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働き方改革

 世の中の色々な場所で働き方改革が叫ばれていますが、開業医も働き方改革をする必要がありそうです。先日とある医療系の情報誌に、開業医の平均寿命が70.8歳とありました。60歳代で亡くなる開業医が最も多いのだそうです。勤務医時代からのハードワークを引きずり、開業してからは尚更診療時間が長く、心身ともに疲れ様々な病気に罹ってしまうのでしょう。


 弘前市内のある人気の皮膚科の先生が受付時間を平日17時、土曜日11時にすると聞きました。この先も長く診療を続けるためには少し仕事量を減らす必要があると判断したようです。先日も1日の患者数が170人を越えたとか。当院でも受付時間を18時までと短くし、また少子化もあってか、患者数は年々減少し、1日100人を越えることも少なくなってきました。しかしその代わり診療に時間の掛かる子を診るようになって、やはり帰宅時間は8時を回ることも少なくありません。僕だけでなくスタッフも疲れています。

 働き方を改革するには単に診療時間を短くすれば良いというだけではないでしょう。その内容も問われのだると思います。仕事をして報われる思いが必要なのでしょう。そして自分たち自身が心身ともに健康で、心に余裕が必要です。診療のレベルを上げる必要もあります。

当院の働き方改革・・・思案中です。

一升餅

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 去年生まれた初孫の1歳のお祝いで札幌へ行ってきました。生れて9日目でしっかりと父親(僕の息子)を見て笑顔になった孫娘は、もうよちよちと歩き始めていました。両家のじじばばも集まり、一升餅を背負わせ、皆で彼女の健やかな成長を喜び、将来の幸せを祈念したのでした。

 それにしても日本には子どもを祝う行事のなんと多いことか。子どもを大切にする文化は今も確実に息づいています。しかし一方で虐待のニュースは絶えることがありません。それは単に虐待する親だけの問題ではなく、やはり日本社会の歪みの現れと思っています。虐待を予防するには責めるのではなく、虐待する親を支援し、彼らが抱える不安に寄り添うことが大切だと考えています。

八甲田れポート:冬の終わりに

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 良く晴れた日曜日の朝、ボードを持って八甲田へと向かいました。日差しは強く風もなく、まるで4月の春山を思わせる天気でした。このところ暖かい日が続き、当然樹氷は崩れているだろうと思っていましたが、今年の樹氷は大きかったのでしょう、山の上部にはまだ見事な樹氷の森が広がっていました。お出かけや急患診療所の当番で次に山へ行けるのは早くても2週間後。きっと山は様変わりしていることでしょう。4、5月の残雪の春山も好きです。今年は少しずつ足をならして、体力を戻し、怪我をしないように山を楽しもうと思っています。また山の写真を撮れたら大自然レポートをお届けしますね。

病気が治るのに2つの大切なこと

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 敬愛する澤田敬先生が厚生労働大臣賞を受賞されました。土曜日、その祝賀会で東京に行っていました。受賞講演はいつものように朴訥で心に響く講演でした。これまで澤田敬先生は高知で虐待防止のNPO法人「カンガルーの会」を立ち上げ活動されています。先生は虐待はそれを早期に発見するのではなく、虐待が起こらないように予防するべきでそのためには親子の関係性を修復する必要があると言います。それには虐待してしまう親自身の生い立ちからみて行く必要があります。先生は世の中の虐待防止対策はうわべだけのシステム論で物事の本質を観ていないといつも嘆いておられました。
 先生は虐待する親御さんにいつも優しく接しています。どうしてそんなに優しくなれるのか、今回の講演で「それは自分自身の生い立ちにあるのではないか」とお話しになっていました。敬先生のお母様はとても厳しい方で悪いことをすると土蔵に閉じ込め鍵を掛けられたと言っていました。そのガチャンという音がトラウマになっていると。しかし敬先生のお母様はおそらく愛情深い方だったのでしょう。敬先生はそれを虐待とは感じなかったのだと思います。ただそんなお母様でしたから、虐待する母親を見ると自分の母親とダブって見えてしまうのではないかと言っていました。
僕はまだお母さんの態度に苛ついてしまうことがあります。まだまだ敬先生の足下にも及びません。
写真は敬先生に花束を贈呈する赤平です。赤平もまた敬先生を敬愛しています。

 ところでその会場で乳幼児精神保健学会FOUR WINDSの幹事の一人が僕に小学校2年生の息子の話をしてくれました。
微熱で学校を休ませた時、そこ子が話したそうです。
「お母さん、僕、病気が治るのに大事なことが2つあると思うんだ」
「何と何?」
「一つはね、寝ること」
「そうね、ゆっくり休むことは大切よね。もう一つは?」
「それはね、安心すること。僕、お母さんと一緒にいると安心して病気が早く治るような気がするんだ」

その話を聞いて、思わず胸が熱くなりました。
正しくその通りです。
ただ残念なことですが、今はその2つを叶えてあげるのが難しい世の中なのかも知れません。
でもその大切な2つを忘れたくないですよね。