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舌下免疫療法

 以前、このブログでも書いたかも知れませんが、舌下免疫療法という新しいアレルギーの治療法があります。これは皮膚から浸入する異物(主としてタンパク質)に対してはアレルギー反応を起こすが、口から入る物に対してはアレルギーを起こさない、耐性を獲得できる(治る)という体内の反応を利用した治療法です。既にスギの花粉症治療で実用化されています。スギの花粉のエキスを口に含むことでスギ花粉に対する耐性が獲得できます。これは抗ヒスタミン剤などの単なる対症療法ではなく、アレルギー体質そのものを治療するわけで画期的と言えます。

 それと同じ方法でダニに対する舌下免疫療法が開発されたことが、今週の「ためしてガッテン」で紹介されていました。子どもに使えるのはまだ先のことになるでしょうが、期待できます。近年、様々なアレルギーに対する考え方、治療法が変わりつつあります。食物アレルギーについても不要な食物制限は反って重症の食物アレルギーを引き起こす可能性があることが分かってきました。食べられる範囲で積極的に食べた方が食物アレルギーは治るのです。我々は常に知識を更新しなければならないし、新しい知見を社会に情報提供して行くことが大切だと考えています。

 スギやダニの舌下免疫療法はスギやダニ単独のアレルギーがある患者では有効ですが、複数のアレルギーがあるとその効果は限定的です。将来、それぞれの人が持っているアレルギーに合わせた、オーダーメイドできる混合タイプの舌下免疫療法が開発されるといいななんて夢見ていました。

誤学習

 子どもの心研修会は日本小児科医会が企画する全国の小児科医を対象とした子どもの心を学ぶ研修会です。毎回、素晴らしい講演が聴けるのでできる限り参加するようにしていました。今日の話題は先週東京で開催されたその研修会から。

 まず、今日のタイトルの誤学習とは。
 例えば子どもがスーパーで玩具を欲しがるとします。最初は「この前、玩具を買ったばかりでしょ」と子どもの要求をつっぱねます。子どもは「買って、買って」としつこく迫る。それでも買ってもらえないと分かると今度は床にひっくり返って「買って〜」と泣き叫ぶ。親は根負けし、「分かったからもう止めなさい。今度だけよ」と買ってあげる。よくありそうな光景ですが、子どもはこの時、床にひっくり返って泣き叫べば自分の要求が通ると学習します。それを誤学習と言います。

 今回の研修である講師が、親の誤学習という話しをしていました。例えば、子どもが言うことを聞かない時、叩いて厳しく叱る。子どもは怖くて言うことを聞く。親は子どもは叩いて叱ればいうことを聞くと学習してしまう。これが親側の誤学習。なるほどと頷きました。確かにそうですよね。誤った方法でたまたま上手くいったとしてもそれは根本的な解決とはならないし、次も上手くいくとは限りません。子どもの心の中で不満は蓄積して行きます。そのうち成長し体が大きくなると、もう叩いていうことを聞かせられなくなる。そして蓄積した不満が爆発し、親はそれをコントロール出来ず、問題行動へと発展するなんてこともあります。体罰は根本的な問題解決にはなりません。叱る時は理由を説明し、行動を叱ることが必要です。本人を否定するようなしかり方は自尊感情を低くするだけです。叱る時はあなたが大切だから叱るのだと伝えましょう。

八甲田レポート:初夏

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 梅雨空の続く南の人には申し訳ないほど、清々しく晴れた日曜日、久し振りで八甲田を登ってきました。今年は学会の準備やら何やらいろいろで、なかなか山へ行けません。前回、登ったのは5月下旬。まだ雪の残る季節でした。2ヶ月近くたって、木々の緑もますます濃く、すっかり山は夏の装いでした。今年もまた毛無岱湿原のお花畑を見逃しました。

 しかしその代わり、毛無岱ではワタスゲのふわふわの毛玉が風に揺れていました。稜線ではヨツバシオガマやミヤマオダマキなどの夏の花が色鮮やかに咲いていました。仙人岱の雪渓が溶けた後にはチングルマやイワカガミが咲き、この季節の八甲田は一年で一番花の種類が多い季節です。

夜景

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 函館へは何度も行っているのですが、その夜景は中学校の修学旅行で見て以来、一度も見る機会はありませんでした。当時、バスで登るに連れて木々の間に見える灯りに息を飲んだのを今も覚えています。
 日曜日、FOUR WINDSの秋の弘前大会の宣伝も兼ねて、函館まで遠征し、ロバートソンフィルムの学習会を開催してきました。前の晩に函館入りし、翌日の学習会に備えました。スタッフと一緒にお寿司屋さんで食事した後、函館の友人が函館山に連れて行ってくれました。しかし生憎の雨模様。夜景の美しさは半減していましたが、それでも傘を差しながら見た夜景は良い思い出として残るでしょう。

 青森県にも夜景の綺麗なスポットが沢山あります。むつの釜臥山からのアゲハチョウは有名ですが、平川の志賀坊高原からの夜景も夕日が岩木山沈んだ後に街の明かりが輝き出すのが美しいです。
 自分としては羽田空港に降りる時に見える川崎の工場の灯りも近未来的で美しいと感じますが、なぜ夜景を美しいと思うのでしょう。暗闇が不安や恐怖の象徴なら、灯火は安堵、安心、進むべき方向を示す目印でしょうか。
丘から見下ろす夜景は美しいと感じますが、写真で見る宇宙からの地球の夜景は電気の無駄遣いのようで醜悪に感じてしまいます。身勝手ですね。

 さて、学習会の方は好評でした。ロバートソンフィルムの威力でしょう。このフィルムは2歳前後の子ども達が親と引き離された時、どのような表情、どう変化するかを克明に記録したイギリスの古いフィルムです。子どもと関わる職種、全ての方にとって必見です。しかし先日、若い小児科医にフィルム学習会の話しをしましたが、あまり興味を示してくれなかったなあ〜 (T_T)

今週は残念な写真になってしまいましたが、気持ちだけ (^^ゞ