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バケモノの子

 テレビの金曜ロードショウで細田守監督のアニメ、バケモノの子を観ていました。(と言っても夜遅いので録画し次の日の朝に観たのですが)
このアニメのテーマは父子の絆なのでしょうが、もう一つのテーマは人が抱える心の闇かなと思いました。主人公の九太とそのライバル?一郎彦は共に心に闇を抱えています。九太はその闇に飲み込まれることなく乗り越えることが出来ますが、一郎彦は闇に飲み込まれてしまいます。二人とも過去に母子分離の経験がありました。ただ、その後の育ちに違いがありました。その違いが二人の強さの差を作ったのでした。九太のガールフレンドに「私たちは誰でも皆、心に不安を抱えて生きているの」という台詞がありました。不安は子どもが生まれ落ちた瞬間から周囲との関係性の中で生じ、その不安が心を傷つけます。その傷が心の闇を生み出します。

 日曜日の夜、NHKでサイエンスZERO「子どもの脳を守る〜傷ついた脳の修復には〜」というタイトルの番組が放送されました。
福井大学の友田明美先生が不適切な養育(マルトリートメント)の積み重ねが脳を傷つけ、愛着障害を引き起こすと説明されていました。しかしその後の関わり方次第で傷ついた脳を修復させることができるとも解説されていました。
「心を込めた抱っこ」で心を癒やし、「ボールを使ったやり取り遊び」で相手の意図を読みとり、投げられたボールをキャッチするという脳と身体をシンクロさせた作業で神経細胞が新生されると言います。心の傷は決して傷ついたままではなく、癒やすことが出来るのです。

 そして、その番組の最後に僕の敬愛する渡辺久子先生が、
「絵に描いたような仲の良い夫婦や、家族関係はまずない。どの家でも多かれ少なかれ色々な問題はある。失敗だらけで良いと思う。ボロを出せる社会を作ることが大切」と熱く語られていました。

我々の作業はその傷付いた脳を親子で修復する過程をサポートすることだと考えています。

子どもへの新型コロナワクチン

 まだまだ新型コロナの感染者は多く、東京では再び非常事態宣言が出されました。それでも新型コロナワクチンの接種が進み、少しずつ変わってきたように思います。医療機関や高齢者施設でのクラスターはめっきり少なくなりました。ワクチンの供給に不安はありますが、8月からは若い世代での接種が始まります。しかし新しいワクチンと言うことで不安に思われる方も少なくないようです。そこで今回は子どもへの新型コロナワクチンについて考えたいと思います。

 今、日本で接種されている新型コロナワクチンは皆さんご存じのようにmRNAワクチンです。それは自分が学んできたものとは全く異なる方法で、そして驚くほどの早さで作られました。しかもその有効性は俄には信じ難いほどの高いものでした。
 新しいワクチン技術ということですが、実は随分前から研究されていたようです。それがこの2、3年で急速し発展し、丁度このパンデミックのタイミングで世に出てきたのです。
ファイザーやモデルナ社製のワクチンはmRNAワクチンですが、他にもDNAワクチン、ベクターワクチンなどが開発されており、それぞれ従来の機序とは全く異なる新しいメカニズムで免疫を作らせるものです。
 新しいワクチンということで、慎重な意見も有ります。反ワクチン派の科学的な根拠のない否定的な意見も散見されます。接種部位の疼痛や悪寒発熱といった副反応はありますが、それはどのワクチンでもあるものです。長期的な副反応については確実なことは分かっていませんが、今の所、その心配はなさそうです。しかし副反応についてはこれからも注意深く観察する必要はあるでしょう。

 元々、ワクチンにせよ、医薬品にせよ、それを使用するかしないかはメリットとデメリットとを天秤に掛けて判断するものです。そこをよく考えて接種するかどうかを決めるべきでしょう。

 世界各国で若い世代の接種が進まないことが問題になっています。若い世代の人は感染したとしても軽症ですむことが多く、副反応を考えると接種を躊躇う人も少なくないのでしょう。しかし若い世代でも重症化することはあり、後遺症で悩む人も少なくありません。また自分が感染源になり、周りに広めてしまうリスクも考える必要があるでしょう。

 さて、子どもへの新型コロナワクチン接種ですが、子どもは感染しにくく、感染しても無症状のことが多いと言われています。そして感染するのは大部分が家族内感染です。家族が予防することで子どもを守ることが必要です。しかし感染しにくいというのは小学校低学年以下のことです。中学生、高校生以上は逆に家族内感染は少なくなり、大人と同じに考えて良いでしょう。

Know VPDの会が「子どもの新型コロナワクチン接種の考え方」をHPにアップしました。記事の一部を載せます。

感染したときのリスクvs接種したときのリスクで考える
 どうしても判断に迷う場合は、新型コロナウイルス感染症にかかった場合とワクチン接種で副反応が出た場合を比べてみましょう。リスクvsリスク、例えば「感染すると無症状でも隔離」と「接種後の副反応は翌日をピークに減少」を考えたとき、どちらになりたくない、どちらを回避したいと感じますか。

[感染によるリスク]
※ワクチン接種でこれらのリスクはほとんどなくなる
・軽症や無症状でも隔離が必要 
・隔離による予定の変更やキャンセル
・周囲へ感染を拡げるリスク
・まれに重症になるリスクがある
・日本では実態はよくわかっていないが、何らかの症状が持続するかもしれない

[ワクチン接種のリスク]
※局所反応や全身反応は接種翌日をピークに、1週間ほどで改善
・接種後の接種部位の痛みや腫れなどの局所反応
・接種後の全身倦怠感、頭痛、発熱などの全身反応
・接種後のアナフィラキシー、心筋炎・心膜炎 ➡ 非常にまれ 
・長期的な副反応 ➡ 現在のところ懸念されていない

 日本の国民はワクチンに対し、大きな警戒感を持っているようです。それはマスコミの影響が大きいのだろうと思っています。
子宮頸がんワクチンでマスコミが否定的な報道を展開し、ワクチンは危険なものだとの風潮が広まりました。ワクチンをバッシングする世論が生まれ、それに押され国も勧奨接種を中止した経緯があります。しかしワクチンを受けられずに、不幸にして子宮頸がんに罹患し、亡くなってしまった女性に誰がどう責任を持つのだろうと残念に思いました。

いずれにせよ、非科学的な流言飛語に惑わされることなく、ご自分で冷静に判断していただきたいと思っています。

赤ちゃんの痛み

 先日、送られてきた小児科学会誌に興味ある総説が載っていました。赤ちゃんの痛みに関する論文です。
タイトルは「新生児の痛みの評価とケアー痛み経験がもたらす影響を改善させるためにー」。

 自分も勤務医時代、新生児・未熟児医療に関わっていました。思い返すと小さな命を助けるために痛みを伴う処置はやむを得ないもので、それは仕方ないことと無頓着だった自分がいました。しかし新生児期の強いストレスが後々まで大きな影響を及ぼすことが分かってきました。今回の総説を読んで、自分の無頓着を強く反省させられました。

論文には
新生児は成人よりむしろ痛みを強く長く感じていること。
頻回の痛み刺激を受けた早産児が、その後に痛みに対する感覚異常が発生しうること。
成長してからもなお不安や抑うつといった問題行動や、更には成人してからの不安障害やストレス関連疾患を発症するリスクを高めることなどなどが書いてありました。
そしてそのケアについて、処置前にショ糖(砂糖)を飲ませるとか、母親への支援が子どもの脳の発達が改善する可能性があること
等の記載がありました。

 痛み刺激に限らず、赤ちゃんが抱える様々なストレスを、これまで大人は軽んじてきたように思えてなりません。しかし適切なケア無しでは、それこそ生涯にわたって影響する可能性があります。大人は赤ちゃんを世話するとき、それを肝に銘じるべきなのです。

子どもとコロナ3

 先日、NHKの夜のニュース番組で保育園のクラスターの話題が取り上げられていました。保育園でのクラスターがこれまでに全国で350施設ほどで起きているようです。その1/3が今年の3月から、変異型になってからのクラスターだということでした。

 確かに変異型は感染力は強いです。子どもの感染者も増えているようです。
ただ、保育園のクラスターは増えていると言ってもごまんとある保育園の内のほんの2、3百です。そう不安を煽る必要も無いように思います。裏の意図を感じました。番組では解説されませんでしたが、子どもの感染者の重症度は前からの新型コロナウイルスと同様、無症状あるいは軽症の子どもが多いようです。しかし子どもは罹りにくいが、罹ると他に移す力はむしろ強いと言われています。子どもが保育園で感染し、それを家族に移して、大人が重症化するというストーリーはあり得ます。
 やはり今は保育園もしっかり対策を取るべきでしょう。それには園児に手洗いマスクを徹底させるのではなく、もちろん必要ないとは言いませんが、保育園のクラスターは最初は保育士から始まることが多いようです。子どもより保育士の感染予防対策が重要です。
保育園での感染対策の徹底と保育の質との両立は困難と園長先生が嘆いていました。今の社会を回すためには保育士へのワクチンも優先して進めるべきでしょう。

 将来的にですが、今のコロナも風邪ウイルスの一つとして、子どもの内に軽く罹って免疫ができ、丈夫な大人になるのではないかと予想しています。

EDトーク

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先の土日はクリニックで心身症や発達系の講演を聞いていました。最近は現地に集まっての学会、研究会はほとんどなくなりましたが、代わってZOOMでの講演会が沢山あります。普段お目に掛かるこことのない遠方の先生方と会えないのを寂しくは思いますが、Webでのセミナーもそれなりに便利で、交通費も掛からず、手軽に勉強できます。

今日のタイトルは神経性やせ症の講演で出てきた言葉です。Eating disorder(ED)トークとは自分の体型や体重、食べ物に関することをそれは事実ではないと認めない児と、それを何とか説得しようとする者との不毛な議論をそう呼ぶそうです。それは何も摂食障害の診療に限ったことではないと思いました。全てのワクチンを忌避する人がいます。昔、自分の子どもに一切のワクチンを受けさせない人達をなんとか説得しようとしていた自分がいました。しかしほとんど成功しませんでした。不毛な説得は無意味です。
EDトークが始まったと気付いたら・・・話題を変える、相手の不安を理解して体重が増えることを手放しで喜ばないなど自分自身の視点も変えることが必要です。


写真左は百沢スキー場のゲレンデの桜。桜林の桜が咲き終わる頃に咲き出します。
1本桜のようですが、実は2本です (^_^;
右は常盤野農村公園の大きくなったミズバショウ。新緑が綺麗でした。

コロナ禍の子ども達:ゲーム依存

 このコロナ禍は様々な影響を我々に及ぼしています。一見、変わりなく遊んでいるように見える子ども達でさえ、大きな影響を受けています。分かり易いところで、昨年、休校措置が続いて暇を持て余し、ゲームに明け暮れた子ども達が少なくありません。休校になったのはもう去年の話しですが、未だに尾を引きずっています。今でもまだ1日何時間もゲームに没頭している子どもの数は少なくありません。親はそれを止めようとするのですが、切れて暴れるので止められずにいます。

 特にフォートナイトというゲームは中毒性が高いようです。無料でダウンロード出来、ぱっと見はそれ程有害なゲームには見えないのですが、オンラインで繋がり、子ども達は大声で叫びながら夢中になってゲームをやっているようです。しかし言葉遣いが乱暴になったり、衝動性が強くなったり、ゲームが原因でいじめに発展したりしています。

 先日、医療系のネットニュースで「スマホやタブレットなどのタッチスクリーンの使用が、幼児の集中力の発達に影響を及ぼす可能性がある」という研究結果がロンドン大学から出されたという記事を読みました。幼児期は集中力のコントロールを学ぶために非常に重要な期間で、タッチスクリーンの使用はそこに悪影響を及ぼしている可能性があるそうです。過度の使用が気が散りやすく、物事に集中して取り組むことが出来ない子どもにしてしまうのです。

 1歳半で既にメディア依存している子がいるそうです。タブレットを取り上げるとひっくり返って大暴れする。しかしそれは子どもが依存していると言うより、大人が依存しているのかも知れません。スマホやタブレットを見せておけば大人しいし手が掛からない。そうして子どもにスマホを預けっぱなしにしている親御さんは少なくありません。3、4歳でゲーム機デビュー。益々子どもはゲームの世界にのめり込んで行きます。今の世の中、子どもからスマホやゲームを切り離すことは出来ないようです。しかし最初が肝心です。与えるときには必ずルールを決めて、そしてそのルールを守らせることが大切です。子どもが執拗に要求しても、ぶれてはいけません。駄目なものは駄目とはっきりと諭しましょう。
それが子どもを護ることになるのですから。

子どもとコロナ 2

以前、同じタイトルで長崎大学森内先生の講演の内容を紹介しました。今日はナショナル・グラフィックの記事を紹介します。「子どもがコロナに感染する・させる割合は大人の半分ほど」とありました。その内容はアイスランドでの最新研究で子どもが新型コロナウイルス感染拡大にどの程度影響しているか明らかにされていました。およそ4万人を対象にした調査の結果、15歳未満の子どもが新型コロナに感染する割合、および他人に感染させる割合はいずれも大人の半分程度だそうです。また、子どもの感染例はほぼ全てが大人から移されたケースだったそうです。おそらく日本でもそうでしょう。
と言うことは感染拡大を防止するのに休校措置は役立たないということです。休校は子どもや地域社会への影響が大きく、米疾病対策センター(CDC)も休校をなるべく避けるように推奨しています。

ただ、思春期以降に感染リスクは一気に上昇するようです。米国での調査では高校での感染割合は小学校の3倍近くに上るとありました。

ではなぜ子どもは罹りにくいのか。
以前から新型コロナウイルスが結合する「ACE2受容体」が子どもは上気道に少ないからだという説があります。また小さな子どもはウイルスにさらされる機会が多いために、新型コロナウイルスに近いコロナウイルスに対する免疫があり、それが新型コロナウイルスにも有効に働いている(交差免疫)のではないかと言う説もあります。

別の論文ですが興味深い報告がありました。新型コロナに感染した患者の年齢が若いほどインターロイキン17A(IL-17A)とインターフェロン-γ(INF-γ)の値が高いことが明らかになったそうです。IFN-γにはウイルスの複製を抑える作用があります。全ての人に備わっている自然免疫系の一部であり、感染後の早い段階で活性化されます。一方、成人患者では小児に比べ、新型コロナウイルスのスパイク蛋白に対する強い免疫反応が認められたそうです。そして中和抗体が作られ、ウイルスを排除する。
言い換えると、小児では感染して直ぐに自然免疫が働き発症を抑えるが、成人では感染してから免疫ができ、それからウイルスを排除する(獲得免疫)ために時間が掛かると言うことです。そして様々な炎症反応が連鎖し、重症化するのでしょう。

地域別の新型コロナウイルスの感染者数をみると、大阪や北海道は減少傾向にありますが、東京は微増、その周辺や地方の中核都市では増加、全体として微増傾向にあります。GoToが原因かどうかは分かりませんが、明らかに首都圏のコロナが地方に拡散したように見えます。経済と感染防止の両立は困難ですが、感染の危険性の高い場面・場所とそうでない場所とのメリハリの利いた対策が必要と考えます。

男子もHPVワクチンを

 しばらく前の話になりますが、母親に連れられHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を希望されて受診した中学生の男子がいました。その子は父親の仕事の都合で海外で暮らしていたそうです。その国では男の子もHPVワクチンを接種していたそうで、帰国後、日本でも当然接種できるものと思っていたそうです。しかし他の医療機関で日本では男性に認可されていないからと断られ、人づてに聞いて当院を受診したのでした。認可されていないと言うことは、もし接種で事故が起きたとき、その補償が出来ないと言うことです。それを説明した上で接種してあげました。

 さて、そのHPVワクチンですが、今度日本でもようやく男性への接種が認可されるようです。何故、男の子に?と思われる方もいらっしゃると思いますが、男性も打つべき理由は大きく2つあります。1つは女性にHPVを感染させないため。もう1つは中咽頭がんや尖圭コンジローマを予防するためです。それだけでなく肛門がんや直腸がん、陰茎がんもそのほとんどがHPVによることが分かってきました。そして海外の先進諸国では男性にもHPVワクチンを接種することは常識となっているのです。

 国が勧奨接種を中止して以降、日本のHPVワクチンの接種率は未だ低いままです。その間に毎年1万人を越える女性が子宮頸がんに罹患し、3000人の方が亡くなり、しかもその数は増加傾向にあります。HPVワクチンが定期接種になった2013年から本来なら救われていただろう多くの女性が子宮頸がんに罹患し、今後も増え続けることを思うと残念でなりません。
 一方先進諸国ではより予防効果の高い9価のワクチンが接種され、子宮頸がんはもはや過去の病気となりつつあります。子宮頸がんはそのうち日本の風土病になるのではないかなんて言っている研究者もいます。行政はHPVワクチンを早くに勧奨接種に戻すか、少なくとも接種意欲を削ぐようなコメントは控えて欲しいものです。

 ところで今年の7月、日本でも9価のHPVワクチンの製造販売が承認されました。しかしコロナ禍の影響でしょうか、発売が遅れていますし、定期接種になる見込みも立っていません。かなり高価なワクチンです。早く定期接種に組み込まれることを期待しています。

注)HPV:ヒト・パピローマ・ウイルス 主に性行で感染します。
  勧奨接種:国が積極的に接種を勧めること 現在HPVワクチンは勧奨されてはいませんが、定期接種から外れたわけではありません。

子どもとコロナ

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 弘前では連日のように新規感染者が報道され、皆様の不安が大きいのはよく分かります。このブログで以前、子どもはコロナに罹りにくいし罹っても軽症と前に書きましたが、まだまだ子どもが罹ってしまったらと不安に思われる方が多いようです。以前、弘前にお呼びし子宮頸がんワクチンについて講演していただいた長崎大学の森内浩幸先生が日本臨床ウイルス科学会で「COVID-19と小児」をテーマに講演したというニュースを読みました。その内容をかいつまんでお伝えします。

 先生は講演で「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は子どもにとっては基本的に風邪のウイルス」と述べたそうです。
「日本だけでなく世界でも18歳未満の感染者は少なく無症候性のことが多い。日本では現時点で子どもの死亡例はない。子どもにとって危険なのはコロナよりもインフルエンザ肺炎でさらにインパクトが大きいのがRSウイルスである」
もちろん講演ではその裏付け、科学的データを解説されたと思いますが、難しいことはここでは省きます。

 感染経路は家庭内での感染が主。
「インフルエンザは子どもが流行の中心で、学校の流行から社会に広がって行くが、SARS-CoV-2は社会の中の流行からウイルスが家庭内に持ち込まれ、子どもが感染するという逆の構図である」
そして更に「感染対策としてゼロリスクを求める過剰な対応は非現実的で、バランスの取れた対応策を立てる必要がある」と協調されたそうです。

 そのバランスを取るのが難しいのでしょうね。子どもにとっては風邪のウイルスであったとしても高齢者にとっては極めてリスクの高い感染症です。高齢者に対する感染防止対策と、それ以外の感染防止対策とを分けて考える必要があるのでしょう。

 少なくとも弘前の休校措置はSARS-CoV-2の流行の阻止という意味では過剰な対応のように思います。
子ども達はまたゲーム三昧のようです (v_v)


 さて、Withコロナ、新しい生活様式とはどんな生活様式なのでしょう。
皆がマスクして半分顔を隠したままの社会・・・違和感を感じます。
人と人との関係性に問題が生じないものかと危惧しています。


写真は中野もみじ山の近く、浄仙寺の紅葉です。

ファクターX

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 iPS細胞の山中伸弥先生が何故日本でコロナの患者数、死亡者数が少ないかの理由をまだ不明という意味でファクターXと表現しています。
 これまで色々な説が出てきました。日本人の生活習慣説、日本語の発音説、遺伝子説(HLAの違いで感染性が異なる)、免疫説(過去に既に今回の新型コロナに近似したコロナが既に流行し既に免疫を持っていた)などなど。最近、ある京大の先生が言い出したのは新型コロナの遺伝子タイプに病原性の低いK型があり、日本の入国制限措置の遅れがむしろ幸いし、病原性が強い型が流行する前にK型が流行し、それにより集団免疫が出来たという説。

 ファクターXが何なのかはまだ明らかにされてはいませんが、何らかの理由があるのは確実です。それを考慮して、日本における基本再生算数(ウイルスの感染力を示す指数)に基づいて、感染防御対策を進めるべきと考えます。
統計的な解析から休校措置や自粛は意味がなかったという見解も出てきました。緊急事態宣言が出された時点ではそれは明らかではなかったのでしょうが、我々はこの流行を詳細に客観的に分析し、国はそれに沿って次に取るべき施策を考えるべきでしょう。

 果たして保育園や学校での全員マスクが必要なのか?
マスクの有効性は限定的です。子どもは感染しにくく子どもから子どもへの感染は稀です。学校での子どものマスクは不要と考えています。もちろん保育園でも子どものマスクは不要。ましてや赤ちゃんにフェースシールドを付けるなんて・・・気持ちは分かりますが、不要どころか危険です。

 マスコミの不安を増長する報道に煽られ、行き過ぎた対策はむしろ社会にとって不利益をもたらすと考えています。どんな状況で感染を起こすかが分かってきました。それを避ければ、そこへの対策を講ずれば良いと考えています。事態は刻々と変化し、情報は日々更新されます。新しい知識と情報に基づいて臨機応変に予想される事態に対応すべきでしょう。

 さて、ほとんどの学会、研究会が中止になり、日曜日は急患診療所の当番のない限りフリーです。おかげで毎週山に行けていました (^_^)v
写真は八甲田の稜線の高山植物です。チングルマにイワカガミ、井戸岳ではイワウメの群落が崖一面に花を咲かせていました。

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