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バケモノの子

 テレビの金曜ロードショウで細田守監督のアニメ、バケモノの子を観ていました。(と言っても夜遅いので録画し次の日の朝に観たのですが)
このアニメのテーマは父子の絆なのでしょうが、もう一つのテーマは人が抱える心の闇かなと思いました。主人公の九太とそのライバル?一郎彦は共に心に闇を抱えています。九太はその闇に飲み込まれることなく乗り越えることが出来ますが、一郎彦は闇に飲み込まれてしまいます。二人とも過去に母子分離の経験がありました。ただ、その後の育ちに違いがありました。その違いが二人の強さの差を作ったのでした。九太のガールフレンドに「私たちは誰でも皆、心に不安を抱えて生きているの」という台詞がありました。不安は子どもが生まれ落ちた瞬間から周囲との関係性の中で生じ、その不安が心を傷つけます。その傷が心の闇を生み出します。

 日曜日の夜、NHKでサイエンスZERO「子どもの脳を守る〜傷ついた脳の修復には〜」というタイトルの番組が放送されました。
福井大学の友田明美先生が不適切な養育(マルトリートメント)の積み重ねが脳を傷つけ、愛着障害を引き起こすと説明されていました。しかしその後の関わり方次第で傷ついた脳を修復させることができるとも解説されていました。
「心を込めた抱っこ」で心を癒やし、「ボールを使ったやり取り遊び」で相手の意図を読みとり、投げられたボールをキャッチするという脳と身体をシンクロさせた作業で神経細胞が新生されると言います。心の傷は決して傷ついたままではなく、癒やすことが出来るのです。

 そして、その番組の最後に僕の敬愛する渡辺久子先生が、
「絵に描いたような仲の良い夫婦や、家族関係はまずない。どの家でも多かれ少なかれ色々な問題はある。失敗だらけで良いと思う。ボロを出せる社会を作ることが大切」と熱く語られていました。

我々の作業はその傷付いた脳を親子で修復する過程をサポートすることだと考えています。