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八甲田レポート:梅雨明け間近

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 ジメジメとした重い空気の日々が続いています。梅雨前線はまだ日本の南に掛かり、豪雨をもたらしているようです。しかしもうすぐ梅雨も明けるでしょう。

 連休初日、朝のうちは曇り空でしたが、イヌの散歩をしていると青空が見えてきました。やっぱり登ろうと少し遅くなりましたが、八甲田へと向かいました。前にも書きましたが、この季節の八甲田は登るたびに違う花が咲いています。毛無岱の湿原ではキンコウカが黄金の絨毯をなし、稜線ではイワブクロが清楚な花を咲かせていました。谷の雪が溶けたばかりの仙人岱は一面のお花畑でした。

 山から下りて酸ヶ湯で蕎麦でも食べようと思ったのですが、沢山の人出でそば屋も列が出来ていました。他県ナンバーの車も多く、ちょっと3密だよなと思い、蕎麦は諦めました。

 連日、感染者数は過去最高を記録していますが、国はGo to travel キャンペーンを推し進めています。人の動きが大きくなれば、COVID-19も拡散することは明白です。しかし国が敢えて中止を選択しないのは、もちろん経済活動を優先してのことでしょうが、若しかするとCOVID-19の軽症化を捉えてのことでしょうか。そうであれば幸いなのですが、なかなか正確な、詳細な情報が出てきません。
 パンデミックウイルスが年余を経て軽症化することはよく知られています。彼のスペイン風邪も数年の後、普通の季節型のインフルエンザに変わりました。COVID-19の軽症化も言われてはいますが、少し早すぎるようにも思います。今後のデータを注視すべきでしょう。

 出来ることは先ずは3密を避け、やむを得ないときはマスクと手洗いでしょうか。何度も書きますが、3密でない屋外はマスクは不要です。

岩木山レポート:祈りの道

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 今年は月に最低2回は山を登ろうと決めていました。山の体力を付けるには山を登るのが一番です。という訳で先週は八甲田、今週は岩木山へと向かいました。今回、登ったのは僕が好きな赤倉コース。このルートはこれまでも何度か「院長のひとこと」で紹介しています。登山道に沿って点々と石仏(観音像)が祭られている山岳信仰の道です。自分も鳥居でお辞儀してから登り始めました。登り口にある石仏が一番で、8合目に三十三番の大きな聖観音像があります。
 このコースを函館のA先生に紹介したところ、昨年秋に一人で登られたそうです。後日、その時の山行を報告してくれたのですが、三十三番の聖観音の足下に母子像があったと教えてくれました。これまで何度もこのコースを登っていますが、その母子像には気付きませんでした。それを自分の目で確認するのも今回の登山の目的の一つでした。聖観音に合掌し、足下をみると確かに赤子を抱く、母親?あるいは観音様?がいました。この像が祭られたのには一体どんな物語があったでしょう。母親の像の表情が印象的でした。僕には悲しそうに遠くを見詰めているように見えましたが、皆さんにはどう見えますか?きっと観る人によって違うと思います。

 昨年秋にA先生が登ったとき「観音様が紅葉した枝をお持ちでした」と写真を送ってくれました。2019年10月の記事をご覧ください。今回、同じ観音様は花束をお持ちでした。

 33体あるはずの石仏は、残念ですが風化が進み、欠番や倒れている観音様もいらっしゃいます。登山道はよく整備されています。観音様を修復するのは大変でしょうが、いつの日にかと期待しています。それぞれの観音様がそれぞれのお顔をされていて、登りながらいつもその表情に癒やされていました。

八甲田レポート:新緑の森

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 ブナの新緑が好きです。その若葉には産毛が生え、光を透き通し輝きます。里では随分と緑が濃くなってきましたが、山の緑はまだまだ優しく癒やされます。
先々週まで雪に覆われれていた山々もこのところの暖かさで一気に雪解けが進んでいます。酸ヶ湯からの毛無岱へと続く登山道もほとんど雪が消えました。2週間前の酸ヶ湯はまだ若葉が芽吹き始めたばかりでしたが、あっという間に一面、緑の世界に変わっていました。

 朝のうち曇っていた空も登るにつれて青空の面積が増え、赤倉岳に上がる頃にはすっきりと晴れ上がりました。毛無岱の湿原ではショウジョウバカマやミズバショウに加え、早くもチングルマが咲き始めていました。赤倉岳の尾根に上がるとキスミレが出迎え、その南斜面にはミネズオウの群落が一面のお花畑を成していました。井戸岳の岩稜(外輪山)ではミヤマキンバイ、コメバツガザクラが例年と同じに可憐な花を咲かせていました。これからしばらく八甲田では様々な高山植物が代わる代わる咲き、登るたびに違う花を楽しめます。

 登山客は多いと言うほどではありませんが、それでも何人もの人が春の八甲田を楽しんでいました。しかしこのコロナ禍で登山の自粛も呼びかけられたためでしょうか。例年の春山のような賑やかさはありませんでした。
 かつて大岳山頂はハイマツで覆われていたそうです。しかしそれが多すぎる登山客に踏み荒らされ枯死し、今、山頂周辺は広い裸地が広がっています。井戸岳の斜面も崩れが目立ち、なかなか修復作業が追いつきません。ただ、おそらく今年は学校の集団登山はないでしょうし、商業ベースの集団登山も減るのではないでしょうか。それが幸いして、少しでも荒れた山肌が回復することを期待しています。

春の津軽

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 桜、菜の花、リンゴの花と津軽の春を彩った花の季節もそろそろ終わりです。雪形が美しく、新緑が爽やかに輝いています。田んぼでは代掻きが進み、もう直ぐ田植えが始まります。朝、山や田畑を見ながら、川沿いの道を自転車を走らせると、コロナのことなんかすっかり忘れてしまいます。

 先の日曜日、八甲田を登りましたが、ずっとガスの中で写真を撮ることができませんでした。そこで今週はGW中に撮影したお勧めの景色をアップします。津軽には津軽しかない素晴らしい景色が沢山ありますよね。
 写真左は鰺ヶ沢の菜の花畑。右は十和田湖、風がなく鏡のような湖面でした。

岩木山レポート:春山ひとり

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 5月5日こどもの日、岩木山を登りました。最後に登ったのは去年の6月ですからほぼ1年ぶりです。学生時代から岩木山を登るのはハードでした。標高差1300mを日帰りで登るのは若くても結構な運動量です。以前は百沢から2時間半程で登り、帰りは走って駆け降ることも出来たのですが、今はもうそれは不可能です。3時間以上掛けてゆっくり登り、降りも膝に負担が掛からぬようゆっくり降りました。行動時間は5時間半。流石に疲れました。

 さて、例年だと晴れたGW、山には何人もの登山客がいるのですが、今年は誰一人とも出会いませんでした。この季節、ひとっこ一人いない岩木山は初めてで、どこか違和感を感じました。登山も自粛するようにテレビで放送されていましたが、それは可笑しな話しです。山小屋は密閉空間ですが、集団で登るのでなければ全く問題ありません。あちこちの公園も入場を制限されているようですが、過剰と思えるものも少なくありません。心身のリフレッシュを考慮した適切な制限が必要でしょう。

 COVID-19はやや収束に向かっているようも見えます。しかしまだ分かりません。油断大敵。経済活動も少しずつ再開するべきとは思いますが、感染防止対策は必要です。最低限マスク、手洗いは続けましょう。


 写真左は山頂から望む白神岳。写真右、鳥海の斜面には例年だと何本ものスキーのシュプールが刻まれるのですが、今年はまっさらでした。

八甲田レポート:早立ち

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 こんな時、何をのんきにと言われそうですが、日曜日ボードを持って、また八甲田へと出掛けました。

 学生時代、山は早立ちが基本と先輩から教えられました。夏の北アルプスは午前中天気が良くても、お昼頃から雲が沸き出し、午後は雷が鳴ることもよくありました。それで夏山では午前3時頃には起き出し食事を済ませ、日の出前に早立ちします。お昼頃には目的地に到着することもありました。それは天気のためだけでなく早立ちして時間に余裕があると気持ちにもゆとりが生まれ、何かトラブルがあったとき、冷静な判断も可能となるからです。

 日曜日、天気予報では晴れ。朝、空を見上げると高曇り。午後には晴れることは分かっていましたが、長年の山登りで染みついた習性でやはり朝7時には家を出ました。酸ヶ湯に着くとまだ気温は低く、雪は硬く凍っていました。前回アイゼンの話しを書きましたが、硬い雪を登るときもう一つ必須アイテムがあります。それはピッケルです。ピッケルとは登山用のつるはしみたいな道具です。最近、そのピッケルを捜しているのですが、どこに仕舞ったものか見つかりません。ピッケルと言えば武士の刀。刀がないなんて武士とは言えない、僕ももう登山家とは言えないなどと思いながら代わりにストックを突いて登っていました。
 頂上直下、既に10時を回っていましたが、まだ雪は硬く、ボードで滑り始めたのですが、転ぶとダメージが大きく怪我をしそうです。結局上部はほとんど横滑り。少し雪が柔らかくなった下部でようやく少しだけ滑りを楽しんだのでした。

 さて、いよいよ青森県でも新型コロナが出てきました。今の所、感染経路がはっきりしているケースだけですが、早晩東京のように感染経路不明の事例が増えてくるでしょう。志村けんさんが亡くなられました。驚きと不安が日本中を覆ったのではないでしょうか。感染症情報にも書きましたが、この新型コロナの流行は長期戦になりそうです。
 自分がCOVID-19の治療に携わることはないでしょうが、それでももしそれが疑われるような子が受診したとき、トリアージ(重症度と治療の優先順位の判断)は必要です。それに病気は新型コロナだけではありません。赤ちゃんの予防接種も大切です。子ども達の心のケアも続けなければなりません。そのためにはまずは自分が罹らないようにしなくてはいけません。ましてや知らずに移ってそれを他の子ども達に移す訳には行きません。
 更に緊張感を持って診療しています。

八甲田レポート:冬の終わりに

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 世の中、新型コロナで自粛ムードが漂い、多くの遊戯施設も休業や営業の制限を余儀なくされているようです。ヨーカドーの4階のボールプールのボールも片付けられていました。しかし山は大丈夫。コロナは居ません。先の日曜日、低気圧が近づく前の少しの晴れ間にと朝早くから八甲田へと向かいました。岩木山も綺麗に晴れていたのですが、今年はまだ八甲田の頂を踏んでいません。ずっと山へ行けていないので、まずは八甲田で足慣らしです。

 3月は暦では春ですが、山はまだ冬です。それでも確実に春は近づき、真冬の厳しさはもうありません。多くの登山客が雪山を楽しんでいました。おそらく登頂した人は少なくとも10人はいたでしょう。山の上部はクラスト(雪が硬く凍りつくこと)していて、皆安全に登れたかしらと心配しました。中には諦めた人もいたようですが、ほとんどの人は何とか登頂できたようです。雪が硬いとスノーシューの歯が食い込まず、足下が不安定になるのです。凍った斜面を安全に登るにはアイゼン(登山靴につける金属の爪)が必要です。

 家に閉じこもってばかりいては子ども達のストレスも溜まる一方です。お外で遊ばせましょうね。一緒に公園を散歩してみてはいかがですか。小さな春を見付けることが出来ますよ。


 今年の雪解けは山でも早く、冬山のモンスター達は姿を消していました。しかしここ数日の悪天はおそらく山では吹雪ていたのでしょう、アオモリトドマツをまた凍らせたようでした。

八甲田レポート:山へ帰る

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 日曜日、少し遅くに家を出て八甲田へと向かいました。山を登るのは本当に久し振りです。最後に登ったのは去年の夏かも知れません。前の日に降った柔らかな雪を踏みしめ、白く優しい雪に覆われた木々を見ていると、「ああ、やっと帰ってこれた」と思うのです。つまり自分の中では山は行く場所ではなく帰る場所、自分の本当の居場所は里ではなく山なのかも知れません。

 さて、里がそうであるように今年は山も少雪で酸ヶ湯の積雪も例年より2mは少ないように思います。樹氷も痩せて貧弱でした。いつものように途中の仙人岱ヒュッテまでは踏み跡があり楽に登れましたが、山頂への斜面を登り始めたところで、濃いガスに覆われ、方向を定めようとコンパス(方位磁石)を探しました。ところがなんとコンパスを車に置いてきてしまったようです。登るのは高い方を目指せば頂上へ着きますが、下りはコンパスで方向を定めて歩かないと迷います。体力の低下があり、気持ちの余裕もなく、今回は登頂は諦め途中で引き返しました。衰えた体力を取り戻すには焦りは禁物と自分に言い聞かせていました。

 帰りにクリニックによると仕事が山のように残っています。自分が山を居場所と思うのは決して現実逃避ではないはずと自問自答したのでした。

曇り空で良い写真は撮れませんでした。
残念 (v_v)

八甲田レポート:夏山

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 お盆休み、予定していた旅行を家族の健康上の理由でキャンセルし、代わりに八甲田を登っていました。天気予報では猛暑が予想されており、早出して涼しいうちに酸ヶ湯を出発しました。
 朝の清々しい空気を満喫しながら森を歩き、毛無岱の湿原に出ると、夏のキンコウカが盛りを迎えていました。しかし稜線ではもう秋風が吹き始め、イワギキョウやアキノキリンソウなど秋の草花が咲いていました。

 自分は7時前に登り始め、気温がピークの昼頃にはもう下山していたのですが、それでも水分摂取が不十分だったようで、熱中症気味となり少しめまいを感じていました。しかし昼近くになって登ってくる登山客も多く、この暑い中を登るのは大変というか大丈夫かしらと案じていました。山で体調を崩すと大変です。以前、山で歩けなくなったまだ小さな女の子を助けたことがありました。お父さんにその子を背負わせ、ロープウェイの休憩室に運び、経口補水療法でなんとか回復しました。山では無理は禁物です。特に子どもと山を登るときは子どもの体力に合わせた計画を立ててくださいね。

岩木山レポート:山神様

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 日曜日、天気予報では終日の雨でしたが、朝空を見上げるとそれほどの悪天ではなさそうです。計画通りに岩木山の赤倉神社へと向かいました。以前にも一度この「院長のひとこと」に書いたのですが、岩木山には幾つかの登山路があります。嶽コースから反時計回りに百沢コース、弥生コース、赤倉コースそして長平コース。その中で赤倉コースが一番のお勧めです。急登は少ないのですが、その分少々長く、登るには時間が掛かります。この登山路は山岳信仰の道で、点々と続く石仏をたどる道です。石仏には下から順に番号が付いていて、一番上が33番。最後に標高1430mの大開からの水平道の途中に大きな聖観音が祭られています。山頂直下の登りまでは短いですが、見晴らしの良い尾根歩きも楽しめます。
 観音様(石仏)はそれぞれにお顔が違っていて、中でも9番の観音様が一番の器量良しです。若い頃は気にも留めなかったのですが、その他の観音様もそれぞれに趣があって、どこか外来に来る子ども達やお母さん、お父さんに似ています。

 膝を痛めてからこの季節に岩木山を登るのは久し振りでした。ボードで一気に滑り降りるならまだ良いのですが、標高差およそ1200〜1400mを一歩一歩降るのは随分と膝に負荷が掛かるのです。
 そんな訳で赤倉に来るのは何と6年ぶりでした。来てみて驚きました。随分と色々と変わっていたのです。変わったと言っても変わったのは人が作った物で、壊れかけていた橋は新しくなっていました。しかし社務所?が倒壊していたり、倒れている観音様もありました。標高1070mの鬼の土俵では祠が飛んで中の山神様がお姿を現していました。今までは祠の中でしたから、お目に掛かるのは今回が初めてでした。合掌!

 麓の赤倉神社の参道では、ブナの実が沢山の芽を出していました。そのほとんどは枯れてしまうはずです。しかしもし誰も歩く人がいなければこの参道も直ぐに緑に飲み込まれてしまうのだろうと想像していました。赤倉コースの登山道はよく整備されていますが、それでも人の手が入らないと直ぐに荒れてしまいます。南八甲田の登山道などは笹藪を刈っても刈っても直ぐにどこが道か分からなくなります。それが日本の自然なのでしょう。山を神と崇める気持ちが分かるような気がしました。

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