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赤ちゃんに未来はない

 今年のあまえ研究会は東京の東村山市で開催されました。今日のタイトル「赤ちゃんに未来はない」はその研究会での堀内勁先生の教育講演の中のフレーズです。堀内先生は聖マリアンナ医科大学の名誉教授で、未熟児のカンガルーケアを日本で初めて導入された著名な先生です。カンガルーケアとは生まれたばかりの1000gに満たない未熟児を母親の胸に抱っこさせるのですから結構大変だったろうと思います。とてもダンディーで素敵な先生ですが、気さくで休み時間に目が覚めるよとクロレッツをもらいました。
 講演のタイトルは「親と子の早期のコミュニケーションと心」
「赤ちゃんに未来はない」は赤ちゃんの心の発達のお話に出てきたフレーズです。先生は「未来は過去の経験から生まれる。だからまだ過去のない赤ちゃんには未来はなく、ただ、だだっ広い現在があるだけだ。その現在を豊かに作ってあげることで充実した過去が生まれ、そこから未来が生まれる」と講演されていました。胎動や指しゃぶり、子どものおしゃべりなどの動画をふんだんに取り入れ、分かり易く、人を引きつける素晴らしい講演でした。

 堀内先生には来年、自分がやることになったFOUR WINDS乳幼児精神保健学会・弘前大会で市民公開講座をお願いしました。
今から大会の宣伝しておこうっと (^_-)-☆

 大会は来年10月31日(土)と11月1日(日)。市民公開講座は初日の午前10時から。会場は弘前市民会館です。市民公開講座は無料。その後の学術集会は会費制ですが、渡辺久子先生の基調講演やその他にも教育講演、演題発表、シンポジウムなどを計画しています。学会の対象は子どもの心の発達に関わる全ての職種の方々です。出来るだけ沢山の方が来てくれることを願っています。興味のある方は是非ともご参加されることをよろしくお願い申し上げます。

子どものほめ方

 ドクターX、米倉涼子主演のテレビドラマです。「私、失敗しないので」という決まり文句で難しい手術をこなしていく医療ドラマ。(時々、あり得ないようなこともでてきますが)
 ほとんど観ることはないのですが、先週たまたまテレビを付けたらそれが入っていました。そして丁度、脳腫瘍を患った天才数学者が少年と話している場面でした。少年が「僕、東京数学大会で準優勝だったんだ」と自慢すると、その数学者が「準優勝では意味がない。優勝でなければ雑魚と同じだ」とけなすのです。少年はくしゅんとします。しかしその後、その天才数学者が続けます。「でも見込みがないわけではない。自分はその大会で3位だった。自分はそれが悔しくて頑張った。それで今の自分がある。君は2位だったから僕より良い。だからこれから頑張ればいい」と。少年の顔はいっぺんに明るくなりました。

 さて、子どもは「ほめて育てよ」とは良くいわれることです。「しかる」ことで子どもの行動を変えることは出来ますがそれは一時的なもの。それを継続的なものにするには「ほめる」ことが必要です。ただ幼児であればただほめるだけで良いかもしれません。しかし小学生ともなると、下手なほめ言葉は反って逆効果ということもあるでしょう。「白々しい」と「馬鹿にして」なんて言葉が返ってくるかもしれません。ほめるのにもテクニックが必要です。ドクターXに出ていた天才数学者のほめ方はかなり秀逸です。けなした後の褒め言葉は効果倍増?なかなか難しいです。
 でも難しいことを考えず、本当に良かったと思えるときは、素直に感情を込めて、「すごいね〜」とほめるのが一番良いのかもしれませんね。要は心からそう思っているかどうか。下心はすぐに見抜かれてしまうでしょうから。

弘大小児科学同窓会でのこと

 毎年この時期、年1回の弘前大学小児科同窓会があります。その同窓会でのこと、八戸のT先生が隣に来て僕に話しかけてきました。
 なんでも彼に最近孫が生まれたのだとか。しかし孫の顔を見ても愛情がわかない。それを奥さんに話したら、ひどく怒られ大変だったと言うのです。「男性は我が子でも自分自身から生まれてくるのではないから父親としての愛情は抱っこしたり世話をすることで少しずつ生まれてくる。孫も同じだ」と。そして「何度か抱っこしている内に最近やっと可愛く思えてきた」と話しました。
 父親としての子どもへの愛情は、児が誕生し世話をすることで生まれるとは良く言われることですが、最近の研究では妻が妊娠中から男性が積極的にパパママ教室などに参加したり、分娩に立ち会ったりすることで出生後早期から父親としての自覚と愛情が芽生えることが分かっています。さて、孫の場合は・・・自分の子ども、つまり孫の親にどんな関わり方をしてきたかで違ってくるのかななどと考えていました。そのT先生、一通り話し終えると、やおら携帯を取りだして孫の写真を見せてくれました。そこには目鼻立ちの整ったとっても可愛らしい赤ちゃんがいました。なんだ、結局孫自慢か・・・ (^_^;
 その話を隣で聞いていた市内の同期のS先生、「私も早く孫が欲しい。孫を目一杯抱っこしたい。もう一度子育てをしたい」と口を挟んできました。多分、自分が若かった頃は医者に成り立てで、満足のいく子育てが出来なかったかあらかもしれません。それは僕も同じです。しかし「おじいちゃん、おばあちゃんが孫の育児に出しゃばり過ぎるのはあまり良くないよね」と僕が言っても、「それは分かるけど、それでも孫が欲しい」と言っていました。

 さて、我が家に孫が現れるのは・・・まだまだ当分先の事だろうなぁ。