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流星ワゴン、最終回

 少し前にこのブログで流星ワゴンのことを取り上げました。先の日曜夜、その最終回でした。主人公の父親は幽霊の親子の運転するワゴン車に乗って過去へタイムスリップし、子どもや妻との関係をやり直そうとするのですが、過去は何も変わらない。しかしその過去への旅の過程で自分自身が変わっていく。そして最後はハッピーエンド。過去は変えられないが、現在の自分が変わると未来が変わる、変えられる。それがワゴン車の本当の意味だったという結末でした。子どもを変えようとしても何も変わらないが、自分が変わると子どもも妻も変わる。それこそ心の響き合い、間主観性の世界ということでしょうか。
 しかし人は関係性の問題をとかく相手の所為にしたがるものです。先ずは自らを振り返り、自分自身を変えることが大切なのでしょうが、そう簡単ではありません。外来で子どもを診察する時も同じ。瞬時に内省し、軌道修正出来ればきっと相手との関係性もよくなる(治療方針についてお互いに納得できる)と思うのですが、いつも後から後悔することばかり。この年になってもまだまだ未熟です。

子どもの自尊心をくすぐるには

3.11 震災から4年が経ちました。テレビでは震災の記憶の風化が懸念されていましたが、自分にとってはまだまだ記憶に新しく、思い出すと今も胸が苦しくなります。

さて、今回は先日参加した東京でのFOUR WINDSのセミナーでの話しから。

 弟や妹が生まれた時、お兄ちゃんお姉ちゃんは少なからず不安定になります。普段から僕はお腹の大きくなったお母さんを見ると、「下の子が生まれて、赤ちゃん返りしたらどうしますか?」と聞くようにしています。「もしおっぱいを飲みたがったらどうする?」と。
 反応は様々。自信を持って「あげます」というお母さんもいれば、「え〜っ!大きい子におっぱいを飲ませるなんてとんでもない」というお母さんもいます。以前にもこのブログで書きましたが、いつも僕はお母さんに「下の子が生まれて赤ちゃん返りしたら、決してお兄ちゃん、お姉ちゃんでなく、大きい赤ちゃんとして扱ってあげて下さいね。」
 上の子が4,5歳の大きいお子さんの場合は「きっと色々お手伝いしてくれると思うから、お母さんは助かるって誉めてくださいね。そうしたら上の子は自分がお母さんの役に立っていると思う、それが役立ち感、自己肯定感、自尊感情に繋がりますよ。とても良い機会です」とお話ししています。

 先日のセミナーで渡辺久子先生がおっしゃったことは「私は上の子にはこういうと良いですよとお話ししています。あなたが私をただの女性からお母さんにしてくれたのよ」と。
多分、子どもには何のことか分からないかも知れません。しかしきっと自分がお母さんの役にたっていると目をキラキラさせることでしょう。

 日本の子ども達は世界で最も自尊感情、自己肯定感が低いそうです。自己肯定感が育つには、まずどんな自分でもお母さんは自分のことを愛してくれているという自信が絶対必要条件です。
 ウィニコットという人が「赤ちゃんがお母さんを見つめるとき、赤ちゃんは二つのものを見ている。自分を見つめるお母さんの瞳と瞳の中に映った自分とを」と言っています。お母さんを見つめる時、自分自身の存在がお母さんを幸せにしていることを赤ちゃんは感じ、そこから最初の自尊感情が生まれます。
 自分に自信を持てないと卑屈になったり、逆に攻撃的になったり、社会に適応する力が弱くなります。そう全ての始まりは親子の心の絆なのです。