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岩木山二景

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 水田に張られた水がお山を映し綺麗です。新緑も日に日に濃くなり、花壇の花も賑やかで一年で一番華やかな季節ですね。

 横浜町の菜の花も見事ですが、鰺ヶ沢の菜の花も岩木山を背景にして正に絶景です。ここの菜の花、今は随分と知られるようになりましたが、20年ほど前はあまり知る人はいませんでした。師長の赤平がこれと同じ構図のポスターを見て、これは何処?と僕に聞いていきました。僕も知らなかったのですが、岩木山の形を見て、北側だろうと教えました。彼女はその情報だけを頼りに車で探し回り、あびた牧場周辺の菜の花を探し当てたのでした。それ以来、毎年僕もこの菜の花を見に出掛けています。牧場のソフトクリームも美味しいですよね。

岩木山レポート:残雪

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 先の日曜日、おそらく遅いだろうとは思っていましたが、カタクリの花を期待して岩木山へ向いました。例年だと丁度この時期なのですが、やはり今年は早かったようで、カタクリは既に萎れ、変わってスミレの群生が綺麗でした。5合目から上はまだ雪が多く、登山道も雪に覆われています。この季節の登山は慣れた人でないと道に迷うかも知れません。全部が雪に覆われていれば何処でも登れるのですが、下手に雪の上にルートを取ると、藪漕ぎを強いられる事になります。天気は午後から崩れるとの予報で登山客はほとんどいませんでした。
 2週続けて登って、心肺機能は大分調子よくなりましたが、どうもまた膝を痛めてしまったようです。来週は休養して膝の回復を待ってまた登るつもりです。夏山のためのトレーニングには山を登ることが一番です。

写真はおそらくタチツボスミレ。スミレは種類が多くて難しいです。

ギリシャの格言

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汝、己を振り返ることなく、相手を知ることは不可

 GWの初め、東京でのFOUR WINDSの幹事会で渡辺久子先生がギリシャのことわざとして紹介されていました。おそらくギリシャのアポロン宮殿の「汝自身を知れ」という有名な碑文を解釈したものでしょう。その短い碑文の解釈は様々あるようですが、僕は久子先生の解釈に納得が行きました。子ども達を診ていて、特に心の相談で来る子ども達と接していて、自分自身の感情にも変化が起こります。その自分の変化に気付くことなく診療することは危険でもあります。例えば子ども達が心を許してくれないとき、その原因は子ども側ではなく、自分自身にもあるかも知れないのです。相手を知るには自分自身を振り返りつつ、今の自分を俯瞰的に見詰めるところから始める必要があるのです。

 さて、写真は岳の湯段温泉の桜並木。今年の桜ももう終わりましたが、15年ほど前に同じ構図でこの桜並木の写真をアップしました。当時はこの並木の存在を知る人はほとんどいませんでした。それが桜も大きくなり、随分と知名度も上がったようです。見物客がたくさん来ていましたよ。

岩木山レポート:山への憧憬

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良く晴れた日曜日、お城の桜は満開だったようですが、今を逃すと来年までないとボードを担いで岩木山を目指しました。荷物を背負っているとは言え、百沢の登山口から山頂まで4時間も掛かってしまいました。学生時代は空荷で2時間、2年前でも3時間余で登っていましたから、この2年でガクッとペースが落ちてしまいました。まあ最近はほとんど山を登っていないので体力が落ちるのも無理もありません。年相応のペースでしょうか。水分摂取にも失敗して山頂に着く頃には脱水で吐き気とめまいまでする始末。少し休んだくらいでは回復しませんでした。喉が渇く前に意識して水分を摂る必要があるのですが、情けないの一言です。

僕の特性か4、5年に一度は無性に山へ行きたくなるようで、前に北アルプスを縦走したのは2013年の8月でした。その前は2008年のマッターホルン。そして今年の夏、南アルプスの縦走を計画しています。実は去年行くつもりだったのですが、腰のヘルニアで断念し、2年越しの計画となりました。8月初めの1週間、北岳から赤石岳まで5泊で縦走するつもりです。もう3、4日あると全山縦走可能ですがそれは諦めました。しかしたかだか10kg程の荷物を担いだだけの4時間の登山でバテているようでは先が思いやられます。年々体力が落ちるのが分かります。夏まで精進して体を鍛え直すつもりですが、それでも65歳で南米アコンカグアを登るのは難しいかなあ〜。

Diversity and Inclusion

 土曜日、小児科学会青森地方会の特別講演の講師は慶応大学小児科の教授でした。「Diversity and Inclusion」はその講演の中で出てきたフレーズです。講演のタイトルは「ヒトには6つの性がある(副題)」、ちょっと変わったタイトルです。その内容は、性を定義するには6つある。つまり染色体の性、性腺の性、内性器の性、外性器の性、gender identity、法律の性の6つの性。そしてそのそれぞれの性にDivercityつまり多様性がある。性を規定する染色体はXとYです。XYが男性、XXが女性。しかし1つの個体でXYとXXの両方の遺伝子が存在することがあるのだそうです。性腺にしても体の中に精巣と卵巣と両方を持つ人がいる。外性器にしても男性器と女性器の区別が難しいことがあることは知っていました。Gender identityに至っては極めて多様で、米国でFace Bookのアカウントを取得するときにはその性を選ぶのに〈男性・女性・その他〉があり、その他で60種類以上もの性を選択できるのだそうです。LGBT、元男性で今は女性とか、その逆、あるいは女性と男性のどちらでもないとか。それにしても60種類以上とは! 欧米社会はその性の多様性を受け入れている(include)が日本はまだまだ遅れているそうです。講演ではFace Bookをその例の1つとして出されました。
 Inclusionを一言で正確に訳す日本語の名詞はないようです。動詞のincludeは含まことを受け入れる、包み込むという意味でしょうか。

Diversity and Inclusion
 今社会は多様性を受入れ、共生して行くことが求められています。教育界ではインクルーシブ(inclusive)教育が提唱され、既にその実現に向かって動き出しています。性だけでなく、様々な障害を障害ではなく多様性と定義して、それを包み込む(include)必要があります。例えば発達障害はヒトの認知機能や性格の多様性ということですから共存は必然のことです。異質なものを排除する思想はあってはなりません。
インクルーシブ社会、世の中は確実にそこへ向かっているようです。

 慶応の先生だけあって話しはテンポ良く、あっという間の1時間でした。出身が同じ弘前大学と聞いて少し誇らしく思えました (^_^)v

ぼくはここにいる

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長崎の童話館のKさんから一冊の本が届きました。
「ぼくはここにいる」
20年前に書かれた児童書の復刻版です。
主人公のボクはイジメを受けて悩み、高層マンションの屋上へ上ります。高いフェンスを乗り越え、飛び降りようとしたその時、「お命、預からしてもらいます」と関西弁を話すホシが現れます。ホシとの様々なやりとりを通してボクの心は救われます。ホシが残した最後のメッセージが「ぼくはここにいる」でした。そう心の中で叫んでくれればいつでも君の前に現れるよと。

子ども達は皆、僕はここにいると叫んでいます。
しかしそれを言葉にできず、態度で示す子がいます。
お利口さんを装ったり、
わざとイタズラしたり、暴れたり、
叱られてでも自分を見て欲しい。

「ぼくはここにいる」

全ての大人がホシのように、その声が聞こえるようになることを願います。
子ども達だけでなく、お父さんお母さんにも読んで欲しい一冊です。
外来の本棚に乗せておきます。

小児抗菌薬適正使用支援加算

 今日のタイトルはこの4月から3歳未満の乳幼児で新たに認められた保険点数の項目です。点数は80点。保険点数は1点が10円になりますから、この加算を請求すると1件当たり800円の収益になります。これは乳幼児が風邪や下痢などで小児科を受診し、抗生物質を使用する必要がないと診断、それを説明した場合に初診に限り算定されるものです。国は不要の抗生剤使用を抑制し、医療費の増大を少しでも抑えようとしているものと思われます。あるいは掛かり付け医制度を推進するためかも知れません。(その制度の下では6歳まで算定可能になります)

 当院ではもう10年以上も前から抗生剤の適正使用、つまり不要の抗生剤を使わないことを心掛けてきました。取り組みを始めた最初の頃は患者さんが納得してくれるかどうかが不安で、言い訳のように抗生剤が不要の理由を詳しく説明していました。しかし最近は抗生剤を使わないことが当たり前になって、使う必要があるときにだけ説明するスタイルに変わってきました。
 さて今回の措置、何をか言わんやという感じで、何だがモヤモヤが晴れません。自分にとって当たり前のことをしているだけでお金をもらえるなんてちょっと変と思うのです。最近は、少なくとも小児科医は抗生剤の適正使用を心掛ける人が増えてきたように思います。しかしまだまだ不必要な抗生剤処方例を多く見かけます。適正な抗生剤投与を心掛けることは子どもの体にとっても好ましいことなのですが、しかしそれがお上の指導でなければ、それも金銭的な目先の利益がなければ進まないなんて情けないなと思うのです。むしろそれで抗生剤が本当に必要な時に使わず手遅れになることが出てきやしないかと心配になったりもします。

 古いカルテを見返すと、自分も随分と不適切な抗生剤処方をしていました。見ていて恥ずかしくなります。何が必要で何が不要かを考えて診療しているとどんどんお薬の数が減ってきました。ちょっと薬屋さんには申し訳なく思っていました。 (^_^;

5000倍可愛い

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「写真で見るより5000倍可愛い」
分娩に立ち会うことができなかった息子が、仕事が終わって病院に駆けつけ、自分の赤ん坊を見て最初に言った言葉です。僕の初孫(女の子)です。先週末、彼女に会いに札幌へ行きました。病院を離れて既に18年、生後1ヶ月前後の乳児を診察する機会はありましたが、生まれて間もない新生児を見る機会はほとんどありませんでした。会って驚きました。彼女はまだ生まれて9日目の新生児でしたが、息子の顔を見て笑顔をみせるし、何かを話したそうに口をすぼめます。表情が本当に豊かでした。替わって僕が抱っこすると彼女は「このおじさん誰?」とフリーズ。しばらく僕を見た後、顔を背けました。もうしっかり区別できているのですね。新生児の認知機能がこれほどだとは思いませんでした。息子が生まれたばかりの頃は自分も余裕がありませんでしたし、赤ちゅんの心の発達のことを勉強していませんでした。FOUR WINDSと出会い、赤ちゃんのことを勉強し、改めて赤ちゃんを観察すると、本当に面白い。しかも自分の孫ですから尚更楽しく思えました。
写真を載せますね。新生児模倣ではありません。しっかりと自分の意志を持っています。既に自己主張し始めていました。息子は「おまえの結婚相手はパパだと刷り込ませるんだ」と言っていました。親馬鹿だ〜。でも親馬鹿結構。子どもが小さい内は親馬鹿が一番です。

注)新生児模倣;生まれて間もない新生児が他者の顔の動きなどを模倣する現象のこと。

伝えたいこと

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4月2日は世界自閉症啓発デーです。自閉症の啓発を目的として世界中でブルーライトが照らされたり、様々なイベントが開催されます。その日本の実行委員会公式サイトには「自閉症をはじめとする発達障害について知っていただくこと、理解していただくことは、発達障害のある人だけでなく、誰もが幸せに暮らすことができる社会のじつげんにつながるものと考えております」とありました。
日本でも各地でそれに因んだ催しが開催されます。弘前ではその日の日没から午後9時までお城がブルーにライトアップされ、弘前大学精神科の主催で講演会が開催されます。青森市でもアスパムをブルーライトアップし、発達障害者支援センター、ステップの主催で講演会が開催されます。実は今年、そのステップさんに青森での講演を頼まれました。最初に話が来たとき、自分は発達障害を研究している専門家ではないのでお断りしようと思ったのですが、対象が一般の方というのと、所長さんに僕がブログに書いた「発達障害があろうとなかろうと、もともと多様な子ども達なのだから色んな子がいて良いのではないのではないか」と書いたのを読んで、それで僕を指名したと言われ、講演を引き受けることにしました。
年のせいなのでしょうか。最近、色々と講演を頼まれることが多くなりました。講演の準備をすることは自分の勉強にもなります。口下手な僕ですが、引き受けたらからには自分が日頃考えていることを伝えたいと考えています。チラシを載せます。もしご興味がおありでしたらご参加ください。

大自然レポート:3月11日に

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 今年の3月11日、僕は久し振りで八甲田を登っていました。山を登るのは昨年秋以来ですから4ヶ月半ぶりです。既に樹氷は消え、日差しもあってか寒さに厳しさはなく、薄手の手袋一枚でも平気。春の間近なのを感じさせました。雪山にしては登山客も多く、年配の方も何人か登っていました。もっともこの季節、天候が崩れるとあっという間に真冬に逆戻りしますから、登山にはそれなりの装備は必要です。山頂から滑ろうと、いつものようにボードを担ぎ上げました。しかし残念ながら一面にクラスト(表面が硬くなること)し、しかも風で斜面は波打ち、とても滑るどころではなくずっと横滑りで降りてきました。何とか滑ろうとすると途端に転んでしこたま腰を強打し、ヘルニアの再発を心配していました。

 山から降りるとテレビでは7年前の災害の特番がずっと放送されていました。自分もあの日のことは忘れることができません。自分が医療支援に行った大槌町のことがいつも気になっていて、その後も何度が訪れています。最後に行ったのは2年前、復興までの道のりはまだまだ遠いと感じました。今年も行ってみようと考えています。