記事一覧

掌(たなごころ)

ファイル 622-1.jpgファイル 622-2.jpg

 小児科医にとっての大きな喜びの一つは自分が診ていた子の成長した姿を見ることでしょう。保育園の時にはそれこそ毎週のように受診していた子も小学校に入る頃になると風邪を引かなくなってパタッと来なくなります。それでも年に一度のインフルエンザワクチンや大学入学を控えての予防接種で顔を見せてくれます。そんな時、立派になったな〜と感慨深く思うのです。

 先々週、ある女の子が大学入学のための健康診断書を求めて受診されました。懐かしい顔でした。その子がCDを作ったからと僕にプレゼントしてくれたのです。CDには「掌」というタイトルが付いていました。”たなごころ”と読みます。聞くと「リンゴ娘」の姉妹グループで「ライスボール」というボーカルユニットのメンバーとして活動しているそうです。そう言えば彼女は小さい頃、クリニックを受診するたびに診察室で歌を歌って聞かせてくれました。もちろんお母さんに促されてでしょうが、忙しい診療の中でその歌声に癒やされていました。
 CDジャケットのタイトルとなった「掌」という曲はとても素敵な曲でした。初めて聴いたとき胸に熱いものがこみ上げてきました。CDには他にも2曲が収録されています。「命」と「ずっとずっと」です。どれもとても良い曲で、車の中で繰り返し聞いています。ネットでライスボールと掌とで検索すると直ぐに出てきますよ。皆さんも是非聞いてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=HGg81Wh2c8s

写真は日曜日に奥さんと出掛けた東八甲田のグダリ沼です。紅葉がとても綺麗でした。

問題行動の裏に潜むもの

 最近、学校が大変なことになっているような気がします。当院だけなのかも知れませんが、離席や罵声、クラスメイトとの喧嘩や癇癪など様々なトラブルで受診を勧められるケースが昨年より遥かに多いのです。家庭ではお利口さん、しかし学校で爆発したり、あるいは逆に先生にベタベタ甘えたり。発達障害を疑われての受診ですが、そうではない関係性障害が原因となっている場合が少なくありません
 関係性障害とは親子関係がうまく行かないことが原因となって、様々な症状が現れたものを言いますが、自分が教えを請うている渡辺久子先生は関係性障害を「親と子とのボタンの掛け違い」と説明しています。親子に限らず、他の親しい人との間でも、その関係がギクシャクすると、心の傷が身体症状となって現れてきます。
 親に力で押さえつけられたり、あるいは親が困難な状況にあり家庭で子どもが親を気遣っていたりすると子どもはそのストレスを学校で発散することがあるのです。

 関係性障害とは言えませんが、長い休校の間、ゲームに没頭し、その影響で衝動的になったと思われる子もいます。ゲームが原因で親子のバトルが始まったりしているかも知れません。

 今、我々は非常に困難な状況にあります。青森県のCOVID-19の患者数は多くはありませんが、それでも世の中全体の余裕がなくなり、それが子どもの育ちに影響しているのではないでしょうか。景気が低迷し、親の就労が不安定となり、家庭にゆとりがなくなると子どもをのびのびと育てることが出来なくなってしまいます。
 
 子どもだって様々なストレスに曝されています。何のストレスもなく大きくなることはありません。様々の嫌なこと、辛いことを経験し心に傷を受けますが、母親にholdingされ、甘え、ありのままの自分を出すことで、ストレスは解消され、母親への信頼関係は強くなり、心の安全基地が強化されます。
 しかし母親が子どもをうるさく感じ、子どもを充分にholdingしてあげられない時、子どもは母親に気を使い、充分に甘えられず、我慢し続け、ストレスは解消されず様々な身体症状となって現れるのです。
 ただそれは、子どもをholding出来ない母親に問題があるのではありません。母親が子どもをゆとりを持ってholding出来ないように追い込まれているのです。(澤田敬先生の論文からの引用)

 僕の心配が正しいとしたら、その解決は簡単ではありません。子どもの問題行動を子どもだけの問題、親子だけの問題と捉えては解決しません。地域社会全体で親子をholdingする必要があるのではないでしょうか。

天候や自分の体調でしばらく山へ行けていません。紅葉の八甲田は来年までお預けです。

ゲーム雑感

 皆さん、フォートナイトというゲームをご存じでしたか?小学生以上のお子さんをお持ちの方ならよく知っているでしょう。無料でダウンロード出来る対戦ゲームです。本当は15歳以上が対象だそうですが、小学生の間で大流行しています。自分はゲームに疎くて、良いとも悪いとも言えないので少しネットで検索してみました。
 ゲーム自体は残虐なシーンなどなく、オンラインで友だちと繋がり、マイクで会話しながら楽しめるようで、それは良いのかなとは思うのですが、色々と問題も起きているようです。
一つは課金の問題。フォートナイトは無料のゲームですが、自分のキャラクターを飾るための“スキン”に課金し、その課金がかなりの金額になることもあるようです。
もう一つはこのゲームの中毒性が問題視されていました。ゲームにはまって止めることが出来なくなる子も多いようです。実際にこのコロナ禍での休校期間中にかなりの長時間ゲームをやり続けた子ども達が多かったようです。必然的に勉強する時間が短くなり成績が低下している子もいるようです。
 さて、自分が心配しているのはもう一つ、子どもの心の発達に与える影響についてです。このような対戦型のゲームで、しかも他のメンバーと繋がることで興奮度は高まり、子ども達は大声で叫びながらゲームに没頭します。反射的に倒すターゲットを判断し攻撃する。子どもの衝動性が強くなるのではないかと心配しています。実際に学校の再開後、学校で子どもの衝動性多動性が強くなったという例もありました。
長時間のゲームで進学率が低下するという報告が多くありました。しかし一方、ゲームをやっていた方が集中力や論理的思考力、発想力が上がるなんて報告もあるようです。検索すると様々なゲームの種類とそれが与える影響について検討したレポートもありました。しかしゲーム時間が長時間に及び、寝る間や食事の間も惜しんでゲームをやり続けるとなるとやはりそれは依存症と言って良いでしょう。当然、様々な負の影響が表れます。

 今の世の中、様々なIT機器で溢れています。そして我々はそのIT機器の恩恵にあずかっています。そんな世の中で子ども達に全くゲームをやらせないというのは不可能に近いでしょう。大切なことは子どもにゲームをやりたいと言われたとき、簡単に許可する前に、まず最初に子どもと話し合い、ルールをしっかり作ることだと思います。そしてそのルールにはペナルティが必要です。例えばルールを守らず時間オーバーしたときは翌日はゲーム禁止。1週間で2回目のルール違反には次の1週間ゲーム禁止というように段階的にペナルティを設けるのが望ましいでしょう。

 昔自分は子どもがテレビゲームの没頭して止められなくなったとき、カッとしてゲーム機のコードをハサミで切ってしまいました。今から思えば賢い解決法ではなかったなと反省しています (v_v)。

思い込み

ファイル 610-1.jpgファイル 610-2.jpg

 世の中には思い込みから間違いをしてしまうことは良くあることで、自分の高血圧もてっきり本態性と思い込んでいました。自分の両親も血圧が高かったからです。本態性高血圧とはこれといって原因が見当たらず、血圧が高くなってしまうものを言います。これに対し、二次性高血圧とはホルモンの異常や腎臓の病気で血圧が高くなるものを言います。
 しばらく前から血圧の薬を飲んでいたのですが、最近コントロールが悪くなり、今年の4月に当院の下に開業された「ひろさき糖尿病クリニック」の長谷川先生に相談しました。血液検査とCTを検査した結果、自分の高血圧は本態性高血圧ではなく二次性、つまり別の病気が潜んでいて血圧が高かったことが判明しました。副腎に問題が見つかったのです。
原発性アルドステロン症、それが病名です。動脈硬化が進行する前に、腎機能が悪くなる前に、もう少し早くに受診していればという思いはありますが、まあ今から治療すれば少なくとも今以上は悪くならないだろうと期待しています。
 車の事故にしても、一般診療での誤診にしても、全ては思い込みから引き起こされる過ちと反省した次第でした。

 メルマガには手術になるかも知れないと書きましたが、大学病院で精密検査を受けた結果、残念ながら手術適応無し。内服薬での治療になります。しかし今は良い薬もあるので大丈夫。そんな訳で突然の休診や手術での長期休診はなくなりました。
まあそれも良いかな。
なるようにしかならないものです。

お手紙

ファイル 601-1.jpg

 この数年、GWは毎年のように北海道や東京へお出かけし、孫達に会いに行っていたのですが、今年は残念ながら会えません。しかし今はいい時代ですね。子ども達はしばしば孫達の動画を送ってくれます。
 先日、少し早いこどもの日のプレゼントに積み木と田舎館の苺を送ったら、そのお返しにお手紙とお菓子が送られてきました。
動画も良いけど、やっぱりお手紙は良いですね。

 新型コロナの患者数は減少傾向にあるようで少し希望が見えてきました。しかしここで油断は出来ません。県境を跨いでの移動は止めましょう。新型コロナの感染力はそれ程強いものではなさそうですが、油断すると感染します。引き続き手洗いの励行と、時には3密は避けてお出かけし、心身のリフレッシュを図りましょう。

マスク

ファイル 598-1.jpgファイル 598-2.jpg

 ネット上でアベノミクスならぬアベノマスクが話題となっているようですが、自分も先週、メルマガに「ガーゼマスクを百害あって一利なし」などと書いてしまいました。しかし後からそれはちょっと言い過ぎだったと反省しています。
全く一利もないわけではありません。マスクの限界を知り、使い方さえ気をつけていれば、それなりの意味はあるでしょう。

 布マスクの有効性:もちろん目が粗いので、正面の相手のエアゾルを防ぐことは出来ません。従って医療用には全く不向きです。しかし今、咳をしている人が自分の唾液を遠くに飛ばさないことは出来るでしょう。それでもエアゾルが漏れ出ることは理解する必要があります。配付されるマスクは別にして、市販の布マスクには可愛いものも多くあるようです。お母さんが用意した可愛いマスクなら子どもも喜んで付けてくれるという話しも聞きました。

 布マスクの使い方:安倍さんの布マスクが妙に小さく少し滑稽でした。マスクの付け方ですが、サージカルマスクにしても鼻を出して付けている人を見ます。これでは効果はありません。必ず鼻を覆いましょう。布マスクは洗って使えますが、逆に洗わずにいると内側で雑菌が繁殖し、むしろ不潔です。必ず毎回洗いましょう。

 布マスクだけでなくサージカルマスクにしても効果は限定的です。ウイルスに感染するのはむしろ手で鼻や目を触ることと言われています。ですので感染の恐れのあるものを触ったら、その都度手を洗いましょう。嵐が手洗いの歌を歌っているそうですね。まだ聞いていませんが、手洗いの重要性をアピールしているのは良いことです。
「マスクをしたら絶対にマスクに触るな、外すときは耳に掛けるゴムの部分を持って捨てる。そうでなければ意味がない」と書いてあるものもよく見ますが、それを実行するのはなかなか大変です。僕でもそれは難しく、つい触ってしまいます。そこでマスクに触る前後に出来るだけ手をアルコール消毒しています。

 もう一つ、国から各医師会毎に大量のサージカルマスクが届いています。布マスクは医療機関にマスクを回すための施策でしょうか。それならとても納得できます。そう説明すれば安倍さんの株も少しは上がるのでしょうが・・・。


 手洗いやアルコール消毒する回数が格段に増え、おかげで手荒れが酷いです。保湿クリームの消費も激しいです (^_^;

写真は湯段のミズバショウ。雪解けを待ちわびていたかのように、早速ミズバショウが小さく咲き始めていました。

フルーツキャンディソープ

ファイル 593-1.jpg

新型コロナの話題ばかりで鬱々としているばかりではいけません。
少し明るい話題を載せましょう。

今日の写真、何だと思います。
フルーツゼリー? いいえ、これは一つ一つ丁寧に手作りされた石けんなのです。
Li’iLi’iのフルーツキャンディソープをご存じですか?
僕もテレビで放送されるまで知らなかったのですが、神奈川県の小田原市にあるハンドメイドソープの会社です。あまりに素敵で、その話しを師長にしたらクリスマスにプレゼントしてくれました。

実はこの会社で働いている従業員は皆様々な障害を持つ方達です。つまり障害者の自立支援施設なのです。彼らが仕事を覚えるのは大変ですが、この会社を立ち上げた方(神原さん?)は根気よく、しかもやる気が起きるように仕事を教え、そしてそれに見合った充分な報酬を与えます。往々にして低賃金でとても自立するのは困難な施設が多い中で、この会社では障害者たちが自分たちで企画・制作しラッピングまで行い、それに見合った充分自立できるだけのお給料を貰うのです。そしてなにより良いのはその石けんを手にした人の驚き喜ぶ顔が見えて来ることです。

障害を持つ子どもの親御さんの一番の心配はその子が将来自立できるようになるかどうかではないでしょう。自分達が旅立った後、子ども達は一人で生きて行かなければなりません。少しでもこのような施設が増えることを願っています。

Li’ili’iとはハワイ語で「小さくて愛らしい」という意味だとHPにありました。少し高い石けんですが、それに見合った素敵な石けんです。ネット販売もしているようです。皆さんもお一ついかがですか?

https://www.liilii.link/user_data/about_liilii

タンポポの花とランの花

 最近時々、うちの子はHSCですか?という質問を受けるようになりました。それまで自分はその言葉を聞いたことがなく、全く知識がありませんでした。ネットで調べると、HSCとはHyper Sensitive Childの頭文字だそうで、直訳すると過敏な子、繊細な子という意味になるでしょうか。アメリカの学者が提案し、その概念が日本に導入され、近年急速に保育関係者を中心に広まってきたとありました。
 これは子どもが生まれつき持っている気質の話しで 、病名ではありません。しかし貴女のお子さんはHSCですねといわれた親はさぞかし不安になるだろうなと心配になりました。

 僕が教えを請うている渡辺久子先生はもう四半世紀も前から子どもの気質を「タンポポの花タイプ」「ランの花タイプ」と分かり易い言葉で説明されています。「タンポポの花タイプ」のお子さんは踏まれても踏まれても逞しく花を咲かせる。しかし「ランの花タイプ」のお子さんは繊細で水やりや日当たりなど丁寧に世話をしないと花を咲かせない。でもそうやって手を掛けてあげると素晴らしく美しい花を咲かせてくれる。丁度そのランの花タイプがHSCなのだろうと思いますが、ランの花と言われた方がなんだか暖かく素敵ですよね。
 繊細な気質のお子さんの子育ては少し大変かも知れませんが、基本は親御さんが、関わる周囲の大人が気持ちを大らかにして愛情深く接することと思います。ただ悩むお母さんには周囲のサポートが必要でしょう。

 HSCと言われて何のことか分からず始めは動揺しましたが、調べてみて、お母さんを不安にさせるようなそのような言葉はあまり感心しないなと思いました。

ニセコの街

ファイル 588-1.jpgファイル 588-2.jpg

 去年は孫と遊んでいて腰を痛めて行けなかった冬のニセコ、今年は万全の体調で向かいました。しかし全国的な暖冬少雪はニセコも同じで、ゲレンデこそ滑走可能でしたが、ゲレンデ外は積雪が少なく、ブッシュで滑ることが出来ませんでした。ゲレンデの雪も硬い圧雪で転ぶとダメージが大きく、とても柔らかな深雪を滑るときの、あの宙を舞うような快感を味わうことは出来ませんでした。

 それはさておき、ニセコの町はこの数年で随分と変わってしまいました。まるで外国の街を歩いているようでした。お店の看板もメニューも英語です。歩いている人も8割方外国の方。日本人かなと思ってもその多くは中国(おそらく台湾?)の方です。ニセコは倶知安町にありますが、倶知安の全人口の12%が外国人だそうです。おそらくその大部分はニセコに集中しているでしょう。スキー場の周辺には素敵な別荘やレストランが建ち並び、高級ホテルがどんどん出来ています。それに伴い土地や物の値段も上昇しているそうで、僕が定宿にしていた昔ながらの2食付きで1万円以下の山荘はもうありません。ゲレンデ内のヒュッテでも外国の方が沢山働いています。なんだか落ちつきません。これはバブルなのではないだろうか。いつか破綻し、スキー場も閉鎖されるのではないかと心配になります。ニセコだけでなく、外国資本が日本のあちこちの土地を買っているという話しも聞きます。自由主義は良いのですが、自分の国を守るためにはある程度の規制は必要なのではないだろうかと思っていました。

まあ、雪質は残念でしたが、ホテルには温泉もあり、友人の持ってきた日本酒も美味しく楽しい旅行ではありました。

こんな冬は今年だけであることを祈ります。
地球の温暖化、全世界レベルの異常気象の一つではないと良いのですが・・・。

謹賀新年

ファイル 587-1.jpg

新年、明けましておめでとうございます。

 皆さまはどのようにお正月をお過ごしでしょうか。
我が家では今年二人の子ども達が家族を連れて帰省してくれ、本当に久し振りで家族全員が揃いました。奥さんは将来どちらか一人でも弘前に戻ってきてくれることを願っていますが、二人ともそれぞれの土地にしっかりと根を下ろし生活しているようでした。当分その夢が叶うことはないでしょう。
 二人の孫達はすくすくと成長し、片言の言葉を話すようになっていました。自己主張し、「嫌!」と言い始め、親たち(自分たちの息子や娘)を手こずらせていましたが、彼らは上手に対応していました。彼らが上手に相手してあげられているのは彼らの親つまり自分の奥さんやパートナーのご両親が上手に育ててきたからでしょう。それにはとても感謝しています。僕は彼らが子どもの時に充分関わってやれなかったと反省しています。

 写真は藤崎のハクチョウです。孫達に見せに連れて行ったのですが、餌やり禁止とあって少し残念でした。

今年も無理しない程度にブログを更新して行きます。
ニュースレターも。
それでは今年一年が皆さまにとって素晴らしい年となりますよう心から祈念しております。

ページ移動