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ゼロ・プロセス

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 今年の乳幼児精神保健学会FOUR WINDSは沖縄の那覇市で開催されました。テーマはトラウマ。沖縄というと青い海に白い砂浜というイメージで一見トラウマとは縁遠く思われるかも知れませんが、沖縄は先の太平洋戦争で日本で唯一地上戦の行われた場所です。その戦争によって生まれたトラウマは世代間伝達し、今も沖縄の人々の心の中に残っています。もちろん若い人達は戦争を体験したわけではなく、その生の記憶はありませんが、親の心の中のトラウマを子どもは感じて、形を変えて若い人達の心の中に伝わっているのです。戦争のトラウマが完全に消えるには数世代という時間が必要でしょう。

 さて、タイトルのゼロ・プロセスは今回招聘されたカナダのフェルナンド先生が提唱された概念です。難しいのですが、簡単に言えばトラウマのゼロ・プロセス記憶は過去のものとして処理されず、今も生き続けるということでしょうか。つまりゼロ・プロセス記憶の残る人は今現在の世界とトラウマ世界の二つの世界を同時に生きていることになります。PTSDのメインの症状であるフラッシュバックのメカニズムかしらと思いました。

 沖縄に着いた日の夜、焼け落ちた首里城に行ってみました。暗い中、黄色い立ち入り禁止テープの向こうに警備員さんが立っていました。それでも守礼門だけはライトアップさてれいました。今回の学会で行くつもりだったのですが残念です。早く再建されることを祈っています。


追記:
 実は大会テーマは「童(わらび)どぅ宝〜社会で支える親子の成長〜」でした。
その隠れたテーマが残されたトラウマとどう立ち向かうかなのだと理解しました。
子どもは社会の宝です。
社会が子どもを育ちを見守り、子育てを支援する必要があります。

小児科専門医

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 自分が小児科の専門医を取得したのは今から16年前でした。当時は専門医制度が始まったばかりで取得するのは容易でした。というより小児科学会に何年か以上所属していただけで全員が取得できました。もちろん今は取得するのは厳しく、指定された医療機関の研修が必要で、レポートや試験もあります。そして5年毎の更新が必要です。これまでは5年毎に毎回更新してきたのですが、あまりその資格に必要性を感ぜず、しかも2年前から更新の手続きが非常に煩雑になったこともあって次は更新しないと決めていました。しかし突然、12月からADHDの薬を処方するのに専門医の資格が必要になるとの通達があり、慌てて更新することにしました。しかしそれが結構大変で、提出書類を揃え、単位を取るのに四苦八苦しています。
元々、「見かけより実があればそれでよし」などと思っていたので、資格や役職に固執しておらず、専門医を失うことをなんとも思っていませんでした。しかし診療に支障がでるとなるとそうも行きません。頑張って更新することにしました。

 それにしても○○専門医だからといって、それが臨床に直結し、しっかり患者の病状に即した医療が出来るとは限りません。色々と疑問を感じます。

 文化の日の振替休日となった月曜日、我が家の愛犬を連れて十和田湖に行ってきました。彼は春に椎間板ヘルニアを患い下半身が完全に麻痺してしまったのですが、懸命のリハビリでなんとか歩けるようになりました。今は毎日楽しく散歩しています。