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滑液包炎と五苓散

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 メルマガには書いたのですが、3週間前の木曜日に突然左肘が痛み出し、その夜の悪寒倦怠感と全身の関節痛。そして次の朝には僕の左肘は大きく腫れて、蜂窩織炎と診断しました。焦って抗生剤の点滴と内服、患部をクーリングし痛みは1週間程で軽快しました。しかしその後も浮腫が取れず、皮膚科の先生に相談したところ、消炎剤が良いというアドバイス。そこでロキソニンをしばらく飲んで浮腫は治まりました。ところが今度は左肘の関節周囲にボヨ〜ンと柔らかな腫瘤が出来てしまったのです。超音波で見てみると、厚めの皮に覆われた囊胞がありました。中身は水(漿液)のようです。これは困ったと、また皮膚科の先生に診てもらいました。診断は滑液包炎。ネットで調べると、長時間肘をついたり、細菌感染が原因となることがあるようです。今回は蜂窩織炎が原因でしょう。しかし待てよ・・・ひょっとして毎日プランク・エクササイズをやっていたからそれが原因かも。椎間板ヘルニアの治療として春からずっとやっていたのですが、まさかね。

 さて、その滑液包炎の治療ですが、皮膚科の先生は自然に引けるのを待っていても良いのではと言っていました。でも試しに五苓散を飲んでみることにしました。そうすると一日で囊胞が少し小さくなった気がします。これは良さそうです。
 五苓散は嘔吐下痢症でよく使います。喉が渇くけど、飲むと吐くといった症状の時、最も有効です。その元々の薬理作用は体内の水をコントロールすることです。頭がむくんでの頭痛や、足の浮腫にも有効です。漢方薬というと、長く飲んでゆっくり効く薬と思われがちですが、小児科でよく使う漢方薬は即効性のものが多いのです。五苓散はその効果を実感できる優れたお薬の一つです。


プランク・エクササイズ
 床にうつぶせに寝て、体を真っ直ぐにし、立てた肘とつま先とで体を支えるエクササイズです。インナーマッスルのトレーニングとして、ヘルニアで受診した整形の先生に勧められました。それを朝夕、3分ずつやっていました。ウエストのサイズダウンに効果的。腰のくびれも出来るそうですよ (^_^)v

4つのS

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日曜日、FOUR WINDSのセミナーに参加してきました。
今回は渡辺久子先生の講義。
今日のタイトルはその講義の中で出てきた日本文化の特徴を言い表した4つのキーワードの頭文字です。
それは
Simple 簡素で
Small 小さく
Slow ゆったりと
Silent 静寂な文化

確かに日本の文化は慎み深く質素、それでいて緻密です。絢爛豪華なものは少ない。しかしその4つのSはSustainable(継続可能な)もの。煌びやかに着飾るものより続けることが容易なものです。そしてそれは子育てにも当てはまります。
子どもは「甘えと遊び」で育ちます。高額な玩具などなくても、子ども達は工夫して自分で遊びを作り出します。穏やかで思いやりのある環境で見守られ、のびのびと遊ぶことで子どもの心は健やかに育ちます。

 先日、テレビのニュースで、ある自治体が夏休みを10日に短縮することを決めたとありました。理由は英語の授業時間の確保と、1日の授業数を削減し、教員の繁忙を解消するため。それに対しての保護者の反対意見は夏休みに部活に出られなくなる・・・
う〜ん、どっちもどっちだ。
自分が子どもの頃、夏休みはのびのびと自由に遊んでいました。友達と遊んだり、家族でキャンプに行ったり。遊びを通して子どもは色んな事を学んで行きます。友達と遊ぶことで社会性も育ちます。
さて、今の子ども達はのびのびと遊ぶことが出来ているでしょうか。

外来で真っ黒に日焼けした子どもを見るとほっとします。
「先生より黒いね。先生、負けた。お外で一杯遊んでいるんだね。」
「今日ね、これからザリガニを捕りに行くんだよ」
津軽の子ども達はまだまだ健全なようです \(^O^)/

次の世代に伝えたいこと

 FM青森の番組に出始めて、もう15年以上になります。これまで様々な話題をお話ししてきましたが、最近は病気の話しはせずに育児関係や子どもの心をテーマにしてお話ししています。
今週の火曜日の夜に次回の放送分を収録しました。
今回のテーマは「次の世代に伝えたいこと」
これは赤平が言い出したテーマです。丁度、彼女が先週と今週、大学で学生相手に講義してきたので思いついたテーマでした。自分も還暦を過ぎ、元気で仕事出来るのもそう長くはありません。この先、自分が学べることにも限りがあります。自分に残された時間はそう長くない、そう思ったとき、残る手段は次の世代に思いを託すことです。
 さて、放送時間は限られていますが、少しは話せたかな。僕の思いが聴取者に伝わってくれると嬉しいのですが・・・。
しかし話し下手で言葉足らずだからなあ (^_^;

 自分で自分の放送を聞く気はしませんが、もし聞いた人に出会ったら、感想を聴いてみたいと思っています。

海の向こうに

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 自分の出生地は富山県高岡市です。両親の出身は隣の氷見市で、ブリ漁で有名な港街です。親が転勤族だったので、1歳の誕生日を迎える前に島根県に引っ越していますから、生まれた街の記憶は全くありません。両親の故郷の氷見は今も沢山の親戚が居て、自分も何度か行っています。特に学生時代、北アルプスを登った帰りによく寄ったものでした。しかし卒業してからは滅多に行くことはなく、最後に行ったのは叔母が亡くなった7年前でした。
 今年の小児科医会フォーラムが富山市で開催され、丁度良い機会と氷見の母の実家の、天理教の協会へ行ってきました。氷見で暮らしたことはないのですが、その街並みは自分にはどこか懐かしく思え、もしかすると意識下の表象世界に氷見があるのではないかと思うのです。そこで生まれ、赤ん坊時代を過ごしている訳ですから、それは当然かもしれません。

 さて、氷見はブリだけでなく、海の向こうに立山連峰を望む美しい景色でも知られています。例年だとこの季節、ほとんど山を望むことは出来ないのですが、どういう分けか今年は山が見える日が多いそうです。朝、教会の裏の朝日山公園に登ると、前日の雨が上がり、立山連峰が見えていました(写真左)。昼にはすっきりと晴れ上がり、富山市内の環水公園からは学生時代に登った剱、立山の懐かしい峰峰を美しく望むことが出来ました(写真右)。
左の険しい山が剱岳、真ん中が立山、氷見からの写真で右のなだらかな山が薬師岳です。

ネットで氷見と立山連峰で検索すると美しい写真が沢山出てきますよ。

夏の休診の理由

 去年の4月から始めた「こどもの子心相談室」も早、1年が過ぎました。今15ヶ月目です。当初、乳幼児の相談をメインで考えていましたが、今は小学校高学年、中、高校生の発達障害や不登校がほとんどの思春期外来となっています。思春期に入り様々な問題が起きないように乳幼児期から予防的に関わりたいと考えていたのですが、なかなかそうは思い通りに行きません。

 先日、児童精神科の杉山先生の本を読んでいて、成人ばかり見てきた精神科医は「経験豊かな児童精神科医の臨床陪席が必要」と書いてあるのを見付けました。自分は乳幼児は随分と勉強してきましたが、「思春期の子ども達を診るにはまだ未熟ではないのか。」日頃からそう思っていた自分にはその言葉にはっとさせられました。「やはり自分も児童精神科医の実際の臨床に陪席し、学び直そう。」そう思い始めると居ても立ってもいられず、友人の精神科医にメールしていました。「1週間、勉強させてくれ」と。返事はもちろんOK。そんな訳で8月の初めの1週間を休診にし、広島に行って勉強してきます。
またまた我が儘な還暦小児科医の行動をお許しください。

しかし今から緊張している自分に気付いていました。

ビデオフィルム

 秋に結婚の披露宴を予定している息子が、会場で自分の子どもの頃のビデオを上映するかも知れないというので、昔撮りためた8mmのビデオフィルムをカメラのキタムラに頼んでDVDにしてもらいました。自分でDVDにダビングするにはその機材がありませんでしたし、何より量が膨大でした。フィルムの数にして60本以上!撮影した日はその数倍。ずっと本棚の一画を占領していました。
 以前、友人が自分で8mmをDVDにダビングしたというのを聞いて、自分は未来指向型の人間で過去のフィルムを見返すつもりはない、DVDにダビングするつもりもない、なんて言っていたのですが、息子の頼みとなればそうも行きません。ダビングし、30年近く前のフィルムを何本か見返しました。そこにはまだ小さい子ども達の姿と若い自分や奥さん、おそらく今の自分と同じ位の年の父母が懐かしく映っていました。自宅のある青山は当時造成途中で家の周囲はまだ原っぱ。植えられたばかりの宮園公園の木々もまだ小さく、我が家の鯉のぼりが大きく見えました。30年という月日は自分の中では連続した時の流れで気が付かなかったのですが、その長さを今更に痛感させられました。

 以前、ある講演会で子ども達が小さいうちに沢山写真を撮っておくと良い。そうして大きくなって子どもが反抗し、この野郎と思うことがあった時、小さく可愛かった頃の我が子の写真を見返すと良い、なんて講師の先生が言っていましたが、確かにそれも良いかもと思いました。皆さんも可愛い子どもの写真や動画を沢山残して多くと良いですよ。

八甲田レポート:パンダ出現

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 先々週、整形外科を受診したところ、腰のヘルニアはもうほとんど良くなっている。おそらく飛び出した椎間板に膜が張り、吸収過程に入っているだろう。どんな運動もOKと太鼓判を押され、快晴の日曜日、早速八甲田へと出掛けました。
 今年の山は雪の積もり初めるのは遅かったのですが、例年より積雪が多かったのでしょうか。それとも春先の低温の影響で雪解けが遅れているのでしょうか。まだ残雪多く、何の花も咲いていませんでした。しかし新緑は清々しく、久し振りの山を満喫してきました。

 以前、このブログで雪形の話しを書いたことがありますが、今回は田茂谷地岳の斜面にシロクマを見付けました。この写真を赤平に見せたらパンダがいると言います。パンダ〜?というと「ほら、ここが耳でここが目。そしてここが腕」なるほど確かにパンダです。皆さん、分かりますか?

赤ちゃんとビタミンD

 先日のたけしの「みんなの家庭の医学」をご覧になった方も多いのではないでしょうか。帰宅し、たまたまテレビを付けたらその番組が入りました。老化防止がテーマでビタミンDの話題が取り上げられていました。実は最近、医学会でもこのビタミンD が色々と話題となっているのです。単なる骨を丈夫にするビタミンと言うだけでなく、免疫やアレルギー、癌予防などとの関連が研究されているのです。

 今回、この「院長のひとこと」で取り上げようと思ったのは、赤ちゃんとビタミンDの関連です。番組ではビタミンDを多く含む食材として魚、特に鮭、イクラ、そしてキノコが紹介されていました。しかし赤ちゃんの主食は母乳やミルクです。ミルクにはビタミンDが添加されていますが、実は母乳中にビタミンDは含まれていないのです。従って母乳育児の赤ちゃんはビタミンDを自分で作る他ないのですが、それには紫外線が必要です。近年、紫外線の有害性ばかりが強調されていますが、ある程度の紫外線は必要ということです。しかし東北地方、特に日本海側の冬は天候が悪く、お日様は出てきません。寒くて外に出ることも少ないので、赤ちゃんはどうしてもビタミンDが不足してしまいます。欧米ではサプリメントとして赤ちゃんにビタミンDを摂らせることが推奨されているそうですが、日本ではまだ一般的ではありません。それでも最近ようやく、赤ちゃん用のサプリメントが日本でも手に入るようになりました。
http://babyd.jintan.jp
クリニックでも主に始めて受診する赤ちゃんにそのサンプルを見せて紹介していました。

 番組ではビタミンDと記憶力の話題も取り上げられていて、同じくその番組を観た看護師のSは「先生、私にください」と2つあったサンプルの1つを持って行ってしまいました。僕も物忘れが酷くて、サプリを飲んだ方が良いのかも知れません。鮭やイクラを沢山食べるのは血圧が塩分過多で血圧が亜雅あってしまいそうですから (^_^;

津軽鉄道

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 GW初めの日曜日、前日につがる小児科医の会で講演してもらった福島のS先生を案内して津軽鉄道に乗って金木まで行ってきました。彼は太宰のファンで、津軽鉄道に乗って斜陽館へ行くのが目的でした。さて、その津軽鉄道、20年前には五所川原にも住んでいたというのにこれまで一度も乗ったことがなく、今回が始めてでした。もちろん今は夏ですからストーブ列車ではありません。車内はおそらく経費削減の努力の成果なのでしょう、紙で作った沢山のお花が飾られていました。むしろ安っぽい造花よりも良いかもしれません。駅の窓口で紙の切符を買って、それに鋏を入れてもらって電車に乗り込む。懐かしいな〜!最近はどこでもほとんど自動改札機だものなあ〜

 GW後半の3日憲法記念日、バイクで十三湖へしじみラーメンを食べに行ってきました。北から望む岩木山は正に秀麗な山容でしたし、津軽半島を横断し陸奥湾岸から望んだ海の向こうの八甲田も美しかった。しかしカメラもスマホも忘れてしまい、どちらも写すことが出来ませんでした。
残念 (v_v)

皆さんはどんなGWをお過ごしですか?

写真は金木駅で撮った走れメロス号と岩木山。ちょっとだけ撮り鉄気分になっていました。

ボツリヌス菌と腸内細菌

 先日、ボツリヌス症で亡くなった赤ちゃんのニュースがありました。乳児に蜂蜜を食べさせてはいけないということを知らなかった若いお母さんだったようです。このニュースで赤ちゃんに蜂蜜をあげてはいけない理由がボツリヌス菌だと再確認した方もいらっしゃるのではないでしょうか。では何故、赤ちゃんにはダメで大人だと良いのか。それは蜂蜜の中に高率に存在するボツリヌス菌の芽胞が赤ちゃんの腸内で発芽し、神経毒を産生する。それが麻痺を起こし、呼吸できなくなり亡くなってしまうのです。なぜ赤ちゃんの腸内だと発芽して大人だと発芽しないのかというと、大人では腸の中の細菌叢が発芽を阻止するのだそうです。つまり多様な細菌の存在が発芽を邪魔するのですが、乳児ではその細菌叢が確立していないためボツリヌス菌の芽胞が発芽してしまうのです。

 その腸内細菌の役割について最近いろいろと話題になっています。病原菌の繁殖を抑えるだけでなく、幾つかのビタミンを生成したり、免疫に関与したり。母乳栄養児では腸内細菌は善玉菌の代表であるビフィズス菌が主流となりますが、人口栄養児の腸内細菌は複雑で悪玉菌も存在します。母乳栄養児の方が感染性胃腸炎や風邪に罹る率も少ないことが知られています。逆に乳児への抗生剤の投与はその腸内細菌叢に悪影響を与えます。腸内細菌とアレルギー疾患との関連も示唆されています。

 ボツリヌス症を起こすのは乳児期だけでなく、抗生剤を大量に投与されたときもその危険性が高まるそうです。腸内細菌叢、今流行りの言葉で言えば腸内フローラ。健康を保つには腸の健康も重要。そのためにも赤ちゃんに不要の抗生剤は避けたいものです。