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ワクチン接種間隔

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10月1日からワクチンの接種間隔が改正されます。

 注射生ワクチンの後、他の注射生ワクチンを接種するときはこれまで通り27日間隔を開ける必要がありますが、それ以外のワクチンについては全て接種間隔の制限がなくなります。

 これまで行政からの指導でワクチンの接種間隔については厳しい制約がありました。例えばMRワクチンなどの生ワクチンの後は4週間後から出ないと他のワクチンを接種することが出来ませんでした。それが大きく変わります。例えばMRワクチンを接種した後、次の日にインフルエンザワクチンを接種するといったことが可能になります。

 ただ今後も注射の生ワクチン同士はこれからも27日間間を開ける必要があります。
また同じワクチンを何回か接種する場合、例えばヒブワクチンの1回目と2回目の間隔はこれまで通り、27日以上の間隔を開ける必要があります。
それぞれのワクチンで接種間隔は異なりますので、その都度スタッフにご相談ください。

With コロナ

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  新型コロナに関して分からないことはまだまだ多いのですが、分かってきたことは沢山あります。まず皆さんに知って欲しいことは新型コロナウイルスを封じ込めることは不可能だと言うことです。それは軽症者や不顕性感染者がとても多いからです。国民全てを検査し感染者を見つけ出し、隔離することは不可能です。
 国は当初から封じ込めは目指して来なかったように見えます。もし中国の武漢のように世界中が強力な国家権力で完璧なロックダウンを行えば封じ込めは可能だったかも知れません。しかし今の日本や欧米ではそれは出来ません。中途半端なロックダウンが功を奏しないのは今の世界をみれば分かることです。僕は日本のクラスター対策を評価しています。出来るだけ市中感染を防ぎ、小規模のクラスターをその都度押さえ込み、長期戦でダラダラとつき合っていくしかないのだと考えています。
 最近、マスコミの報道が少しずつ変わってきたように思います。世間の風潮も変わって来たようです。コロナに慣れたのか不安感危機感が薄らいでいるようです。しかし一気に感染爆発が起こることは避けなければなりませんから、皆がある程度の感染予防対策を取ることは必要でしょう。そのためにはある程度、危険性を強調し、行動の自粛を要請するようなメッセージの出し方もやむを得ないのでしょう。
  ただ、ゼロリスクを求める必要はありません。もちろん高齢者施設では重症化の比率は高いので、ゼロリスクを目指すことは必要でしょう。しかし十把一絡げで日本中が同じ対策を取る必要はないということです。地域ごと、集団ごとの適切な対策を取ることが求められるのだと思います。

  さて、子どもに関してですが、子どもは感染しにくく、感染しても重症化は少ないことが分かっています。もちろん重症化する子も稀にはいますが、それを見逃さず、適切に治療すれば良いのです。子どもが感染するのは主に家族からで、子どもが発端者となって保育園や小学校がクラスターとなることはほとんどありません。子どもの感染者も大人と同様にウイルスを排出するようですが、それでも子ども同士で移し合うことはほとんどありません。従って保育園では極端な感染予防策を取ることは必要ないと考えています。例えば保育園の子ども達全員がマスクを付ける必要はありません。外来で子ども達を観ていると未就学児でマスクを正しく付けている子はとても少ないです。幼児のマスクはあまり意味ないでしょう。家族の感染者の有無に気をつければ良いのです。
  今の青森の状況では保育士も保育中にマスクを付ける必要はないと考えています。日中、子ども達はずっと保育士さんと過ごすわけですから、その保育士さんの顔の下半分が隠れていては、表情を読みとることが難しくなり、子どもの心の発達に大きな影響を及ぼすのではないかと懸念しているのは僕だけではありません。実際、乳幼児が食事でもぐもぐ出来ず、丸呑みしてしまうとか、表情が硬いとか、それをマスクを外したら、もぐもぐ出来るようになり、それまで硬かった子どもの表情が良くなったなどが観察されています。コロナに感染する危険性よりも子どもの心の発達に及ぼす影響の方が大きいと心配しています。

  Withコロナとは良く言ったものです。
今の新型コロナウイルスの病原性は極端に強いものではなく、過度に恐れる必要はありません。専門家は過去の強い病原性を持ったインフルエンザ同様、今の新型コロナウイルスもいずれ弱毒化し風邪のウイルス の一つになるだろうと予想しています。しかしそれにどの位の時間が掛かるかは分かりません。既に弱毒化していると主張している方もいらっしゃいますが、まあそれは話半分で聞いておきましょう。弱毒化するまでは過剰ではない適切な感染予防対策を取り、新型コロナウイルスとつき合っていきましょう。

  最後にもう一つ、感染した人を誹謗中傷してはいけません。感染したことを悔やみ自死された方もいるようです。感染症は誰のみにも起こり得ることです。明日は我が身なのです。


写真は日本海に沈む夕陽です。
なぜ我々は夕陽を綺麗だと思うのでしょう。明日も必ず昇ってくるからだと思いませんか?

感染症の流行の異変

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 写真は先日送られてきた医療系の雑誌の見開きです。今年は様々な感染症が激減しているようです。当院だけでなく、日本中で小児科の患者が激減していると聞きました。雑誌には感染性胃腸炎や夏風邪のヘルパンギーナだけでなく、アデノウイルス感染症やはやり目(流行性角結膜炎)までも減少していました。これも新型コロナウイルス対策のソーシャル・ディスタンシングが功を奏しているのでしょう。

 しかし思うのです。このまま色々な風邪を引かないまま大きくなった時、普通は子どもの時に罹るウイルス感染症に大人になって罹ってしまうとそれは大変なことになりはしないかと。例えば成人が水痘に罹るとかなり症状は重くなります。それと同じように大人になってヘルパンギーナやら手足口病に罹ると辛いだろうなと。若しかすると新型コロナのように重症化するのではないかと心配になるのです。

 保育園や幼稚園で初めて集団生活し、そこで様々な感染症に罹り、そうやって沢山の免疫が出来て、子ども達は風邪を引かなくなります。小児科医も保育士さんも何度も子どもの風邪を貰って、ベテランさんになると次第に風邪を引かなくなります。大抵は子どもの頃に罹った風邪なので軽く済み、再感染しその免疫が強化されるのです。僕はマスクが嫌いでほとんどマスクをせずに診療していましたが滅多に風邪を引きません。インフルエンザにもほとんど罹りません。小児科医はこれまでも別のタイプのコロナウイルスに感染してその免疫があるから新型コロナウイルスにも強いんじゃないかとう話もありますが、まあそれは話半分で聞いておきましょう。

早く有効なワクチンが出来ると良いのですね。

 さすがに今はマスクをして診療していまが、それでも外を歩くときはわざとマスクをしないようにしています。無意味なマスクはしないようにしようとアピールしたくて。
マスク警察に逮捕されるかしら?

新型コロナの疑問

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 幸いCOVID-19の患者者数は減少してきたようです。少し前まで日本もニューヨークやイタリアのようになるのではないかと本気で心配していました。しかしそうはなりませんでした。何故でしょう。外出の自粛は要請されましたが、東京はロックダウンすること無く、平日は沢山の人が電車を使って出勤していました。もちろん夜の繁華街や観光地は人ではほとんどなくなりましたが、それでもその程度の緩い規制だけで欧米のように感染爆発が起こらなかったのは何故でしょう。国が緊急事態宣言を発令した時点で既に東京の感染者数が減少してきていたようです。それは何故でしょう。小児の患者はとても少なく罹ったとしても軽症なのは何故でしょう。様々な疑問が湧き起こります。

 先ず北海道で流行したのは雪まつりで多くの中国人が観光に訪れたためでした。その後の北海道の第2波や大都市を中心とした3月の流行は、その頃の連休の自粛が充分でなかったと言うより、欧米からの多くの帰国者が帰国後発症したのが主な原因だったとの意見もあります。

 最近興味深いレポートを読みました。白血球にも血液型と同じ様な型があります。HLAといいます。その型は数万通りもあり、欧米の人々に多いHLAの型と日本人に多いHLA型とは異なるのですが、そのHLAタイプによって感染性あるいは重症化の違いがあるのではないかというのです。そのHLA型の違いが幸いしたと。実際に色々な疾患でHLAによる有病率の差が報告されています。COVID-19も同じかどうかはこれから検証されることでしょう。もしそうだとすれば日本はとてもラッキーだったということになります。しかしそれが真実だったとしても、感染する方は沢山いますし、高齢者や基礎疾患がある方の重症化率は高く、感染防止対策を取らなくて良いという話しにはならないので誤解しないでください。極端に怖がる必要は無いのではないかということです。
 実際、慎重に対応していても院内感染は起きています。そうかと思えば、同じ家族でも移らなかったりしています。全く新型コロナは感染力が強いんだか弱いんだかよく分かりません。

 今は感染者数は減少しつつありますが、報道のように再び増加に転じたり、第2波、第3波の可能性はあります。完全に終息するまで2、3年掛かると予想している専門家もいます。緊急事態宣言は解除されても当分、気を緩めることは出来ないでしょう。

 写真右はカタクリの花。山の神様からおひたし1回分だけ分けてもらいました。

閉められた大追手門

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 例年より少し早いようですが、弘前の桜はいつもと同じに華やかに咲き始めました。しかし今年は弘前公園(旧弘前城)内には入ることが出来ません。様子を窺いに行ってみると門という門は固く閉ざされ、その前にはバリケードまで張ってあり、更には警備員さんまで立っていました。桜祭りが中止になり、むしろ静かな花見が出来ると思っていたのに中に入れないとは残念です。密集を避けるための措置なのでしょう。あるいは県外からの観光客を排除するための措置なのでしょうか。しかし閉められた門を見るとまるで人の心まで閉ざされているような閉塞感を感じます。胸に重しを乗せられた気持ちになります。

 コロナ禍は大変ですが、必要以上に怖がることはありませんし、だからと言って決して侮ることは出来ません。分からないから不安になります。先ずは正しく理解し、必要な対策を取ることが不安を和らげる一番の方法です。

 どうやらコロナは思ったほどは感染力は強くはなさそうです。そうでなければ一気に流行が拡大するはずです。青森県でも22人の患者が出ましたが、そこで留まっています。疑わしい人の噂も聞きますが、保健所の検査の対象にもなっていないようなので、おそらく軽症のまま治っているのでしょう。今朝のニュースで慶応大学の一般患者の6%でPCR陽性だったとありました。東京では既にコロナは蔓延しているのでしょう。しかし考えてみればそれだけ軽症者が多いということです。
 感染するのはいわゆる3密の条件が揃ったときに起こるようです。家族内感染も増えては来ているようですが、お互いにマスクして、部屋を分け、充分に手洗いすればある程度感染を防げるようです。絶対に避けて欲しい場所だけ行政の補償を付けて休業を命じ、それ以外の場所は通常の感染予防対策を取った上で経済活動を続けた方が良いのではないかと考えています。ハイリスクの人は出来るだけ出歩かない方が良いでしょう。

 連日、感染者数やクラスターの報道がされていますが、同時に経済の崩壊の報道も増えてきました。人は社会性の生き物です。人と人との繋がりの中で初めて生きて行けます。全ての人と人との間で完璧に社会的距離を保とうとすれば、社会は崩壊します。子どもの発達にも多大な影響を与えそうです。

 メルマガにも書きましたが、8割の人は軽症で生き残るわけです。軽症の率はもっと高いかも知れません。自分はハイリスクに入りますが、このコロナ禍の後も世界は続きます。人類はそうして何度も疫病を乗り越えてきました。そう考えると自分の役割はコロナの後の世界が子ども達にとって幸せな世界となるよう今は少しでも行動することではないかと、その礎となることではないかと思い始めていました。

 休校で子ども達が家にいる時間も増えるでしょう。大人も子どももストレスが溜まるかも知れませんね。でも折角ですからこれを親子の絆を強くする良い機会と捉えては如何でしょうか。ハグハグ日記にシリーズで「ことりの森」の保育士さん達に家庭で出来る親子遊びを提案して貰います。覗いてみてください。

新型コロナ情報2

今朝のニュースでWHOの会長さんが「テスト、テスト、テスト」と連呼し、検査の重要性を強調していました。しかし本当にそうでしょうか。先週、新型コロナウイルス感染症について整理して載せましたが、もう少し詳しく書いてみます。

先ず潜伏期間は平均5.2日
PCRの検査が陽性になってから陰性化するまで平均9.5日(最大21日)だそうです。
症状は7日7日7日で変化する。つまり発症するかどうかの目安が7日間。発症して軽症の人が治るか中等症になるかに7日間。更に軽快するか重症化するかで7日間だそうです。
血液検査で当てになる検査項目はない。
ウイルスの排泄は上気道及び糞便。
咽頭より鼻腔の方がウイルス量は多いようです。

基本再生産率は2.2
これは一人の人が何人に感染させるかの値で感染力の指標となります。
インフルエンザとほぼ同等かやや強いくらいでしょうか。因みに麻疹は15と極めて強い感染力があります。
8割の人が他人に感染させていないそうですが、基本再生産率の値も含めて、隔離されていることを考慮する必要があるかもしれません。
家族内接触者の罹患率は12.9%
接触頻度別の罹患率は稀・中等度・しばしばでそれぞれ0.4%・3.0%・14.8%

感染して無症状の人は2割、それを含めて8割が軽症です。
主な症状は発熱と咳嗽。ただし喘鳴の報告は少ない。
鼻汁や鼻閉は少なく、嘔吐や下痢などの消化器症状も少ない。


小児科学会でもコメントを出しました。
現時点においては、小児患者本人にとって検査の有益性は少ない。
・濃厚接触歴、クラスター感染が疑われる場合は検査を推奨。
・原因の特定できない肺炎では周囲の状況等を加味し、総合的に判断。
上記以外の無症状者や軽症者に対する検査は推奨しない。

小児への検査については小児科学会のコメントに賛同します。
ただそのコメントには
「一般小児科診療については診療制限を行うことなく通常通り行うべきである」ともあります。
さて当院の診療をどうすべきか発生状況をみながら検討して行きます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の分かってきたこと

 ついにアメリカまで非常事態宣言を出してしまいました。必要な対策を取ることは重要ですが、どうも過剰反応しているように自分には思えます。
目に見えない、分からないから不安になるのでしょうか。
少しでも冷静になるためには正しい知識を得る必要があります。
既に皆さんもご存じのことと思いますが、これまでに分かってきたことを整理してみました。

1)感染経路と感染予防
  感染経路は接触感染+飛沫感性
  思いのほか接触感染が強い。
  汚染した手で鼻や目を触ってしまい感染する。
  感染防止には手洗いが重要。
  健康な人のマスクの効果は限定的。(町中を歩くだけではマスクは不要)
  風邪を引いている人は周りに広げないためにマスクは必要。
  病院などで対面して患者を診る時はマスクは必要。しかしやはり予防効果は限
  定的。
  人から人への感染力は強くないが、密閉された空間で感染が広がるクラスター
  対策は必要。

2)症状
  ごく普通の風邪症状で始まり、不顕性感染も多い。
  多く(8割)は軽症ですむ。
  高血圧や糖尿病など基礎疾患のある高齢者が重症化しやすい。
  新型コロナウイルスは肺への侵襲が強い。
  しかし肺炎になっても軽症から重症までいろいろ
  子どもは感染しにくく(これは疑問)、ほとんど重症化しない。

3)診断
  今の所、確定診断はPCRだが必ずしも感度は高くなく、疑陰性がある。
  もし迅速試験が出来て一般の医療機関で新型コロナの検査が出来るように
  なっても治療薬のない現時点においては、不安だからと受診して検査する
  意味はない。
  他国では医療機関に患者が殺到し、逆にそれが流行を拡大してしまった可
  能性が高い。

3)治療
  今の所、有効な治療薬はない。
  重症化しても人工呼吸器や人工心肺装置(ECMO)で助かる例も多い。
  多くは対症療法で自らの免疫力で治る。
  軽症患者は対症療法、自宅安静で充分。
  しかし呼吸困難などの重症化の兆しがあれば直ぐに受診する必要がある。


 案の定、封じ込めは無理のようです。
ワクチンの開発には少なくとも半年は掛かります。それまでは爆発的な流行とならないような取り組みが必要でしょう。
最も大切なことは医療崩壊を防ぐことであり、そのためには各人が冷静に対応することが大切です。

事故を防ぐには

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 大津市で直進車が右折車とぶつかって、園児の列に突っ込む痛ましい事故がありました。通行人が犠牲とならなくても右折車と直進車との事故は少なくないそうです。この事故は単なる不運でしょうか。ただの運転手の過失でしょうか。事故の原因には個人の過失によるものと交通システムに起因するものとがあると思います。個人の過失はある程度は発生してしまいます。いくら交通標語を作っても、いくらテレビで注意を促してもなくなりません。それは人間そのものの性とうものでしょう。交通システムに起因する事故であれば事故を減らせる可能性はありそうです。

 この事故の原因は運転手だけでなく、交差点のシステムそのものにも原因がありそうです。右折の矢印の信号が付いていない交差点では右折車は対向車が途切れる間を図って右折しなければなりません。右折信号の付いている交差点でもその時間は短く、皆焦って無理に右折しようとしています。
 3年前に学会でイギリスのエジンバラに行った時、郊外を車で走っているとよくラウンドアバウトというシステムの交差点がありました。去年、学会で旭川に行った時に同じようなラウンドアバウトがあって懐かしく思いました。これは信号機があって厳密なラウンドアバウトと言って良いかどうかよく分かりませんが、交差点の真ん中に大きなサークルがあり、車はそのサークルを回りながら自分の行きたい方向の道へと進みます。ですから直進車も必ずサークルを回って、直進方向の道へと進む訳です。これで交差点を通過する直進車のスピードは抑えられます。

 事故を減らすには個々人の注意は必要ですが、それだけでは事後は減りません。システムそのものの改革が必要と考えます。

ぼくはここにいる

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長崎の童話館のKさんから一冊の本が届きました。
「ぼくはここにいる」
20年前に書かれた児童書の復刻版です。
主人公のボクはイジメを受けて悩み、高層マンションの屋上へ上ります。高いフェンスを乗り越え、飛び降りようとしたその時、「お命、預からしてもらいます」と関西弁を話すホシが現れます。ホシとの様々なやりとりを通してボクの心は救われます。ホシが残した最後のメッセージが「ぼくはここにいる」でした。そう心の中で叫んでくれればいつでも君の前に現れるよと。

子ども達は皆、僕はここにいると叫んでいます。
しかしそれを言葉にできず、態度で示す子がいます。
お利口さんを装ったり、
わざとイタズラしたり、暴れたり、
叱られてでも自分を見て欲しい。

「ぼくはここにいる」

全ての大人がホシのように、その声が聞こえるようになることを願います。
子ども達だけでなく、お父さんお母さんにも読んで欲しい一冊です。
外来の本棚に乗せておきます。

小児抗菌薬適正使用支援加算

 今日のタイトルはこの4月から3歳未満の乳幼児で新たに認められた保険点数の項目です。点数は80点。保険点数は1点が10円になりますから、この加算を請求すると1件当たり800円の収益になります。これは乳幼児が風邪や下痢などで小児科を受診し、抗生物質を使用する必要がないと診断、それを説明した場合に初診に限り算定されるものです。国は不要の抗生剤使用を抑制し、医療費の増大を少しでも抑えようとしているものと思われます。あるいは掛かり付け医制度を推進するためかも知れません。(その制度の下では6歳まで算定可能になります)

 当院ではもう10年以上も前から抗生剤の適正使用、つまり不要の抗生剤を使わないことを心掛けてきました。取り組みを始めた最初の頃は患者さんが納得してくれるかどうかが不安で、言い訳のように抗生剤が不要の理由を詳しく説明していました。しかし最近は抗生剤を使わないことが当たり前になって、使う必要があるときにだけ説明するスタイルに変わってきました。
 さて今回の措置、何をか言わんやという感じで、何だがモヤモヤが晴れません。自分にとって当たり前のことをしているだけでお金をもらえるなんてちょっと変と思うのです。最近は、少なくとも小児科医は抗生剤の適正使用を心掛ける人が増えてきたように思います。しかしまだまだ不必要な抗生剤処方例を多く見かけます。適正な抗生剤投与を心掛けることは子どもの体にとっても好ましいことなのですが、しかしそれがお上の指導でなければ、それも金銭的な目先の利益がなければ進まないなんて情けないなと思うのです。むしろそれで抗生剤が本当に必要な時に使わず手遅れになることが出てきやしないかと心配になったりもします。

 古いカルテを見返すと、自分も随分と不適切な抗生剤処方をしていました。見ていて恥ずかしくなります。何が必要で何が不要かを考えて診療しているとどんどんお薬の数が減ってきました。ちょっと薬屋さんには申し訳なく思っていました。 (^_^;

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