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幼児肥満ガイド

 小児科学会誌の7月号で今日のタイトルの要旨が載っていました。成人の肥満が様々な健康被害をもたらすことが知られ、メタボなどという言葉が流行し、今でも健診で身長体重だけでなく腹囲もチェックされているのは皆さまもよくご存じとの通りです。最近は学童でも肥満や痩せを健診で割り出し、通知を出すようになりました。しかしその学童の肥満の始まりは幼児期にあり、幼児期からの肥満予防対策が望まれています。

 幼児の肥満に影響する因子は遺伝的な要因と環境要因がありますが、妊婦さんの肥満だけでなく逆に痩せも子どもが肥満になりやすい遺伝子のスイッチを入れてしまうようです。生まれてからの環境因子は
1)親の肥満
2)睡眠時間が10時間以下であること
3)座ってテレビを見るなど身体を動かさない時間が2時間以上あること
4)果糖を含むジュースや清涼飲料水をよく飲むこと
とありました。

そして乳児期は生活習慣を身につける時期であるため、幼児期からの肥満予防対策や肥満をそれ以上に増悪させないための指導は極めて重要であるとありました。

 肥満も予防接種と同じで、肥満になってからの指導よりも肥満にならないための指導が大切と言うことでしょう。弘前では1歳半の内科健診が個別健診になりました。1歳半健診は子どもの発達を見るのにとても大切な健診ですが、発育のバランスも注目して見て行きたいと考えています。
明日から直ぐにでも (^_-)-☆

レスパイト

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 先の連休、盛岡で開催された全国病児保育研究大会に参加してきました。レスパイトとはその研究大会のO会長の話に出てきた単語です。小休止という意味ですが、主に介護の分野で使われる言葉です。患者さんを一時的に入院させ、介護に疲れた家族に休息を取って貰うことで、むしろそれがより良い介護に繋がります。O先生はそのレスパイトを病児保育に当てはめ、子どもの看病に疲れたお母さんを病児保育で預かって、レスパイトさせるというのです。病児保育は素晴らしい子育て支援制度で、我々はこの事業を更に推し進めるべきと言っていました。しかし僕はちょっと違和感を感じていました。僕は病児保育の前に必要な施策があるのではないかと考えています。

 全国病児保育協議会にはことりの森開設時に大変お世話になりました。その恩もあって、協議会の活動には随分と協力してきました。しかし最近、僕の考える病児保育は協議会のそれと少しずれてきているのを感じています。O先生は講演で子どもが病気の時は病児保育室に預けてレスパイトし、子どもが元気になったら親子で一緒に遊びましょう、それがベストと言っていました。もちろん一緒に遊ぶのは良いのですが、可能であれば養育者が看病して、そして子どもが回復したら一緒にそれを喜ぶことで愛着は強くなると思うのです。しかし様々な事情でどうしても看病できないこともあり、それをサポートするのが病児保育事業だと思うのです。自由に看護休暇を取れない今の世の中の方がおかしいのではないでしょうか。国は病児保育事業を推し進めようとしています。しかしその前に僕はお父さんお母さんが安心して子どもを看病できる世の中になることを願っています。

 写真は研究大会の昼休みの企画で、弦楽四重奏のミニコンサートです。パイプオルガンのある素敵なホールでの、新日本フィルハーモニーの方の演奏は、心に染み入る素晴らしいものでした。

孫の試練

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 前回の夜泣きの記事ですが、少し訂正します。
お母さんが自然に、大らかに、子育てできるゆとりが必要と書きましたが、大切なのはそれが可能になるような周囲(家族やご近所)の思いやりですよね。
前の書き方だとお母さん一人に責任を押しつけているようで不適切でした。訂正します。

 さて、先週の土曜日、娘が1歳になる息子(つまり僕の孫)を連れて結婚式を挙げました。挙式はディズニーランド近くのホテルの協会で。式の間中、孫息子は泣き続けていました。いつもなら泣いたら直ぐに抱っこしてもらえるのに、ママのおっぱいを吸えるのに。抱っこしてもらえてもほんの短い時間だけ。貸衣装をよだれで汚す訳には行きません。娘の胸元に手を入れようとしますが、直ぐに制されます。ママが目の前にいるのに抱っこしてもらえないフラストレーションで彼は泣き続けました。新婦入場で僕が娘の手を取ってエスコートし、旦那さんにその手を渡すのですが、普通なら目頭が熱くなるところでしょうが、孫息子の泣き声に気を取られ、それどころではありませんでした。
彼には大きな試練でしたが、まあ娘がそれで幸せを感じるなら育児にも良い影響があるだろうということで𠮷としましょう。
式が終わって娘の部屋を覗きに行くと、そこにはニコニコと笑顔の孫息子がいました。

 多分、これはマルトリートメントなのでしょうが、それを上書きする幸せな思い出が積み重なれば良いのです。どんな子も幸せな楽しい思い出だけではありません。すべての子どもが多かれ少なかれ心に寂しさを気持ち、傷を受けています。しかしその傷も心の発達にとって必要なものです。そうでなければ他の人の心の痛みが分かる人にはなれないのですから。