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子どもへの新型コロナワクチン

 まだまだ新型コロナの感染者は多く、東京では再び非常事態宣言が出されました。それでも新型コロナワクチンの接種が進み、少しずつ変わってきたように思います。医療機関や高齢者施設でのクラスターはめっきり少なくなりました。ワクチンの供給に不安はありますが、8月からは若い世代での接種が始まります。しかし新しいワクチンと言うことで不安に思われる方も少なくないようです。そこで今回は子どもへの新型コロナワクチンについて考えたいと思います。

 今、日本で接種されている新型コロナワクチンは皆さんご存じのようにmRNAワクチンです。それは自分が学んできたものとは全く異なる方法で、そして驚くほどの早さで作られました。しかもその有効性は俄には信じ難いほどの高いものでした。
 新しいワクチン技術ということですが、実は随分前から研究されていたようです。それがこの2、3年で急速し発展し、丁度このパンデミックのタイミングで世に出てきたのです。
ファイザーやモデルナ社製のワクチンはmRNAワクチンですが、他にもDNAワクチン、ベクターワクチンなどが開発されており、それぞれ従来の機序とは全く異なる新しいメカニズムで免疫を作らせるものです。
 新しいワクチンということで、慎重な意見も有ります。反ワクチン派の科学的な根拠のない否定的な意見も散見されます。接種部位の疼痛や悪寒発熱といった副反応はありますが、それはどのワクチンでもあるものです。長期的な副反応については確実なことは分かっていませんが、今の所、その心配はなさそうです。しかし副反応についてはこれからも注意深く観察する必要はあるでしょう。

 元々、ワクチンにせよ、医薬品にせよ、それを使用するかしないかはメリットとデメリットとを天秤に掛けて判断するものです。そこをよく考えて接種するかどうかを決めるべきでしょう。

 世界各国で若い世代の接種が進まないことが問題になっています。若い世代の人は感染したとしても軽症ですむことが多く、副反応を考えると接種を躊躇う人も少なくないのでしょう。しかし若い世代でも重症化することはあり、後遺症で悩む人も少なくありません。また自分が感染源になり、周りに広めてしまうリスクも考える必要があるでしょう。

 さて、子どもへの新型コロナワクチン接種ですが、子どもは感染しにくく、感染しても無症状のことが多いと言われています。そして感染するのは大部分が家族内感染です。家族が予防することで子どもを守ることが必要です。しかし感染しにくいというのは小学校低学年以下のことです。中学生、高校生以上は逆に家族内感染は少なくなり、大人と同じに考えて良いでしょう。

Know VPDの会が「子どもの新型コロナワクチン接種の考え方」をHPにアップしました。記事の一部を載せます。

感染したときのリスクvs接種したときのリスクで考える
 どうしても判断に迷う場合は、新型コロナウイルス感染症にかかった場合とワクチン接種で副反応が出た場合を比べてみましょう。リスクvsリスク、例えば「感染すると無症状でも隔離」と「接種後の副反応は翌日をピークに減少」を考えたとき、どちらになりたくない、どちらを回避したいと感じますか。

[感染によるリスク]
※ワクチン接種でこれらのリスクはほとんどなくなる
・軽症や無症状でも隔離が必要 
・隔離による予定の変更やキャンセル
・周囲へ感染を拡げるリスク
・まれに重症になるリスクがある
・日本では実態はよくわかっていないが、何らかの症状が持続するかもしれない

[ワクチン接種のリスク]
※局所反応や全身反応は接種翌日をピークに、1週間ほどで改善
・接種後の接種部位の痛みや腫れなどの局所反応
・接種後の全身倦怠感、頭痛、発熱などの全身反応
・接種後のアナフィラキシー、心筋炎・心膜炎 ➡ 非常にまれ 
・長期的な副反応 ➡ 現在のところ懸念されていない

 日本の国民はワクチンに対し、大きな警戒感を持っているようです。それはマスコミの影響が大きいのだろうと思っています。
子宮頸がんワクチンでマスコミが否定的な報道を展開し、ワクチンは危険なものだとの風潮が広まりました。ワクチンをバッシングする世論が生まれ、それに押され国も勧奨接種を中止した経緯があります。しかしワクチンを受けられずに、不幸にして子宮頸がんに罹患し、亡くなってしまった女性に誰がどう責任を持つのだろうと残念に思いました。

いずれにせよ、非科学的な流言飛語に惑わされることなく、ご自分で冷静に判断していただきたいと思っています。