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残念な記事

 赤ちゃんの夜泣きで苦労されている方も少なくないのではないでしょうか。かく言う我が家も長女の夜泣きがひどく、確か生後2歳ころまで毎晩3、4回は泣きました。先日、読売新聞に夜泣きについての記事が載っていました。良い記事なら院内に張り出そうと思ったのですが、読んでみてちょっと残念に思いました。

夜泣きが子どもの発達に影響することもある、虐待に繋がる、睡眠障害の可能性もある・・・などと不安を煽り、
更には夜泣きの対策として、
生後6ヶ月以降は子どもが泣いてもしばらく見守る
生後9ヶ月以降であれば夜は断乳する。

まるで赤ちゃんの気持ちを無視しています。赤ちゃんに心がないと思っているのでしょうか。赤ちゃんの夜泣きの理由を考えず、泣いても抱っこせず放っておけとはあんまりだと残念に思いました。

 さて、漢方治療では夜泣きに使う幾つかの処方があります。代表的なお薬が甘麦大棗湯と抑肝散。これらは成人の不眠や不安症にも使われます。更に漢方治療では母児同服といって同じお薬を親子に飲ませる治療法があります。つまり夜泣きはただ子どもの問題ではなく、母親の不安、苛立ちを赤ちゃんが感じ、それで夜泣きをすることがあるので、母児同服は理に叶っているといえいます。漢方治療は経験の積み重ねで作られたお薬ですから、昔の人も夜泣きの原因を経験的に分かっていたのでしょうね。

 確かに生まれ持っての気質(性格)で神経質な赤ちゃんはいると思いますが、“子どもは親の心を映し出す鏡である”とよくいわれます。先ずは、お母さんがゆったりと構えていることです。自然に、大らかに、子育てできるゆとりが必要なのでしょうね。

岩木山レポート:山神様

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 日曜日、天気予報では終日の雨でしたが、朝空を見上げるとそれほどの悪天ではなさそうです。計画通りに岩木山の赤倉神社へと向かいました。以前にも一度この「院長のひとこと」に書いたのですが、岩木山には幾つかの登山路があります。嶽コースから反時計回りに百沢コース、弥生コース、赤倉コースそして長平コース。その中で赤倉コースが一番のお勧めです。急登は少ないのですが、その分少々長く、登るには時間が掛かります。この登山路は山岳信仰の道で、点々と続く石仏をたどる道です。石仏には下から順に番号が付いていて、一番上が33番。最後に標高1430mの大開からの水平道の途中に大きな聖観音が祭られています。山頂直下の登りまでは短いですが、見晴らしの良い尾根歩きも楽しめます。
 観音様(石仏)はそれぞれにお顔が違っていて、中でも9番の観音様が一番の器量良しです。若い頃は気にも留めなかったのですが、その他の観音様もそれぞれに趣があって、どこか外来に来る子ども達やお母さん、お父さんに似ています。

 膝を痛めてからこの季節に岩木山を登るのは久し振りでした。ボードで一気に滑り降りるならまだ良いのですが、標高差およそ1200〜1400mを一歩一歩降るのは随分と膝に負荷が掛かるのです。
 そんな訳で赤倉に来るのは何と6年ぶりでした。来てみて驚きました。随分と色々と変わっていたのです。変わったと言っても変わったのは人が作った物で、壊れかけていた橋は新しくなっていました。しかし社務所?が倒壊していたり、倒れている観音様もありました。標高1070mの鬼の土俵では祠が飛んで中の山神様がお姿を現していました。今までは祠の中でしたから、お目に掛かるのは今回が初めてでした。合掌!

 麓の赤倉神社の参道では、ブナの実が沢山の芽を出していました。そのほとんどは枯れてしまうはずです。しかしもし誰も歩く人がいなければこの参道も直ぐに緑に飲み込まれてしまうのだろうと想像していました。赤倉コースの登山道はよく整備されていますが、それでも人の手が入らないと直ぐに荒れてしまいます。南八甲田の登山道などは笹藪を刈っても刈っても直ぐにどこが道か分からなくなります。それが日本の自然なのでしょう。山を神と崇める気持ちが分かるような気がしました。

八甲田レポート:花の稜線

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 心落ち着く湿原や風爽やかな稜線歩きが好きで、春夏秋冬幾度となく八甲田を登ってきました。毎年5〜10回は登っています。これまでの登山回数は優に100回は越えるでしょう。学生時代は車がなかったので、滅多に登れませんでした。電車とバスを乗り継いで酸ヶ湯まで行くのですから大変でした。卒業し自分で車を持ってから、八甲田へ通うようになりました。それから既に35年になります。
 先の晴れた日曜日、赤倉から井戸岳の稜線を歩きつつ、あと何年こうやって登れるだろうと考えていました。若い頃とくらべ体力は随分と落ちました。足腰は弱り、もう8時間は掛かる南八甲田の黄瀬沼まで日帰りする元気はありません。北八甲田の1周4〜5時間くらいのコースが丁度良いです。しかしその北八甲田もおそらくあと10年もすればきつくなるでしょう。そう思うと稜線を彩る花々がいつもより愛おしく思えたのでした。

 友人と65歳に南米のアコンカグアへ行こうと約束しています。果たしてその時、それを成せる体力がまだ自分に残っているでしょうか。少し怪しくなってきました。