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夫婦げんか

 昨日、朝7時。クリニックに到着する直前、急に激しくお腹が痛み出しました。部位は右の上腹部で肝臓を押すと痛みがありました。間歇的な痛みで下痢もあり、おそらく胃腸炎だろうと思ったのですが、あまりに腹痛が強く、とても診療どころではありませんでした。急遽休診にして、痛みの部位も心配で健生病院のERを受診しました。幸い検査結果に大きな異常なく、やはり胃腸炎との診断。それにしても腹痛が強く、冷静な判断が出来ませんでした。おそらくウイルス感染にアルコールや疲れが重なったのでしょう。健康は大事ですね。ご迷惑をお掛けした皆様にお詫び申し上げます。

 さて、昨日の夜、NHKのクローズアップ現代に見覚えのある顔が出ていました。福井大学の友田明美先生です。友田先生とは2年前の弘前のFOUR WINDSでも講演してもらって、それ以来のお付き合いです。先日、その友田先生から文庫本が贈られてきました。先生が新しく上申された本です。タイトルは「子どもの脳を傷つける親たち」。本の中で先生は明らかな虐待だけで無く、些細な行為であっても子どもが傷つく行為を全て「マルトリートメント」として大人はその行為を認め、改める必要があると述べています。NHKの番組では夫婦げんかが子どもに与える影響について解説されていました。力の暴力よりも言葉の暴力の方が子どもの脳に与える影響は大きいそうです。繰り返す夫婦げんかの心理的ストレスに曝されて育った子どもは思春期に切れやすく、他人との関わりが上手に出来ない大人に成長してしまいます。しかし傷ついた脳は愛情深く接してあげることで回復するとも述べられてありました。

 本には最新の脳科学の知見から親子の関わりの大切さが分かり易く解説されています。子育て中のお父さんお母さんだけでなく、広く一般の方々にも読んで欲しい良書です。

ワクチンの恐怖?

本屋さんで医療に関する棚を見ていたら今小児科医のMLで話題になっている本を見付けました。
近藤誠さんが書かれた「ワクチン副作用の恐怖」
何とも医療従事者ではない一般の方が興味をひきそうなタイトルです。このタイトルにしたのは出版社の入れ知恵でしょうか。中をめくってみると、ワクチンの効果を頭から否定はしていませんが、因果関係が明らかでない副反応に注目し、また現在患者が少ない疾患はワクチン不要と取られそうな記述の仕方でした。
筆者はドクターのようですが、多分この先生は実際に患者を診たことがないのだろうなと思いました。またワクチンの歴史をご存じなのだろうかと訝しく思いました。昔、百日咳のワクチンを中止したら、再び百日咳が流行したことがありました。しかしこれを読んだ一般の方はワクチン不要論を信じるかも知れません。そしてワクチンを受けないという選択をするかも知れません。もしそうなって再びVPD(ワクチンで防げる病気)が猛威を振るうようになったら、それが原因で亡くなったり合併症を起こしたりしたらと思うと恐ろしくさえあります。ワクチンを受けずに、あるいは受けられずに、亡くなった多くの子ども達がいることを忘れてはいけません。

その本の隣に「手術してはいけない病気」という本もありました。別の筆者ですが、こちらの本には例の乳がんで亡くなられた歌舞伎役者の奥さんの事が書いてありました。彼女は根拠のない民間療法を信じ、受診のタイミングが遅れてしまったようです。最初に見つかった時点で手術すれば助かっていたはずと書いてありました。しかしその様な経緯をたどってしまった彼女、ご主人の葛藤があったのでしょうね。この本のタイトルは?ですが、内容は○かな〜。じっくり読んでいないから分かりませんが。

 更にその隣の本、「ブラック病院」。この本には都会のほとんどのクリックは金儲けに走り、まともな医療をしていないとありました。
この筆者はよほど酷い医者にしか掛かったことがないのでしょうね。
「よい病院」、「名医が居る病院」なんて本もある意味、かなりの問題本です。

本屋さんには似たような本が沢山並べてありました。何でもありの世の中なのでしょうかね。

コウノトリ

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 今、話題のテレビ番組の話しです。先々週の放送を師長の赤平が観ていて、その内容を教えてくれました。子宮頸がんワクチンの話題だったようです。赤平が言うには偏ることなく正確に情報を伝えていて良かったそうです。子宮頸癌ワクチンは必要なワクチンであること、それでも一般の人は不安を抱いていること。医療関係者でない人がどのように考えているかがよく分かると言っていました。
 先週の放送を僕も観てみました。先週のテーマは産後うつでした。周産期(出産前後)、女性はホルモンバランスや体の劇的な変化、社会環境の変化、家族との関係性、育児のストレスなど色々な要因でうつになりやすいのです。ごく普通の母親の10%が周産期にうつ病を発症するというデータがあります。ドラマの主人公、産科のドクター達が真剣に向き合っているのが印象的でした。
 先日参加したある勉強会で同じテーマ、周産期のメンタルヘルスが取り上げられました。今ひとつ、産科の先生方の熱意が伝わっては来ませんでしたが、スタッフを連れて勉強会に来てくれること自体、𠮷としましょう。

 里が紅葉する頃、山の木々はもうすっかり葉を落とし、寒々としています。日曜日、八甲田では接近中の台風の影響か、お昼前から雨が降り出しました。それでも登っている登山客は少なからずいました。物好きというか何というか・・・。高齢者の団体山も2パーティ。標準語でしたから県外の登山客でしょう。予定を変更できなかったのでしょうね。

私、失敗しないので・・・?

「私、失敗しないので」
 誰もが知っているテレビ番組ドクターXの台詞です。もちろん手術で失敗されるのは困りますが、しかし世の中、全く失敗しない人はいません。それを分かった上での台詞でしょうが、時々、失敗を極端に恐れる子が外来に来ます。そこで彼らが失敗しない方法はというと、挑戦しないこと。失敗したくないからやらない。それはおそらく過去に失敗して、とても嫌な経験をしたことがあったから失敗したくないのでしょう。嫌な経験・・・そう、その代表は親から酷く罵られることでしょう。叱るだけならまだしも、子どもの人格を否定するような叱責はいけません。

 失敗や困難を乗り越える力をレジリエンスと呼んでいます。人間、生きていると様々なトラブルがあるものです。勉強や学校での人間関係、大人なら健康問題、仕事や金銭的な心配事などなど。子どもの内にそれらのトラブルを乗り越える力を身に付ける必要があります。それには何が必要か。まず基本的なベース、心の土台が必要です。それには親子の心の絆が基本となります。どんなに失敗しても、どんな君でもお母さんは君を愛していると。そこから子どもの心には自分は自分でいいんだという自己肯定感、自尊感情が生まれます。その土台が出来た上で今度は様々な経験が必要です。それには成功体験だけでなく失敗の経験も大切です。それらを糧にして子どもは失敗を乗り越える力を身につけて行くのです。だから失敗しても良いのです。

 米国の著名な児童精神科医アリシア・リーバマン先生の、FOUR WINDSの学会での講演で出てきたフレーズを紹介します。
Mistakes can be repaired(失敗は取り戻せる)

息子の結婚式

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息子が結婚しました。
式はキリスト教の教会で行われました。比較的大きな教会で、パイプオルガンもあり、ステンドガラスに高い天井。彼は別にクリスチャンではないのですが、その雰囲気が気に入ったのでしょう。自分の結婚式がホテルの簡易的な神前結婚で、単に形式だけという感じでしたから、尚更教会での結婚式が素敵に見えました。キリスト教の教会も別に信者でなくとも受け入れるのですから、寛容なのですね。イスラム教にしたって他の宗教を認めないということはないそうですから、本来は宗教対立なんて起こりようもないのでしょうが、そこは神ではない人間の性なのでしょうか。
それにしても当に日本人は宗教に寛容で、僕自身、つられてアーメン、なんてつぶやいていました。始めて知りましたが、アーメンとは“確かにその通り”“そうなりますように”という意味だそうです。

 北海道で中学高校と思春期を過ごした僕は、海を渡り青森の弘前大学に進学し、そこで妻と出会い息子が生まれました。その青森で育った息子が今度は北海道へ移り住み、素敵な女性と出会いました。しかも広い北海道の中で、前に紹介した野幌森林公園が彼女の遊び場だったそうですから、何か不思議な縁を感じます。式には沢山の友人達が来てくれました。彼らもまた様々な縁に導かれ、集まってくれたのでしょう。その縁を大切にして人間として成長し、末永く幸せに暮らして欲しいと挨拶しました。

写真はその野幌森林公園の記念塔でプロのカメラマンが息子たちを撮影したものです。

癒やしの森

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 お盆の休みを利用して札幌へ行き、息子の結婚式の教会と披露宴会場を下見してきました。そう、彼は来月、結婚するのです。
教会は荘厳な雰囲気で良かったですし、それに隣接する披露宴会場も落ち着いていて素敵でした。

 まあそれは𠮷として、今回時間が出来たので札幌のすぐ北にある野幌森林公園へ行ってきました。実は自分が高校生の頃、その公園の直ぐ近くに住んでいて、日曜日よく一人で散歩したものでした。双眼鏡を首からぶら下げ、野鳥の姿を追いながら歩きました。公園と言ってもそこは北海道、周囲は10kmもあるでしょうか。中心部の一般コースを歩くだけでもゆうに1時間は掛かる広大な公園です。
久し振りに訪れたその森は緑豊かな広葉樹の森で、懐かしく心癒やされました。その時、分かったような気がしたのです。自分の原点はこの森にあるんじゃないだろうかと。大学へ行って山岳部に入ったときも、決して最初から山を登りたかったわけではありませんでした。知らない森に行くことができて、見たことのない野鳥に出会えるかも知れないと思ったからです。スノーボードもゲレンデより山を滑るのが好きですし、バイクもワインディングロードが好きです。それらの始まりがここにあるように思えたのでした。

 野幌森林公園、素敵な癒やしの森の公園です。皆さんももし時間があったらその森を歩いてみませんか。

広島の暑い日

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 広島での1週間の研修は学びの多いものでした。3人の児童精神科医の診察を陪席させてもらい、療育機関では実際の療育の様子を見学させてもらいました。還暦を過ぎての新人研修でしたが、実りの多い1週間でした。少しでも彼らに近づきたいという思いと、いやいや自分には到底無理という思いとが交錯していました。
まあ自分にできる範囲で、自分のスタイルを作るしかないのでしょう。

 それにしても広島は暑かったです。連日35℃を越えていました。研修が終わった土曜日、市内に宿を取れず、どうせならと宮島に移動し、そこで6日を迎えました。朝早く、まだ人の少ない厳島神社を参拝し、ホテルに帰って8時15分、島のサイレンが鳴り響きました。そう、6日は原爆記念日でした。例年だと式典の様子を後でニュースで見るだけでしたが、今年は中継をずっとテレビで見ていました。子どもの代表のスピーチに思わず胸が熱くなりました。原爆が投下された日も快晴だったそうです。きっと同じように暑かったのでしょう。今年の8月6日は僕にとっても特別の日になりました。

滑液包炎と五苓散

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 メルマガには書いたのですが、3週間前の木曜日に突然左肘が痛み出し、その夜の悪寒倦怠感と全身の関節痛。そして次の朝には僕の左肘は大きく腫れて、蜂窩織炎と診断しました。焦って抗生剤の点滴と内服、患部をクーリングし痛みは1週間程で軽快しました。しかしその後も浮腫が取れず、皮膚科の先生に相談したところ、消炎剤が良いというアドバイス。そこでロキソニンをしばらく飲んで浮腫は治まりました。ところが今度は左肘の関節周囲にボヨ〜ンと柔らかな腫瘤が出来てしまったのです。超音波で見てみると、厚めの皮に覆われた囊胞がありました。中身は水(漿液)のようです。これは困ったと、また皮膚科の先生に診てもらいました。診断は滑液包炎。ネットで調べると、長時間肘をついたり、細菌感染が原因となることがあるようです。今回は蜂窩織炎が原因でしょう。しかし待てよ・・・ひょっとして毎日プランク・エクササイズをやっていたからそれが原因かも。椎間板ヘルニアの治療として春からずっとやっていたのですが、まさかね。

 さて、その滑液包炎の治療ですが、皮膚科の先生は自然に引けるのを待っていても良いのではと言っていました。でも試しに五苓散を飲んでみることにしました。そうすると一日で囊胞が少し小さくなった気がします。これは良さそうです。
 五苓散は嘔吐下痢症でよく使います。喉が渇くけど、飲むと吐くといった症状の時、最も有効です。その元々の薬理作用は体内の水をコントロールすることです。頭がむくんでの頭痛や、足の浮腫にも有効です。漢方薬というと、長く飲んでゆっくり効く薬と思われがちですが、小児科でよく使う漢方薬は即効性のものが多いのです。五苓散はその効果を実感できる優れたお薬の一つです。


プランク・エクササイズ
 床にうつぶせに寝て、体を真っ直ぐにし、立てた肘とつま先とで体を支えるエクササイズです。インナーマッスルのトレーニングとして、ヘルニアで受診した整形の先生に勧められました。それを朝夕、3分ずつやっていました。ウエストのサイズダウンに効果的。腰のくびれも出来るそうですよ (^_^)v

次の世代に伝えたいこと

 FM青森の番組に出始めて、もう15年以上になります。これまで様々な話題をお話ししてきましたが、最近は病気の話しはせずに育児関係や子どもの心をテーマにしてお話ししています。
今週の火曜日の夜に次回の放送分を収録しました。
今回のテーマは「次の世代に伝えたいこと」
これは赤平が言い出したテーマです。丁度、彼女が先週と今週、大学で学生相手に講義してきたので思いついたテーマでした。自分も還暦を過ぎ、元気で仕事出来るのもそう長くはありません。この先、自分が学べることにも限りがあります。自分に残された時間はそう長くない、そう思ったとき、残る手段は次の世代に思いを託すことです。
 さて、放送時間は限られていますが、少しは話せたかな。僕の思いが聴取者に伝わってくれると嬉しいのですが・・・。
しかし話し下手で言葉足らずだからなあ (^_^;

 自分で自分の放送を聞く気はしませんが、もし聞いた人に出会ったら、感想を聴いてみたいと思っています。

海の向こうに

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 自分の出生地は富山県高岡市です。両親の出身は隣の氷見市で、ブリ漁で有名な港街です。親が転勤族だったので、1歳の誕生日を迎える前に島根県に引っ越していますから、生まれた街の記憶は全くありません。両親の故郷の氷見は今も沢山の親戚が居て、自分も何度か行っています。特に学生時代、北アルプスを登った帰りによく寄ったものでした。しかし卒業してからは滅多に行くことはなく、最後に行ったのは叔母が亡くなった7年前でした。
 今年の小児科医会フォーラムが富山市で開催され、丁度良い機会と氷見の母の実家の、天理教の協会へ行ってきました。氷見で暮らしたことはないのですが、その街並みは自分にはどこか懐かしく思え、もしかすると意識下の表象世界に氷見があるのではないかと思うのです。そこで生まれ、赤ん坊時代を過ごしている訳ですから、それは当然かもしれません。

 さて、氷見はブリだけでなく、海の向こうに立山連峰を望む美しい景色でも知られています。例年だとこの季節、ほとんど山を望むことは出来ないのですが、どういう分けか今年は山が見える日が多いそうです。朝、教会の裏の朝日山公園に登ると、前日の雨が上がり、立山連峰が見えていました(写真左)。昼にはすっきりと晴れ上がり、富山市内の環水公園からは学生時代に登った剱、立山の懐かしい峰峰を美しく望むことが出来ました(写真右)。
左の険しい山が剱岳、真ん中が立山、氷見からの写真で右のなだらかな山が薬師岳です。

ネットで氷見と立山連峰で検索すると美しい写真が沢山出てきますよ。

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