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完全看護と子どもの心

 日曜日、東京で参加したFOUR WINDSセミナーはロバートソンフィルムを使ったセミナーでした。ロバートソンフィルムとは愛着理論を確立したボウルビィの弟子のロバートソン夫妻によって1950年代から1960年代にかけてイギリスで撮影されたフィルムです。そこには2歳前後の子ども達が母親と分離され、「自分に何が起こっているのか分からない」戸惑いと不安が記録されています。ボウルビィはロバートソン夫妻の仕事を基にして愛着理論を完成させました。フィルムにはそれぞれ観察の対象となった子ども達の名前が付けられています。今回、視聴したのは「ローラ」でした。ローラは2歳5ヶ月の女の子。臍ヘルニアの手術で8日間入院するのですが、当時のイギリスでは子どもの入院に親の付き添いは認められていませんでした。フィルムにはお利口さん過ぎるローラの悲しい気持ちが克明に記録されています。このフィルムがきっかけとなり、イギリスでは子どもの入院に親の付き添いが認められるようになったそうです。

 さて、今の日本では・・・。
ほとんどの病院で子どもの入院に親が付き添うことが許されていますが、中には今も完全看護と称して子どもだけで入院させているところもあるようです。これは大きな問題です。入院だけでなく、点滴や採血の際に母子分離することは多くの病院で行われています。そういった処置が子どもの心を傷つけ、その小さな傷つきの積み重ねでもPTSD(心的外傷後ストレス障害)へと発展することが知られています。我々は子どもの心を守ることにもっと注意を払うべきなのです。

日曜日の東京の空は透き通るように青く輝いていました。
青森空港に降りると車の上には20cm程の雪が積もっていました。冬の津軽の暗い空は大なり小なり人の心にも影響しているのだろうなあ〜 (v_v)

八甲田レポート:樹氷

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 体調が戻り、少しは体を動かせるようになった連休最初の土曜日、山陰の日本海側は大雪で大変だったようですが、津軽は快晴。少しだけでも山の空気を吸いに行こうと八甲田へと出掛けました。病み上がりで無理はしないつもりでしたが、酸ヶ湯から歩き始めると思いの外調子よく、背負ったボードもそれほど重く感じません。おまけにしっかりとトレース(踏み跡)もあり、これなら楽に登られそうだと上を目指しました。

 仙人岱ヒュッテまでと思っていましたが、トレースは山頂へと伸びています。快晴で何人もの登山客が登っていました。頂上直下には滑るのに素敵な斜面が広がっています。柔らかそうな新雪です。ここで引き返すのは心残りと頂上斜面を登り始めました。半分ほど登って流石に息が切れてきました。やはり体力はまだまだ回復していないようです。頂上まであと200mほどのところで上から登山者が一人降りてきました。見ると自分より高齢と思われる女性の方。長靴にスノーシューを履いて、装いも今時の山ガールではありません。近所のおばちゃん風。「いや〜、たいしたものだ」と脱帽しました。

 今年の八甲田は昨年同様、雪が少なく、樹氷も貧弱でした。しかしそれでもスノーモンスター達は青空に映えて白くまぶしく輝いていました。

マスク

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 先日ある会合で、市内に同じ小児科医院を開業している同期のS先生が、「自分も年を取って免疫能が低下して風邪を引くようになった。冬だけでなく、一年中マスクをすることにした」と言っていました。それを聞いて「自分はまだまだ大丈夫」と思っていましたが、しかしそうではなかったようです。3週間ほど前から風邪気味だったのですが、一向に治る気配もなく、先週の木曜日ついに発熱してしまいました。悪寒筋肉痛もあり、てっきりインフルエンザと思いましたが、何度調べても迅速試験は陰性。インフルエンザだったらしばらく休診にするつもりでしたが、翌朝には解熱。まだめまいはありましたが、何とか外来をこなしました。
 発熱の原因は副鼻腔炎。去痰剤と漢方薬を飲み始めたばかりでしたが、間に合わずの発熱。諦めて抗生剤を飲み始めました。しかしそれでも中々軽快せず、一昨日から強い抗生剤を飲み始めました。少しは良いようですが、まだ鼻汁と頭痛は続いています。

 自分の免疫力には自信を持っていたのですが、年と共に衰えてきているのでしょう。しかし自分はマスクでの診察はまだ抵抗があります。言葉と目だけで気持ちを伝えるコミュニケーション力に自信がありません。
特に小さい子ども達に対しては・・・。

マスクは表情を隠し、円滑なコミュニケーションを妨げます。
実はコミュニケーションにおいて、非言語的なコミュニケーションの方が遥かに大きなウエイトを占めていると言われています。
する必要のない場所で、誰もがマスクをしている日本の社会が僕は心配になるのです。
副鼻腔炎は人にうつす感染症ではないので、相変わらずマスクをしないで診療していました (^_^;

 日曜日、晴れ上がった空を恨めしく見上げながら、岩木山を撮っていました。