甲田の紅葉のベストは9月下旬と予想していました。朝から快晴となった10月初めの日曜日、案の定ベストには一足遅かったようで、毛無岱では既に茶色に変わった葉もありました。しかし朝日に照らされ、むしろコントラストが強く、それはそれで綺麗でした。絶好の登山日和とあってか、ものすごい数の登山客。8時前に酸ヶ湯に着いたというのにもう駐車場は一杯でした。山の中には他県訛りや日本語以外の言葉(おそらく中国語?)が飛び交っていました。きっと八甲田の美しい紅葉の情報が海外にも届いているのでしょう。ただ美しい紅葉が比較的手軽に楽しめるとでも伝わっているのではないでしょうか。軽装の人が多かったのが気になりました。

 大岳の山頂からは360℃の大パノラマを望むことができました。南は岩手山から八幡平の山々、その左は姫神山? 東には小川原湖と太平洋の海岸線(日本一の砂丘)、そして六ヶ所村の石油備蓄基地までくっきりと見えていました。西には岩木山とその後ろの白神山地。遠くに鳥海山は・・・? 秋になると空気が澄んで遠くまで見通せるようになります。長い冬の前の一瞬の輝きに思えます。

紅葉情報:酸ヶ湯の紅葉はこれから、今度の日曜日あたりがベストでしょう。奥入瀬は更にその1週間後でしょうか。

自分のことを知るだけ

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「深夜の保護者会」、NHKの番組です。
日曜日の夜の番組に発達障害の子どもを持った親達が集まっていました。
その中でY君のお母さんが「自分は障害とYちゃんとは別のものと考えるようにしたら楽になった。Yちゃんが悪いのではなく、Yちゃんにこんな事をさせる障害が悪い、そう考えると気持ちが楽になった。Yちゃん自体を嫌いにならなくなった。」それを聞いたY君は「そういう考えは止めて欲しいな。自分と障害は別じゃない。」「自分のことを知るだけ。知ればちょっと楽になる。知って、上手く付き合って行けたら気持ちは楽になる。」それを聞いたお母さんは「親の考えているのと子どもの考えているのとが違った。子どもの方が上を行っている」と感心していました。

 ありのままを受け止めることは大切なのでしょうが、理想の子ども像が大きければ大きいほど、現実を受容することは大変です。子どもの方にも親の期待に応えたいという思いと今の自分との間にギャップがあります。心から受容できて、親が子どもの気持ちを尊重できたとき、お互いが楽になるのでしょう。

 最近、NHKで発達障害をテーマにした良い番組が沢山作られています。僕も親の本音を聞けてとても参考になりました。
それにしてもY君、凄いよ!

八甲田レポート:初秋

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 連休の初日、山では既に紅葉が始まっていました。前に登ったのが7月でしたから2ヶ月ぶりの八甲田です。台風が接近中とあってゴーゴーと風が音を立て、山頂では人も飛ばされそうなほどの勢いでした。にもかかわらず午前中は晴れとの天気予報に誘われてか、沢山の登山客で賑わっていました。頂上直下の避難小屋の前では皆、口々にこんな風は始めて、死ぬかとおもったなんて話し声が聞こえてきましたが、まあそんな日もあるのが山なのです。ただ山頂近くで出会った母親と小学生の女の子の二人連れはさすがに危険と思い、風の弱まるところまで子どもの手を引いて下ろしてあげました。女の子は泣きたいほど辛かったと思います。これで山を嫌いにならなければいいのですが・・・。

 さて、今年の紅葉は少し早いようです。毛無岱の紅葉の見頃まであと10日程でしょうか。紅葉が終わると山には直に雪の季節がやってきます。

息子の結婚式

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息子が結婚しました。
式はキリスト教の教会で行われました。比較的大きな教会で、パイプオルガンもあり、ステンドガラスに高い天井。彼は別にクリスチャンではないのですが、その雰囲気が気に入ったのでしょう。自分の結婚式がホテルの簡易的な神前結婚で、単に形式だけという感じでしたから、尚更教会での結婚式が素敵に見えました。キリスト教の教会も別に信者でなくとも受け入れるのですから、寛容なのですね。イスラム教にしたって他の宗教を認めないということはないそうですから、本来は宗教対立なんて起こりようもないのでしょうが、そこは神ではない人間の性なのでしょうか。
それにしても当に日本人は宗教に寛容で、僕自身、つられてアーメン、なんてつぶやいていました。始めて知りましたが、アーメンとは“確かにその通り”“そうなりますように”という意味だそうです。

 北海道で中学高校と思春期を過ごした僕は、海を渡り青森の弘前大学に進学し、そこで妻と出会い息子が生まれました。その青森で育った息子が今度は北海道へ移り住み、素敵な女性と出会いました。しかも広い北海道の中で、前に紹介した野幌森林公園が彼女の遊び場だったそうですから、何か不思議な縁を感じます。式には沢山の友人達が来てくれました。彼らもまた様々な縁に導かれ、集まってくれたのでしょう。その縁を大切にして人間として成長し、末永く幸せに暮らして欲しいと挨拶しました。

写真はその野幌森林公園の記念塔でプロのカメラマンが息子たちを撮影したものです。

PとN

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 先日、愛着障害の講演を頼まれた秋田の親力・教師力アップセミナーでシンポジウムがありました。そのシンポジウムで知り合いの臨床心理士がPとNの話しをしました。Pとはポジティヴ、Nとはネガティヴです。すなわち人の心にはPとNとがある。Nの気持ちと言葉で子どもに接すると、子どもからはNの反応が返ってくる。しかしPの気持ちと言葉で接すると、子どもからはPの反応が返ってくる。分かりやすいなと思いました。
 つい親は子どものできないところにばかりに目が行ってしまいます。もちろんそれは子どもへの期待が大きいことの現れでしょうが、それを言葉にしてしまうと、子どもからは反発する言葉と態度しか帰ってきません。褒めて育てろとはよく言います。でも褒めるのも容易ではない。褒め言葉なんて出てこないのが普通です。褒めるのにも練習が必要なのです。しかし、褒めなくてもいいから、今、出来ていることを認めて、頑張っていることを認めてあげるだけで構いません。それが肯定的なメッセージになります。それで子どもは素直に育ちます。

 さて、話しは変わりますが、先週火曜日朝6時、サイレンの音が鳴り響きました。空襲警報を連想した方も多かったのではないでしょうか。国と国との対応もPとNではないでしょうか。Pの対応で国交を行うと上手くいくのではないかと思うのは甘い考えなのでしょうかね。北朝鮮もアメリカも、そして日本の政府の対応も不安でなりません。

写真は去年、長崎で撮った平和祈念像です。

癒やしの森

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 お盆の休みを利用して札幌へ行き、息子の結婚式の教会と披露宴会場を下見してきました。そう、彼は来月、結婚するのです。
教会は荘厳な雰囲気で良かったですし、それに隣接する披露宴会場も落ち着いていて素敵でした。

 まあそれは𠮷として、今回時間が出来たので札幌のすぐ北にある野幌森林公園へ行ってきました。実は自分が高校生の頃、その公園の直ぐ近くに住んでいて、日曜日よく一人で散歩したものでした。双眼鏡を首からぶら下げ、野鳥の姿を追いながら歩きました。公園と言ってもそこは北海道、周囲は10kmもあるでしょうか。中心部の一般コースを歩くだけでもゆうに1時間は掛かる広大な公園です。
久し振りに訪れたその森は緑豊かな広葉樹の森で、懐かしく心癒やされました。その時、分かったような気がしたのです。自分の原点はこの森にあるんじゃないだろうかと。大学へ行って山岳部に入ったときも、決して最初から山を登りたかったわけではありませんでした。知らない森に行くことができて、見たことのない野鳥に出会えるかも知れないと思ったからです。スノーボードもゲレンデより山を滑るのが好きですし、バイクもワインディングロードが好きです。それらの始まりがここにあるように思えたのでした。

 野幌森林公園、素敵な癒やしの森の公園です。皆さんももし時間があったらその森を歩いてみませんか。

広島の暑い日

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 広島での1週間の研修は学びの多いものでした。3人の児童精神科医の診察を陪席させてもらい、療育機関では実際の療育の様子を見学させてもらいました。還暦を過ぎての新人研修でしたが、実りの多い1週間でした。少しでも彼らに近づきたいという思いと、いやいや自分には到底無理という思いとが交錯していました。
まあ自分にできる範囲で、自分のスタイルを作るしかないのでしょう。

 それにしても広島は暑かったです。連日35℃を越えていました。研修が終わった土曜日、市内に宿を取れず、どうせならと宮島に移動し、そこで6日を迎えました。朝早く、まだ人の少ない厳島神社を参拝し、ホテルに帰って8時15分、島のサイレンが鳴り響きました。そう、6日は原爆記念日でした。例年だと式典の様子を後でニュースで見るだけでしたが、今年は中継をずっとテレビで見ていました。子どもの代表のスピーチに思わず胸が熱くなりました。原爆が投下された日も快晴だったそうです。きっと同じように暑かったのでしょう。今年の8月6日は僕にとっても特別の日になりました。

絵本の読み聞かせ

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 先週、童話館から取材を受けました。童話館は長崎にある絵本の出版社です。前々から当院を取材したいと言っていて2年前に亡くなられた先代の社長さんの意志を継いでのことでした。社長さんは「何故ただの小児科医が子どもの心に診療に関わるようになったのか、その訳を知りたい」と仰っていました。澤田敬先生と一緒に弘前に来ると言っていましたので、もしそれが実現したら澤田先生の甘えの話しと社長さんの絵本の話しで特別講演会を企画するつもりでした。とても情熱的な方でしたので、お亡くなりになったと聞いてとても残念に思ったものでした。
 さて、今回取材に来られたのは若い女性の方でした。様々な質問の中で、絵本の話になり、僕が毎晩のように子ども達に絵本の読み聞かせをやっていたと話したら、彼女に「それでお子さん達は大きくなられてどのように育ちましたか?」と聞かれました。絵本を沢山読んであげてそれで子ども達がどう育ったかなんて考えてもみませんでしたから返答に困り、「読み聞かせで子ども達がどう育ったかは分からないけど、その時間は自分には幸せな時間だった」と答えました。その話しを帰って奥さんにしたら、「二人とも本が好きになったし、Y(長男)なんか学校の実力試験で問題文を読んでて、それが悲しい内容だったからテストを受けながら泣いてたって聞いたよ」と教えてくれました。二人とも感性豊かに育ったようです。どうも父親というものは自分の子ども達のことを良く分かっていないようですね。僕だけかな (^_^;

 長崎の大浦天主堂の直ぐ下に童話館の「祈りの丘 絵本美術館」があります。もし皆さんも長崎に行かれたら、ついでに覗いてみてはいかがでしょうか。小さいけど素敵な美術館ですよ。
写真は去年FOUR WINDSの学会で長崎に行ったときに撮ったものです。

八甲田レポート:ワタスゲ

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 久し振りに何の予定もなくFreeとなった日曜日、八甲田を登ってきました。全国的に暑い一日となり、熱中症の注意報も出ていて、いつもより水分を多めに持って行きました。8時過ぎに酸ヶ湯に着くと、何があるのか大勢の登山客。広い駐車場ですが車が溢れ、自分の車を駐めることが出来ません。見ると横断幕があって「山開き登山大会」とありました。八甲田でも山開きをやっていたのですね。知りませんでした。どうして山開きなんてあるのだろう。春夏秋冬、それぞれの季節の山があるのに、その言葉が僕にはどうもぴんときません。ニュースで230人が集まったとありました。車を駐車場から外れたキャンプ場へと通じる道の路肩に駐め、彼らと一緒にならないようにと急いで支度をして登り始めました。

 山はすっかり盛夏。毛無岱の湿原では一面にワタスゲが風に揺れていました。今年のワタスゲは例年よりも見応えがありました。稜線ではミヤマオダマキが盛りを過ぎ、ヨツバシオガマやイワブクロなどの夏の花が可憐な花を咲き始めていました。

 それにしてもどうして人は群れたがるのでしょう。特に日本人は群れたがるようです。イワシなどの弱い魚が群れるのは身を守るためと言われています。スズメやムクドリは冬になると群れを作って行動します。その方がエサを見付けやすいからでしょうか。渡り鳥が群れて飛ぶのは空気抵抗を減らすため。動物の群れはそれぞれ意味が異なるように思います。さて、日本人は何故群れたがるのか。集団の方が楽しいから? 一人だと不安だから? 人任せに出来て気楽だから? 自分で責任を負わなくて良いから? 多分、山へ入ってみたいが経験も少ないし、1人だと不安だからといったところでしょうか。
 仲間と行くのが楽しいという人も居るでしょうが、僕は周りに人が沢山いると、自然の声が聞きにくくなるけどなあ。1人か、気心の知れた山仲間2、3人で登るのが好きです。

 子ども達が群れるのも特別な意味があります。思春期の子ども達の発達課題はアイデンティティの確立とそこから導かれる親からの独立、親離れです。その試練に立ち向かう不安を和らげてくれるのが友人達です。仲間を作り、徒党を組み、子ども達は巣立ちの準備をします。しかし中にはその友人を作れない子どもも居ます。そんな子ども達をサポートしてあげたいと願い、その手段、方法を模索中です。

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