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心の井戸

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メリークリスマス!
 皆さんはどんなクリスマスを過ごされていますか?自分もキリスト教徒ではありませんが、毎年このクリスマスを楽しんでいます。自分の子どもの頃、朝起きて枕元のプレゼントを見付けた時の嬉しさを今でも覚えています。どんなプレゼントだったかは記憶にありませんが、その楽しい気持ちが残っています。お正月の思い出、誕生日の思い出、母の日の思い出、友だちと遊んだ思い出、それらの数々の思い出が自分の心を形作っています。良い思い出だけではありません。辛い思い出や悔しい思い出も一緒に残っています。

 昨年夏にお呼びした渡辺久子先生がヒロロでの講演会で「心の井戸」の話をされていました。
「人の心は深い井戸に似ています。日常何気なくやり過ごしてしまう出来事は、井戸に投げ込まれた石のように、必ずある波紋を心の表面に引き起こして心の底に沈んで行きます。人の心の井戸の底には、人がその日その日を刻々と生きた感情体験の記憶の片鱗が絶え間なく降り積もって心の地層が形成されていきます。最近の乳幼児精神医学で明らかになったことは、人は一つや二つの不幸な出来事により心が傷つき心が病むのではなく、むしろ日常生活の中で、丁度身体が空気を吸い、食も当を食べるように心が触れ、吸収している周囲の世界との関わり、つまり家庭の雰囲気や、抑圧や歪みなどが累積して、心の歪みや障害を形作っていくのです。」

 もちろん心の井戸に放り込まれる石には黒い石ばかりではなく、輝く宝石もあります。明るく輝く石が多いと良いですね。

 我が家の子ども達もきっと孫娘、孫息子の枕元にクリスマスプレゼントをそっと置いたことでしょう。そして朝起きて彼らがそれを見付け、包みを開けた時の丸くなった目を想像していました。

クリスマスの次はお正月。子ども達にはお楽しみが続きますね。
それでは皆さま、良い年をお迎えください。

写真は弘前のカトリック幼稚園です。毎年この時期ステンドガラスに灯りがともります。

子どもとコロナ 2

以前、同じタイトルで長崎大学森内先生の講演の内容を紹介しました。今日はナショナル・グラフィックの記事を紹介します。「子どもがコロナに感染する・させる割合は大人の半分ほど」とありました。その内容はアイスランドでの最新研究で子どもが新型コロナウイルス感染拡大にどの程度影響しているか明らかにされていました。およそ4万人を対象にした調査の結果、15歳未満の子どもが新型コロナに感染する割合、および他人に感染させる割合はいずれも大人の半分程度だそうです。また、子どもの感染例はほぼ全てが大人から移されたケースだったそうです。おそらく日本でもそうでしょう。
と言うことは感染拡大を防止するのに休校措置は役立たないということです。休校は子どもや地域社会への影響が大きく、米疾病対策センター(CDC)も休校をなるべく避けるように推奨しています。

ただ、思春期以降に感染リスクは一気に上昇するようです。米国での調査では高校での感染割合は小学校の3倍近くに上るとありました。

ではなぜ子どもは罹りにくいのか。
以前から新型コロナウイルスが結合する「ACE2受容体」が子どもは上気道に少ないからだという説があります。また小さな子どもはウイルスにさらされる機会が多いために、新型コロナウイルスに近いコロナウイルスに対する免疫があり、それが新型コロナウイルスにも有効に働いている(交差免疫)のではないかと言う説もあります。

別の論文ですが興味深い報告がありました。新型コロナに感染した患者の年齢が若いほどインターロイキン17A(IL-17A)とインターフェロン-γ(INF-γ)の値が高いことが明らかになったそうです。IFN-γにはウイルスの複製を抑える作用があります。全ての人に備わっている自然免疫系の一部であり、感染後の早い段階で活性化されます。一方、成人患者では小児に比べ、新型コロナウイルスのスパイク蛋白に対する強い免疫反応が認められたそうです。そして中和抗体が作られ、ウイルスを排除する。
言い換えると、小児では感染して直ぐに自然免疫が働き発症を抑えるが、成人では感染してから免疫ができ、それからウイルスを排除する(獲得免疫)ために時間が掛かると言うことです。そして様々な炎症反応が連鎖し、重症化するのでしょう。

地域別の新型コロナウイルスの感染者数をみると、大阪や北海道は減少傾向にありますが、東京は微増、その周辺や地方の中核都市では増加、全体として微増傾向にあります。GoToが原因かどうかは分かりませんが、明らかに首都圏のコロナが地方に拡散したように見えます。経済と感染防止の両立は困難ですが、感染の危険性の高い場面・場所とそうでない場所とのメリハリの利いた対策が必要と考えます。

男子もHPVワクチンを

 しばらく前の話になりますが、母親に連れられHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を希望されて受診した中学生の男子がいました。その子は父親の仕事の都合で海外で暮らしていたそうです。その国では男の子もHPVワクチンを接種していたそうで、帰国後、日本でも当然接種できるものと思っていたそうです。しかし他の医療機関で日本では男性に認可されていないからと断られ、人づてに聞いて当院を受診したのでした。認可されていないと言うことは、もし接種で事故が起きたとき、その補償が出来ないと言うことです。それを説明した上で接種してあげました。

 さて、そのHPVワクチンですが、今度日本でもようやく男性への接種が認可されるようです。何故、男の子に?と思われる方もいらっしゃると思いますが、男性も打つべき理由は大きく2つあります。1つは女性にHPVを感染させないため。もう1つは中咽頭がんや尖圭コンジローマを予防するためです。それだけでなく肛門がんや直腸がん、陰茎がんもそのほとんどがHPVによることが分かってきました。そして海外の先進諸国では男性にもHPVワクチンを接種することは常識となっているのです。

 国が勧奨接種を中止して以降、日本のHPVワクチンの接種率は未だ低いままです。その間に毎年1万人を越える女性が子宮頸がんに罹患し、3000人の方が亡くなり、しかもその数は増加傾向にあります。HPVワクチンが定期接種になった2013年から本来なら救われていただろう多くの女性が子宮頸がんに罹患し、今後も増え続けることを思うと残念でなりません。
 一方先進諸国ではより予防効果の高い9価のワクチンが接種され、子宮頸がんはもはや過去の病気となりつつあります。子宮頸がんはそのうち日本の風土病になるのではないかなんて言っている研究者もいます。行政はHPVワクチンを早くに勧奨接種に戻すか、少なくとも接種意欲を削ぐようなコメントは控えて欲しいものです。

 ところで今年の7月、日本でも9価のHPVワクチンの製造販売が承認されました。しかしコロナ禍の影響でしょうか、発売が遅れていますし、定期接種になる見込みも立っていません。かなり高価なワクチンです。早く定期接種に組み込まれることを期待しています。

注)HPV:ヒト・パピローマ・ウイルス 主に性行で感染します。
  勧奨接種:国が積極的に接種を勧めること 現在HPVワクチンは勧奨されてはいませんが、定期接種から外れたわけではありません。

お岩木山レポート:雪化粧

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 このブログでも何度か紹介していますが、岩木山の5つの登山道で一番好きなコースが赤倉コースです。日曜日、少し出発が遅くなりましたが、赤倉神社へと車を走らせました。赤倉神社までは除雪は入らず、冬、社は深い雪に閉ざされます。登るには下の大石神社から歩くことになりますが、まだ積雪は少なく登山口まで車で入ることが出来ました。

 雪は登るにつれて深くなり、伯母石で膝下ほど。鬼の土俵までは登ろうと思っていましたが、クリニックに残した仕事の山を思うと脚が進まず、伯母石で引き返しました。
それでも久し振りのスノーシューを履いての登山、雪化粧した石仏をカメラに納めることも出来て満足しました。
 ただ気になったのが、一番器量の良い9番目の石仏が前に傾いていたことでした。この冬、雪の重みで倒れないと良いのですが。心配です。