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ワクチンあれこれ

 ようやく日本でも新型コロナのワクチン接種が始まりました。今、ニュースで報道されるのは、どの局を見ても副反応の話題ばかりです。しかし発熱だったり、筋肉痛だったり、接種部位の腫脹だったり、それらは当然予想される副反応で、いつも子ども達にやっているヒブや肺炎球菌の予防接種の副反応と同じものです。アナフィラキシーにしても数万人も接種すれば起こす人だっていてもおかしくはありません。挙げ句の果てには注射時の痛みだって! そりゃ注射すれば少しは痛いでしょう。
 報道の仕方次第で接種する人の気持ちも随分と変わると思います。やたらと不安を煽るような報道の仕方は止めてほしいものです。子宮頸がんワクチンが始まったばかりの頃の少女達の反応と同じことが起こらないことを祈ります。

新型コロナワクチンの正しい知識を得るのに有用なサイトを紹介します。

こびナビ https://covnavi.jp


 ところで子宮頸がんワクチンと言えば待望の新しいタイプのワクチンが発売になります。これまでのワクチンでは子宮頸がんを予防する効果は60〜70%程度でしたが、新しいワクチンは90%予防するそうです。しかし残念なのは定期接種になるのはまだまだ先のようで接種するには自費になります。
そして更に問題なのは・・・
 どうも厚労相の指示のようですが、このワクチンを接種するには登録が必要になります。しかもその登録は接種医だけでなく、接種希望者自身も登録する必要があるそうです。スマホで登録するようですが、面倒だし、国がこのワクチンに及び腰なのが分かります。トラブルがあったら大変だと思っているのでしょうか。
いずれにせよ、自費で受けるには非常に高額なワクチンになります。早く定期接種になってほしいものです。

テレビCM

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どうやら今、テレビに僕が出たCMが流れているようです。実は昨年秋、ある業者から頼まれ、県がプロデュースするCMの出演を引き受けてしまいました。しかし僕はその趣旨を勘違いしてたのです。このコロナ禍で視聴者の皆さまにメッセージを伝えて欲しい、コロナ禍の日常生活で子ども達にどう接して行くかを伝えるのだと思ったのです。しかし県の考えていた趣旨はちょっと違っていたようで、「エセッシャルワーカーが利用者からありがとうを言われて勇気付けられた。それに対して感謝を述べる」ということでした。ちょっと残念でしたが、赤平にペアトレと同じですよと言われ思い直しました。確かに自分が「ありがとう」と感謝することで、下手な説教を垂れるよりむしろ伝わることも多いと思います。
僕のメッセージは「子ども達の笑顔に癒やされています。ありがとう!」
そして外来で子ども達に「先生、観たよ!」と言われ、その笑顔に癒やされていました。

ペアレント・トレーニング、略してペアトレの基本は子どもに肯定的なメッセージを与え、好ましい行動を増やすことにあります。好ましくない行動は見て見ぬ振りをします。子どもは親に認められたい、褒めて欲しいと思っていますから、知らん顔される困った行動は減り、褒められる好ましい行動が増えるという理屈です。

ところでそのCMは自分では見ていません。あまり見たくもありません (^_^;)

福は内、鬼も内!

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 今日は節分。
 節分が2月3日以外の日になるのは37年ぶり、2月2日になるのは124年ぶりだそうですね。
 ところで鬼を祭った鬼神社のある鬼沢地区では、「鬼は外、福は内」ではなく、「福は内、鬼も内!」と言うそうです。鬼沢の人達は「鬼滅の刃」の流行をどう捉えているのだろうと思いました。古来、日本では鬼は滅するものではなく、払うものだったそうです。豆で邪気を滅するのではなく払う、つまり滅することは不可能なので、鬼との共存の道を選んだ、少しだけ側に来ないように払ったということなのでしょう。自然の猛威と共存してきた日本だからこその考え方でしょう。

 「鬼滅の刃」が流行したのは今のコロナ禍とも関係するのだろうとよく言われます。しかし新型コロナウイルスを撲滅することはおそらく不可能だと思います。我々は共存して行くしかないのだと思っています。もちろんそれを払う努力はしますが、毎年インフルエンザが流行するようにこの先もCOVID-19は流行を繰り返すのではないかと予想しています。


 以前、このブログで紹介したライスボールのメンバーの1人が新しくできたCDを持ってきてくれました。CDには3曲、入っていました。どの曲も素敵な曲です。
その一つ、「君はモンスター」
タイトルからはポップな曲を想像しますが、少し違っていて、ミュージック・ビデオを観ると、鬼沢の鬼伝説からヒントを得たことが分かります。

https://www.youtube.com/watch?v=1JvcJJTg8eQ


 「津軽の鬼は、山や川の自然のように厳しさと恵みを合わせ持つ神のような存在」とあるブログに書いてありました。上の写真は鳥居に鬼が鎮座する神社の地図です。雪が溶けたら自転車で廻ってみるつもりです。
 鬼をも受け入れるインクルーシブな社会って良いと思いませんか?

CDを持ってきてくれた彼女のキラキラした目が眩しかったです。

[ことりの森」閉室のお知らせ

 様々な理由から今年の3月一杯で病児保育室「ことりの森」を閉室する事にしました。2002年9月に開設してから既に18年と5ヶ月が経ちました。これまで多くの方々にご愛顧ご支援を承り、誠にありがとうございました。
 病児保育事業は自分が「城東こどもクリニック」を開業する前、国立弘前病院に勤務していた頃から考えていたことでした。紆余曲折がありましたが、なんとか開設にこぎ着け、18年余の長きにわたって続けることができたのは偏に皆様方のご助言とご支援があったればこそでした。

 「ことりの森」での育児支援事業は単なる病気のお子様を預かるというだけでなく、自分たち自身がそこから多くのことを学びました。またお預かりした子ども達に自分たちの方が癒やされることも多々ありました。現在、弘前市内にはことりの森以外に病児、病後児合わせて3施設あります。民間の病児保育施設もあります。また隣の平川市にも病児保育室が出来ています。今の稼働率からして、「ことりの森」が無くなってもそれ程大きな支障はないのではと考えています。

 「ことりの森」は3月一杯で終了させていただきますが、小児科医院としてこれからも地域の小児医療に尽力して参りたいと考えております。残念に思われる方もいらっしゃることと思いますが、どうかご理解とご容赦の程、よろしくお願い致します。

ニュースアプリ

 自分のスマートフォンにニュースアプリが入っています。
時々読むのですが、韓国をバッシングする記事のなんと多いことか。一方、中国に対しては中国の民衆は実は日本を肯定的に捉えていると言った記事が多く、少し作為的なものを感じます。

 ところで先日、慰安婦問題について書かれた記事を読みました。作家・北原みのりさんの論説でした。この問題については、概して韓国に対し否定的な意見の記事が多いのですが、その論説はフェミニズムの視点から書かれていました。慰安婦問題が解決されない理由は日本政府の姿勢にあるのではないかという主張です。

 日本政府はこれまで「お詫びと反省の気持ち」を繰り返し表明してきたと言っているが、真の謝罪はされていないのではないか。謝罪とは受け取る側が納得しなければ意味が無い。そもそも、犯した残虐性に比して、「お詫びと反省の気持ち」の字面はどこか軽すぎる感が否めない、と主張しています。
 おそらくこの問題が拗れているのは韓国政府の対応もあるのでしょうが、元々は国家の問題では無く、個人の問題だからなのでしょう。彼女達(元慰安婦)は本当の意味での日本からの謝罪を求めているのではないでしょうか。論説には日本は関係改善に努力しているのに、韓国が一方的に悪化させてくる・・・という被害者意識を剥き出しにした論調が強まっていることを危惧すると書かれていました。メディアの責任にも言及していました。韓国に怒りを向けるコラムがあったり、「日韓関係が史上最悪」と煽っているメディアが非常に多いことに懸念されていました。
 自分も常々、慰安婦問題が解決しないのは日本政府と韓国民との間の主張のずれがあると思っていましたから、今回の記事はとても納得できる論説でした。

 韓国の取材のニュース映像では日本をバッシングする光景ばかりを取り上げ、さも我々の反感を煽ろうとしているかのように思えます。おそらく、韓国の人々も政府やメディアに洗脳されているのではないかと思いますし、もしかすると我々自身も洗脳されているのかも知れないことに気付く必要があると考えています。

 クリニックに来る韓国や中国、あるいはその他の国々の人達はどの方も素敵な方達ばかりです。外国の方であっても、先ずは人と人との関係性を大切にしたいと考えています。

緊急事態宣言

皆さま
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
新年最初の「院長のひとこと」です。

 緊急事態宣言が出されてしまいました。記者会見で諮問委員会の尾身会長が真摯に「十分な行動変容を促すメッセージを伝えることが出来なかったのは我々の責任でもある」と述べていたのに対し、どこか他人事のように視線をそらした某総理大臣の表情が印象的でした。

 自分のブログやメルマガで子どもは新型コロナに感染しにくく、感染しても軽症と何度も書きました。若年者層も軽症者が多いのでしょうし、それが行動制限とは逆の強いメッセージとなっているのでしょう、今回の緊急事態宣言では特に若年者層の行動変容はほとんど起こっていないようです。しかしそれでは感染者の増加を止めることは出来ません。多分、もう流行拡大を止めることは困難ではないでしょうか。まあジワジワと増える程度に抑えて、早くにワクチン接種を開始するしかないのではと考えています。
青森はまだまだクラスター絡みの感染で済んでいるので、しっかりクラスター対策をしましょう。

 さて、そのワクチン、多くの国で既に接種が始まっていますが、日本では開始までまだ1ヶ月以上掛かりそうです。やきもきもしますが、朗報もあります。ファイザー社製のワクチンは保存が−70℃と管理がかなり大変ですが、もっと保存が容易でしかも終生免疫が期待できるというワクチンが日本で開発されたそうです。まだ動物実験段階だそうですが、早いとこ臨床試験を開始して、実用化して欲しいものですね。

 日本では国は無料で接種を進めると言っていますが、やはり高価なワクチンなのでしょう、国民全員にワクチンを接種するだけの予算を付けられない国も少なくないようです。今や感染症は地球規模で拡大します。全世界的に流行を抑える必要があります。開発途上国のワクチンを積極的に勧めることは先進諸国の利益にも繋がるという研究報告もあるそうです。国の懐事情でワクチンを接種してもらえない人が居る事態は好ましくありません。富める国が援助する必要があると考えています。

心の井戸

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メリークリスマス!
 皆さんはどんなクリスマスを過ごされていますか?自分もキリスト教徒ではありませんが、毎年このクリスマスを楽しんでいます。自分の子どもの頃、朝起きて枕元のプレゼントを見付けた時の嬉しさを今でも覚えています。どんなプレゼントだったかは記憶にありませんが、その楽しい気持ちが残っています。お正月の思い出、誕生日の思い出、母の日の思い出、友だちと遊んだ思い出、それらの数々の思い出が自分の心を形作っています。良い思い出だけではありません。辛い思い出や悔しい思い出も一緒に残っています。

 昨年夏にお呼びした渡辺久子先生がヒロロでの講演会で「心の井戸」の話をされていました。
「人の心は深い井戸に似ています。日常何気なくやり過ごしてしまう出来事は、井戸に投げ込まれた石のように、必ずある波紋を心の表面に引き起こして心の底に沈んで行きます。人の心の井戸の底には、人がその日その日を刻々と生きた感情体験の記憶の片鱗が絶え間なく降り積もって心の地層が形成されていきます。最近の乳幼児精神医学で明らかになったことは、人は一つや二つの不幸な出来事により心が傷つき心が病むのではなく、むしろ日常生活の中で、丁度身体が空気を吸い、食も当を食べるように心が触れ、吸収している周囲の世界との関わり、つまり家庭の雰囲気や、抑圧や歪みなどが累積して、心の歪みや障害を形作っていくのです。」

 もちろん心の井戸に放り込まれる石には黒い石ばかりではなく、輝く宝石もあります。明るく輝く石が多いと良いですね。

 我が家の子ども達もきっと孫娘、孫息子の枕元にクリスマスプレゼントをそっと置いたことでしょう。そして朝起きて彼らがそれを見付け、包みを開けた時の丸くなった目を想像していました。

クリスマスの次はお正月。子ども達にはお楽しみが続きますね。
それでは皆さま、良い年をお迎えください。

写真は弘前のカトリック幼稚園です。毎年この時期ステンドガラスに灯りがともります。

子どもとコロナ 2

以前、同じタイトルで長崎大学森内先生の講演の内容を紹介しました。今日はナショナル・グラフィックの記事を紹介します。「子どもがコロナに感染する・させる割合は大人の半分ほど」とありました。その内容はアイスランドでの最新研究で子どもが新型コロナウイルス感染拡大にどの程度影響しているか明らかにされていました。およそ4万人を対象にした調査の結果、15歳未満の子どもが新型コロナに感染する割合、および他人に感染させる割合はいずれも大人の半分程度だそうです。また、子どもの感染例はほぼ全てが大人から移されたケースだったそうです。おそらく日本でもそうでしょう。
と言うことは感染拡大を防止するのに休校措置は役立たないということです。休校は子どもや地域社会への影響が大きく、米疾病対策センター(CDC)も休校をなるべく避けるように推奨しています。

ただ、思春期以降に感染リスクは一気に上昇するようです。米国での調査では高校での感染割合は小学校の3倍近くに上るとありました。

ではなぜ子どもは罹りにくいのか。
以前から新型コロナウイルスが結合する「ACE2受容体」が子どもは上気道に少ないからだという説があります。また小さな子どもはウイルスにさらされる機会が多いために、新型コロナウイルスに近いコロナウイルスに対する免疫があり、それが新型コロナウイルスにも有効に働いている(交差免疫)のではないかと言う説もあります。

別の論文ですが興味深い報告がありました。新型コロナに感染した患者の年齢が若いほどインターロイキン17A(IL-17A)とインターフェロン-γ(INF-γ)の値が高いことが明らかになったそうです。IFN-γにはウイルスの複製を抑える作用があります。全ての人に備わっている自然免疫系の一部であり、感染後の早い段階で活性化されます。一方、成人患者では小児に比べ、新型コロナウイルスのスパイク蛋白に対する強い免疫反応が認められたそうです。そして中和抗体が作られ、ウイルスを排除する。
言い換えると、小児では感染して直ぐに自然免疫が働き発症を抑えるが、成人では感染してから免疫ができ、それからウイルスを排除する(獲得免疫)ために時間が掛かると言うことです。そして様々な炎症反応が連鎖し、重症化するのでしょう。

地域別の新型コロナウイルスの感染者数をみると、大阪や北海道は減少傾向にありますが、東京は微増、その周辺や地方の中核都市では増加、全体として微増傾向にあります。GoToが原因かどうかは分かりませんが、明らかに首都圏のコロナが地方に拡散したように見えます。経済と感染防止の両立は困難ですが、感染の危険性の高い場面・場所とそうでない場所とのメリハリの利いた対策が必要と考えます。

男子もHPVワクチンを

 しばらく前の話になりますが、母親に連れられHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を希望されて受診した中学生の男子がいました。その子は父親の仕事の都合で海外で暮らしていたそうです。その国では男の子もHPVワクチンを接種していたそうで、帰国後、日本でも当然接種できるものと思っていたそうです。しかし他の医療機関で日本では男性に認可されていないからと断られ、人づてに聞いて当院を受診したのでした。認可されていないと言うことは、もし接種で事故が起きたとき、その補償が出来ないと言うことです。それを説明した上で接種してあげました。

 さて、そのHPVワクチンですが、今度日本でもようやく男性への接種が認可されるようです。何故、男の子に?と思われる方もいらっしゃると思いますが、男性も打つべき理由は大きく2つあります。1つは女性にHPVを感染させないため。もう1つは中咽頭がんや尖圭コンジローマを予防するためです。それだけでなく肛門がんや直腸がん、陰茎がんもそのほとんどがHPVによることが分かってきました。そして海外の先進諸国では男性にもHPVワクチンを接種することは常識となっているのです。

 国が勧奨接種を中止して以降、日本のHPVワクチンの接種率は未だ低いままです。その間に毎年1万人を越える女性が子宮頸がんに罹患し、3000人の方が亡くなり、しかもその数は増加傾向にあります。HPVワクチンが定期接種になった2013年から本来なら救われていただろう多くの女性が子宮頸がんに罹患し、今後も増え続けることを思うと残念でなりません。
 一方先進諸国ではより予防効果の高い9価のワクチンが接種され、子宮頸がんはもはや過去の病気となりつつあります。子宮頸がんはそのうち日本の風土病になるのではないかなんて言っている研究者もいます。行政はHPVワクチンを早くに勧奨接種に戻すか、少なくとも接種意欲を削ぐようなコメントは控えて欲しいものです。

 ところで今年の7月、日本でも9価のHPVワクチンの製造販売が承認されました。しかしコロナ禍の影響でしょうか、発売が遅れていますし、定期接種になる見込みも立っていません。かなり高価なワクチンです。早く定期接種に組み込まれることを期待しています。

注)HPV:ヒト・パピローマ・ウイルス 主に性行で感染します。
  勧奨接種:国が積極的に接種を勧めること 現在HPVワクチンは勧奨されてはいませんが、定期接種から外れたわけではありません。

お岩木山レポート:雪化粧

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 このブログでも何度か紹介していますが、岩木山の5つの登山道で一番好きなコースが赤倉コースです。日曜日、少し出発が遅くなりましたが、赤倉神社へと車を走らせました。赤倉神社までは除雪は入らず、冬、社は深い雪に閉ざされます。登るには下の大石神社から歩くことになりますが、まだ積雪は少なく登山口まで車で入ることが出来ました。

 雪は登るにつれて深くなり、伯母石で膝下ほど。鬼の土俵までは登ろうと思っていましたが、クリニックに残した仕事の山を思うと脚が進まず、伯母石で引き返しました。
それでも久し振りのスノーシューを履いての登山、雪化粧した石仏をカメラに納めることも出来て満足しました。
 ただ気になったのが、一番器量の良い9番目の石仏が前に傾いていたことでした。この冬、雪の重みで倒れないと良いのですが。心配です。

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