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小児抗菌薬適正使用支援加算

 今日のタイトルはこの4月から3歳未満の乳幼児で新たに認められた保険点数の項目です。点数は80点。保険点数は1点が10円になりますから、この加算を請求すると1件当たり800円の収益になります。これは乳幼児が風邪や下痢などで小児科を受診し、抗生物質を使用する必要がないと診断、それを説明した場合に初診に限り算定されるものです。国は不要の抗生剤使用を抑制し、医療費の増大を少しでも抑えようとしているものと思われます。あるいは掛かり付け医制度を推進するためかも知れません。(その制度の下では6歳まで算定可能になります)

 当院ではもう10年以上も前から抗生剤の適正使用、つまり不要の抗生剤を使わないことを心掛けてきました。取り組みを始めた最初の頃は患者さんが納得してくれるかどうかが不安で、言い訳のように抗生剤が不要の理由を詳しく説明していました。しかし最近は抗生剤を使わないことが当たり前になって、使う必要があるときにだけ説明するスタイルに変わってきました。
 さて今回の措置、何をか言わんやという感じで、何だがモヤモヤが晴れません。自分にとって当たり前のことをしているだけでお金をもらえるなんてちょっと変と思うのです。最近は、少なくとも小児科医は抗生剤の適正使用を心掛ける人が増えてきたように思います。しかしまだまだ不必要な抗生剤処方例を多く見かけます。適正な抗生剤投与を心掛けることは子どもの体にとっても好ましいことなのですが、しかしそれがお上の指導でなければ、それも金銭的な目先の利益がなければ進まないなんて情けないなと思うのです。むしろそれで抗生剤が本当に必要な時に使わず手遅れになることが出てきやしないかと心配になったりもします。

 古いカルテを見返すと、自分も随分と不適切な抗生剤処方をしていました。見ていて恥ずかしくなります。何が必要で何が不要かを考えて診療しているとどんどんお薬の数が減ってきました。ちょっと薬屋さんには申し訳なく思っていました。 (^_^;