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日本小児科学会総会

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 ほとんどの小児科医が加盟している日本小児科学会。年に1回の総会が毎年4月に開催されます。今年の総会は大阪でした。自分が所属している学会としては最大の学会で会員は全国で2万人あまり。大阪大会の参加者は7000人を越えたそうです。

 小児科学会は小児医療に関する全ての分野がテーマですから、子どもの消化器疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、神経疾患・・・。病気だけでなく小児保健、社会問題・・・、実に様々なテーマで講演、発表が行われます。普段、あまり勉強することのない分野も学ぶことが出来るのは有意義です。ただ3日間、ずっと学会場だけで過ごすは結構しんどくて疲れます。そこで2日目の午後、時間を見つけて大阪市内を散歩してきました。お散歩のコースは大阪城→通天閣→あべのハルカス。全部上まで登ってきました。やっぱり高い所が好きな僕でした (^_^;

 あべのハルカスは屋上のヘリポートまで行ってきました。丁度、夕暮れ時。瞬きだした街の明かりが綺麗でした。

岩木山レポート:春山

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 よく晴れた日曜日、ボードを担いで岩木山を百沢から登りました。岩木山に登るのは1年ぶりでした。まだまだ残雪多く、スキー場の下から雪を踏みしめての登山でした。昨年弥生から登った時はくるぶしまで埋まり、4時間以上も掛かってやっとの思いで登りましたが、今年の雪は適度に硬く、快適な登山でした。所要時間3時間半。学生時代は2時間半で登っていましたが、この年でそのタイム、まあ由としましょう。毎週登れればもっとタイムは上がるのでしょうが、タイムを気にする登山はもう止めようと思ったりしています。

 例年だとそろそろスカイラインの開通する時期で、沢山のスキーヤーがいるのですが、今年は春スキーのバスは4月末からGWの期間中だけのようです。きっとスキーヤーが少なく、採算が取れないのでしょうね。八甲田のバスも遅いスタートで関係者はがっかりしていると新聞で見ました。まあ静かな山を楽しめるのでそれはそれで良いのですが、少し寂しい気もします。

山頂からは鐘の向こうに白神の山々が連なっていました。

花粉症治療米

 スギ花粉の季節です。今年は去年より飛散量が多そうだとの予報がありましたが、今のところはそれほどでもないようです。受診される方をみても例年とそれほど変わりありません。かく言う自分自身も毎年花粉症に悩まされているのですが、一昨年よりも去年、去年よりも今年と年々軽くなっているように思えます。年を取って自分の免疫力が低下しアレルギー症状が軽快してきたのかその理由は分かりませんが、症状が軽くて助かっています。もっとも本番はこれからでしょう。

 日曜日の夜、NHKでアレルギーの特別番組があり、最新情報を分かりやすく解説していました。最新といってもここ数年で明らかになってきた話しですが。
Tレグというアレルギーの免疫を抑制する免疫細胞の存在、そして皮膚から浸入するタンパク質にはアレルギーを起こしやすく、同じタンパク質でも経口摂取するとむしろアレルギーは改善されるという話題を報道していました。それを利用してスギ花粉症の治療米が開発され、そのお米を食べるだけでスギ花粉症が治り、花粉症の女性がマスクをせずにお花見を楽しんでいる姿が出ていました。スギのタンパク質の内、Tレグ細胞を活性化させるタンパク質を遺伝子操作でお米に組み込んで、それを食べることでスギアレルギーを治そうというのです。実はこの話題は数年前からアレルギー学会で出ていて、僕も期待していました。しかし一昨年頃の話しでは、薬は厚労省、お米は農林水産省、その縦割り行政の弊害で実現は困難との話しでした。それがTVでは直ぐにでも世に出てきそうな勢いで報道されていました。半分諦めていましたが、もしスギ花粉治療米が誰でも食べられる様になると嬉しいですね。

 もう一つ、僕の花粉症が軽くなった理由を、毎日ヨーグルトを食べるからではないかなんて密かに思っていますが、違うかな〜? (^_^;

IMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)

 髄膜炎菌という細菌がいます。IMDはその髄膜炎菌による重症感染症をいいますが、現在日本では患者数は極わずか。日本全国で一年間に10〜20人程度の患者しかいません。しかし今それが注目されています。

 髄膜炎菌という名の通り、髄膜炎を起こしますが、おたふく風邪などのウイルス性髄膜炎と違って細菌性髄膜炎です。ヒブや肺炎球菌と同様、いやむしろ症状の進行は激烈且つ重症かも知れません。早期に適切な治療がなされたとしても発症者の5〜10%は24〜48時間以内に死亡すると報告されています。為す術もなく亡くなってしまうこともあるようです。しかも初期症状は風邪と同じような症状で早期診断は困難です。命が助かった場合でも難聴、神経障害、四肢切断などの後遺症が生涯残ると報告されています。4歳未満の幼児だけでなく15〜19歳も好発年齢だそうです。幸い僕は経験したことがありませんし、稀な疾患でこれまでしっかりと勉強もしておらず学生程度の知識しかありませんでした。それが何故今、注目されているか。

 IMDは世界では特にアフリカで患者数が多く、欧米でも保菌者はかなりの率でいるそうです。日本でも戦前は患者数が多かったのですが、それがどんどん減少し、極希な感染症となりました。そのはっきりとした理由は不明ですが、一つには抗生剤の乱用にあるのではないかと考えられているようです。従って抗生剤の適正使用が広まれば再び欧米の様に増加してくるのではないかと懸念されているのです。

 その髄膜炎菌に対するワクチンが日本でも承認されました。間もなく発売されるでしょう。米国では11〜12歳で初回接種。16歳での追加接種が推奨されています。患者は4歳未満の幼児でも少なくないので日本でのスケジュールがどのようになるかはまだ分かりません。ただやはり最近の他のワクチン同様かなり高額で、ロタのワクチンの総額と同じくらいのようです。1回で良いのですが、1回の費用が大きすぎるのも負担ですよね。しかしきっと日本でも大きな問題になってくるでしょうね。
また新しい情報があればご報告します。

流星ワゴン、最終回

 少し前にこのブログで流星ワゴンのことを取り上げました。先の日曜夜、その最終回でした。主人公の父親は幽霊の親子の運転するワゴン車に乗って過去へタイムスリップし、子どもや妻との関係をやり直そうとするのですが、過去は何も変わらない。しかしその過去への旅の過程で自分自身が変わっていく。そして最後はハッピーエンド。過去は変えられないが、現在の自分が変わると未来が変わる、変えられる。それがワゴン車の本当の意味だったという結末でした。子どもを変えようとしても何も変わらないが、自分が変わると子どもも妻も変わる。それこそ心の響き合い、間主観性の世界ということでしょうか。
 しかし人は関係性の問題をとかく相手の所為にしたがるものです。先ずは自らを振り返り、自分自身を変えることが大切なのでしょうが、そう簡単ではありません。外来で子どもを診察する時も同じ。瞬時に内省し、軌道修正出来ればきっと相手との関係性もよくなる(治療方針についてお互いに納得できる)と思うのですが、いつも後から後悔することばかり。この年になってもまだまだ未熟です。

子どもの自尊心をくすぐるには

3.11 震災から4年が経ちました。テレビでは震災の記憶の風化が懸念されていましたが、自分にとってはまだまだ記憶に新しく、思い出すと今も胸が苦しくなります。

さて、今回は先日参加した東京でのFOUR WINDSのセミナーでの話しから。

 弟や妹が生まれた時、お兄ちゃんお姉ちゃんは少なからず不安定になります。普段から僕はお腹の大きくなったお母さんを見ると、「下の子が生まれて、赤ちゃん返りしたらどうしますか?」と聞くようにしています。「もしおっぱいを飲みたがったらどうする?」と。
 反応は様々。自信を持って「あげます」というお母さんもいれば、「え〜っ!大きい子におっぱいを飲ませるなんてとんでもない」というお母さんもいます。以前にもこのブログで書きましたが、いつも僕はお母さんに「下の子が生まれて赤ちゃん返りしたら、決してお兄ちゃん、お姉ちゃんでなく、大きい赤ちゃんとして扱ってあげて下さいね。」
 上の子が4,5歳の大きいお子さんの場合は「きっと色々お手伝いしてくれると思うから、お母さんは助かるって誉めてくださいね。そうしたら上の子は自分がお母さんの役に立っていると思う、それが役立ち感、自己肯定感、自尊感情に繋がりますよ。とても良い機会です」とお話ししています。

 先日のセミナーで渡辺久子先生がおっしゃったことは「私は上の子にはこういうと良いですよとお話ししています。あなたが私をただの女性からお母さんにしてくれたのよ」と。
多分、子どもには何のことか分からないかも知れません。しかしきっと自分がお母さんの役にたっていると目をキラキラさせることでしょう。

 日本の子ども達は世界で最も自尊感情、自己肯定感が低いそうです。自己肯定感が育つには、まずどんな自分でもお母さんは自分のことを愛してくれているという自信が絶対必要条件です。
 ウィニコットという人が「赤ちゃんがお母さんを見つめるとき、赤ちゃんは二つのものを見ている。自分を見つめるお母さんの瞳と瞳の中に映った自分とを」と言っています。お母さんを見つめる時、自分自身の存在がお母さんを幸せにしていることを赤ちゃんは感じ、そこから最初の自尊感情が生まれます。
 自分に自信を持てないと卑屈になったり、逆に攻撃的になったり、社会に適応する力が弱くなります。そう全ての始まりは親子の心の絆なのです。

八甲田レポート:冬の終わり

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 土曜日、急患診療所の当番で夜遅くなったので、翌日の登山は諦めていたのですが、朝早くから首に綱の絡まった我が家の愛犬に起こされ、結局起床はいつも通りの朝5時。空は気持ちよく晴れ、これで山に行かなきゃなきゃ山屋じゃないと、今度は迷わず酸ヶ湯へと向かいました。
 いつも通りにボードをリュックに付け、歩き出しました。ここしばらく、運動らしい運動はしていなかったのできっと体力は低下しているだろう、登頂はせず、途中から降りてくるつもりでした。しかし、もう少し上まで、もう少し上までと登るうち、山頂に着いてしまっていました。酸ヶ湯から大岳ピークまでの所要時間は2時間10分。まあ今の僕にはそんなものか。

 さて、山はまだ2月というのにもう真冬の厳しさはなく、樹氷は崩れ、春山の様相でした。もっとも一度、荒れるとまた厳しい冬山に戻るのは分かっています。天気予報通りに、午後雲が出て冷えてきました。ここはまだ視界の良い内にと急いでボードで滑り降りてきたのでした。

 左の写真はウサギの足跡。奥は八甲田大岳です。

樹氷原とスキーヤー

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久し振りの大自然レポートです。

 朝からよく晴れた昨日の祝日、今年初めての山へ行ってきました。最後に山を登ったのは紅葉が始まった頃ですから、実に5ヶ月ぶり? きっとFOUR WINDSの学会(弘前大会)が終わるまで自分の余暇の時間はあまりなさそうです。きっと今年は山を登ることも少ないかも。
 さて、八甲田へと車を走らせながら、今日はロープウェイでボードを滑ろうかそれとも酸ヶ湯から登ろうかとずっと迷っていましたが、やっぱりこんなに良い天気、今シーズン初めてのボードを楽しもうとロープウェイへと向かいました。
 山頂駅を降りると樹氷原が広がり、青空の下、沢山のボーダーやスキーヤー客が思い思いのルートを滑っています。前の日に積もった雪はふかふかで柔らかくボードをコントロールするのも容易。視界が良いとバランスも取りやすく転ぶこともありません。ギャップもヒョイヒョイと跳んで滑れます。もっとも若者の様に豪快なジャンプは無理ですが。

 写真は樹氷とスキーヤー。おそらく銅像ルート(後藤伍長の銅像のある銅像茶屋へと向かうルート)へ向うのでしょう。ガイドが先導していました。
 里の雪は例年より多いのですが、山の雪は例年通り。去年は何度も酸ヶ湯がニュースに出ていましたよね。酸ヶ湯の積雪は3mで昨年よりは大分少ないようです。

テロのニュースを見て思うこと

 先週末の悲劇的なニュースに愕然として気が鬱ぎ、吹雪で視界が悪いこともあって、今週も山へ行けないでいました。ニュースでは与野党ともにテロを激しく非難するメッセージを流しています。イスラム国のニュースを見ていると、昔のオーム真理教を思い出します。オーム真理教も沢山の若者が洗脳されました。しかも優秀な科学者、技術者さへもオームの色に染まってしまいました。イスラム国もITを駆使して世界各国の若者達を集めているようです。

 彼らの非人道的な行為は決して許されるものではありませんが、ただ単に、非難するだけでは問題は解決しない様に思います。彼らが生まれ出てきた理由があるはずです。彼らはきっと自分たちを悪とは思っていないでしょう。むしろ正義と信じているはずです。「勝てば官軍」なんて言葉もあります。もし彼らが本当に国家を作ってしまえば、世界は大きく変わるでしょう。彼らこそが正義となるかもしれません。彼の国のテロを生む出す背景を不勉強の僕にはで分かりませんが、日本にも同じような環境があると考えてよいでしょう。今の日本社会を憂います。目先の社会の利益を優先して、個々の家族の幸せをなおざりにしてきたツケが回ってきているように思えます。幸せに育っていない子ども達のなんと多いことか。そこに社会の闇が生まれるのではないでしょうか。

 子ども達が幸せに育つために、今、自分に出来る親支援とは? 取りあえず、クリニックに来てくれたお母さん、お父さんを元気にしてあげることでしょうか。幸せな家族があってこその、幸せな社会だと思うのですが。
 自分がFOUR WINDSの学会を弘前でやる気になったのもそこに理由があります。FOUR WINDSの精神をこの地に伝えたいと思っているのです。

流星ワゴン、その間主観性の世界

 以前、このブログでも取り上げた“とんび”と同じ作者、重松清さんの小説のドラマ化ということで日曜夜、その番組を観てみました。といっても後半の1時間弱ですが。今回も“とんび”の時と同じように父と子の関係性がテーマのドラマでした。ただ今回は孫も加わっての世代間伝達と、それに加えて間主観性(心の響き合い)の世界が繰り広げられるようです。
 主人公の父親は自分の父を嫌い、自分はああはなりなくないと子どもと関わっているつもりが、実際は嫌っていた父親と同じように自分の子どもの心を理解できておらず、家庭は壊れそうになる。しかし自分が子どもの頃の様々なエピソードは実は誤解で、父親は自分と一生懸命関わろうとしていた。それを知って、今度は自分の子どもと真剣に向き合って行く・・・何だかこんがらがってきますが、大雑把に言えばそんなところでしょうか。まあそれはともかく、大人が変わると子どもが変わる、それこそ間主観性(心の響き合い)の世界なのです。

 ドラマを見ながら作者の重松さんと父親との関係ってどんなだったのだろうと興味が沸きました。岡田尊司先生という精神科医が「母という病」という本を書いています。様々な精神病理を抱えた大人の根源には母親との関係性の問題があるということを様々な事例を上げて書かれていますが、同じ先生が「父という病」という本も書かれています。買うだけ買って、読まずに机の上に積んでありました。今度、読んでみようと思っています。

 本当は今週、「院長の大自然レポート」を載せようと思っていました。しかし日曜日、吹雪で酸ヶ湯へ行くまでが大変でした。酸ヶ湯の駐車場も除雪されておらず、めげて蕎麦も食わずUターンして帰ってしまいました。次の日曜日は半日ドックの予定です。当分、山へ行けそうにありません。