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伝えたいこと

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 今週水曜日の午前を休診にして青森県教育相談研究会で講演をしてきました。タイトルは「子どもの行動の陰に潜むもの〜子どもの心に寄り添って〜」
子どもの心の発達と愛着形成、愛着障害と発達障害、加えて子どもの問題行動への対応についてお話ししました。
講演の冒頭に「全ての事象には意味がある」と話し始めました。咳の意味、熱の意味、全ての物事には意味があります。同様に子ども達の様々な問題行動にもそれぞれに意味があります。発達障害の特性から来る行動もありますし、ストレスから来る心のサインもあります。それぞれに対応は異なります。先ずはその行動の意味を考えることが大切だと思っています。

 しかしそもそも大人は何故子どもの行動を問題と感じ、困ったり苛ついたりするのか?
三つの子ども像があります。1つ目は理想の子ども像、2つ目は自身が子どもであった時の自分の像、3つ目は現実の目の前にいる子どもの像。1や2が3と大きく異なると困った行動と感じます。しかしそこにはその行動の意味が考慮されてはいません。元々感情の話しなのですから無理はありません。しかし自分自身にそういう感情があることを理解して、その上で子どもの行動の意味を知り、適切な対応をとることが望ましいと考えています。つまり内省するところから始まるのです。

 自分が医療を出来る残された時間を考えています。そして自分が学んだことを次の世代に伝える必要があると考えています。そんな訳で皆様には多大なご迷惑をお掛けしましたが、敢えて休診にさせていただきました。謹んでお詫び申し上げます。


 写真は連休の初日に出掛けた八甲田。まだ膝は回復しておらずロープウェイで上がりました。ボードは大丈夫のようでした (^_^)v

 2018年の院長のひとことはこれが最後です。忙しくて更新できない週もありましたが、それなりに頑張ってきました。来年も出来る範囲で更新したいと思います。

それでは皆様、よい年をお迎えください。

『ない』ことの証明

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 今年のノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑先生がノーベル賞受決定後の初公演で、子宮頸がんワクチン問題について取り上げ、現在の「日本は国際的に見ても恥ずかしい状況」とコメントしたそうです。「科学では『ない』ということは証明できない。『ある』ものが証明できないことはない。『証明できない』ということは科学的に見れば、子宮頸がんワクチンが危険だとは言えないという意味だ」と述べ、「なぜこれを報道しないのか」「ルワンダなど(リソースの少ない国)でもワクチンを導入して子宮頸がんが減っている」「このことに関してマスコミの責任は大きいと思う」と述べられたそうです。
 先生は厚労大臣を訪問し、子宮頸がんワクチンの積極的接種再開の要請を行ったそうで、以前から医療経済やQOLの観点からワクチンを初めとする予防医療の重要性を繰り返し訴えていたと医学系のネットニュースに出ていました。現在の日本の状況を憂いておられるのでしょう。

 世界中で子宮頸がんが減少している中、日本だけが増加しているそうです。もし仮に神経症状のように見える副反応が子宮頸がんワクチンが原因だったとしても、その発生率は極めて低く、子宮頸がんに罹患するリスクとは比較にならないものです。自分の娘には接種しましたし、当院のスタッフも皆、自分の娘に接種しています。感情的なワクチン忌避論に左右されることなく、自分の判断で接種していただくことを願っています。

そう言えば、満員電車で痴漢と間違われ、無実を晴らすのに大変な思いをした話がテレビで出ていました。これも似たようなものでしょう。外来診療でも同じです。『ない』ことの証明はとても困難なのです。

 写真は二の丸辰巳櫓です。冬の弘前公園も良いですね。
やっぱりスマホのカメラは画質がいまいちですね。カメラを持って行けば良かった。
(^_^;

医学最新情報

 先週の土曜日は青森川崎病研究会、日曜日は予防接種・海外渡航合同研修会と続けて参加してきました。一年間にかなりの回数の学会、研究会に参加しています。それは最新情報を得て、自分のスキルを磨き、診療に役立てるためです。

 土曜日の川崎病研究会では川崎病の診断キットの情報を得てきました。川崎病は今も原因不明で、診断は症状からの診断しかありませんでしたが、川崎病で特異的に増加する蛋白があり、それを測定することで診断が可能となるだろうというものでした。典型的な川崎病は一目見ただけでそれと分かりますが、最近問題となっているのが不全型と言って症状の揃わない川崎病です。だからといって決して軽症という訳ではなく、心臓に後遺症を残すことも少なくありません。診断キットが出るとより早期の確実な診断に繋がり治療に役立つことでしょう。
日曜日の研修会もポリオや海外からの輸入感染症についての話題で、これは既に知っていることも多かったのですが再確認できました。早速、クリニックのスタッフと情報を共有し、外来に役立てたいと思っています。

 医学の進歩はめざましく、また最新でなくとも自分の知らないことも多く、常に勉強が必要です。しかし知らないことを学ぶことは楽しいことです。別に医学に限りません。知識欲や向上心はどの子も持っています。それを上手に引き出してあげたいものです。