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八甲田レポート:早春

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 先の日曜日、晴れて暑くなると天気予報で聞いて、涼しいうちに登ろうと早くに家を出ました。運動会だった学校も多かったようですね。朝早かったせいか、昼近くになるまで誰とも出会いませんでした。少雪とはいえこの季節、まだ登山道の多くが雪に隠れ、迷いやすいこともあり、元々登山客は少ないのです。毛無岱湿原の木道を1人で歩いていると美しい庭園のような大自然を独り占めしているような気がして、この上のない贅沢をしているような幸せな気分でした。
 最近、山を登る時はいつも1人です。決して誰かと一緒に登るが嫌いというわけではありません。気の合った2、3人の仲間と登るが気楽で良いのですが、近くに僕のような山登りをする人が居ないだけです。ただ、大勢でガヤガヤと登るのは好きではありません。振り返ると自分は社交的な方ではなく、どちらかと言えば内向的、かといって決して排他的でもなく・・・、自分の愛着パターンは安定型ではなく回避型なのだろう。では何故、自分の愛着パターンは回避型なのだろうなどとあれこれ考えながら歩いていました。

 左の写真は毛無岱のミズバショウ。右は八甲田大岳です。マンサクはほとんど咲き終わり、ミズバショウとショウジョウバカマが咲き始めたところでした。

ワクチン情報

 以前、紹介した髄膜炎菌ワクチン(4/1のブログ)が発売になりました。髄膜炎菌感染症についてはその記事をご覧ください。推奨年齢は米国と同じに11歳から12歳に初回接種。追加が16歳。2歳未満の乳幼児が接種する場合は初回接種の後2ヶ月後に2回目を接種するそうです。
 国内の発症は多くはありませんが、寮生活を送る思春期の子ども達は受けた方が良いかも知れません。特に欧米などの海外で生活する場合は受けるべきでしょう。米国へ留学する場合は接種することを求められるそうです。
 当院を掛かり付けにしていてスペインへサッカー留学した子がいましたが、今だったら受けることを勧めたでしょう。ただ接種費用がかなりの高額です。当院では1回の接種に付き、23,000円を予定しています。

 海外のワクチンメーカーは日本に新しいワクチンを売り込むことでかなり利益を得ているそうです。なんとか安くならないものでしょうか ( -_-)

 さて、もう一つ。以前から噂になっていたB型肝炎ワクチンの定期接種化が決まりそうです。ただし対象となる年齢は1歳未満になりそうだとか。来年の4月までに1歳以上となる子は対象から外れてしまうわけですが、接種は何歳でも可能です。小さい子の方がより有効です。B型肝炎ワクチンは単に肝炎を予防するワクチンではありません。将来の慢性肝炎→肝硬変→肝癌を予防するワクチンです。現在日本では毎年3000人の方が、B型肝炎が原因の肝癌で亡くなっているそうです。世界では既に多くの国で定期接種化されています。それらの国では肝癌が激減しているそうです。1歳未満だけに限定した定期接種化では、日本で肝癌が減少するには更に数十年掛かりそうです。
保育園で知らないうちに感染してしまうこともあります。費用は掛かりますが、任意でも接種することをお勧めします。

渡辺久子先生の講演会のお知らせ

 これまでこのブログでも何度か取り上げてきた渡辺久子先生の講演会を企画しました。秋のFOUR WINDS弘前大会のプレ企画第2弾です。
(第1弾は澤田敬先生、1月17日のブログで紹介しました。)

講演会の日時と会場は次の通り。
日時:6月13日(土)14:00〜16:00
会場:弘前市民文化交流館(ヒロロ4階大ホール)
参加費:500円

講演のタイトルは
「子どもが子どもを生きること:甘えと遊びと愛着の基礎について」

とても素敵なタイトルでしょ。久子先生は昨年、慶応大学小児科を定年退職されましたが、今も若々しく精力的に乳幼児の精神保健にご尽力されていらっしゃいます。先生の講演は毎回胸の熱くなるお話しで、是非、多くの方々に講演会に参加していただきたいと思っています。
お申し込みはFAX(0172-29-3114)かメールでお願いします。
メールはHPのお問い合わせでお願いします。

兄弟げんかの仲裁方法

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 GWの初日、学習センターでCAPの講演会がありました。CAPとはChild Assault Preventionの略で、そのHPにはCAPとは子ども達がいじめ、痴漢、誘拐、虐待、性暴力といったさまざまな暴力から自分を守るための人権教育プログラムとあります。1978年にアメリカで起きたあるレイプ事件がきっかけになって、CAPのプログラムの原型が作られたそうです。講演会はそれを日本に広めた森田ゆり先生のお話しでした。今日はそこで学んだ直ぐに役立ちそうな情報を紹介します。

 それは兄弟げんかの仲裁方法。よくある親の対応は「どっちが先に手を出したの?」と犯人捜しし、先に手を出した方に謝らせたりすることです。しかしそれでは子どもの気持ちは修まらず、本当の解決にはなりません。そんな時はまず最初に、「○○ちゃんはどんな気持ちなの?」と聞きます。そして相手にそのまま「○○ちゃんはこれこれの気持ちなんだってよ」と伝えます。そして次に「何を言いたいの?」と聞きます。そしてそのまま「○○ちゃんはこう言いたいんだってよ」と伝えます。最後に「どうして欲しいの?」と尋ね、それをそのまま同じように「○○ちゃんはこれこれして欲しいんだってよ」と伝えます。
それぞれに気持ちを聞いてあげて、どう言いたいのか、何をして欲しいのかを言葉で伝え合う(代弁してあげる)ことで二人とも気持ちが楽になり自然に喧嘩は収まります。この方法は兄弟げんかだけでなく、いろいろ他に応用できそうですね。


 ところでその講演会で森田先生が「虐待の世代間連鎖」はないと言い切っていました。そのフレーズは今では誰もが知っています。しかし被虐待者が自分の子を虐待するのは33%にすぎず、それでは世代間連鎖があるとは言えないと。僕はそれは少し違うと思いました。なぜなら虐待を受けていない人が自分の子どもを虐待する率はそれより遙かに少ないでしょうから。むしろ33%を多いと思うべきです。しかし被虐待者がその「虐待の世代間連鎖」という言葉に囚われ家庭を持てない人がいる、言葉の呪縛ということに気付かされました。心のケアと同時にその呪縛を解いてあげることも必要なのでしょうね。

写真は百沢スキー場の一本桜。あいにくカメラを持って行かず、スマホで撮りました。最近のスマホはよく撮れますね。

日本小児科学会総会

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 ほとんどの小児科医が加盟している日本小児科学会。年に1回の総会が毎年4月に開催されます。今年の総会は大阪でした。自分が所属している学会としては最大の学会で会員は全国で2万人あまり。大阪大会の参加者は7000人を越えたそうです。

 小児科学会は小児医療に関する全ての分野がテーマですから、子どもの消化器疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、神経疾患・・・。病気だけでなく小児保健、社会問題・・・、実に様々なテーマで講演、発表が行われます。普段、あまり勉強することのない分野も学ぶことが出来るのは有意義です。ただ3日間、ずっと学会場だけで過ごすは結構しんどくて疲れます。そこで2日目の午後、時間を見つけて大阪市内を散歩してきました。お散歩のコースは大阪城→通天閣→あべのハルカス。全部上まで登ってきました。やっぱり高い所が好きな僕でした (^_^;

 あべのハルカスは屋上のヘリポートまで行ってきました。丁度、夕暮れ時。瞬きだした街の明かりが綺麗でした。

岩木山レポート:春山

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 よく晴れた日曜日、ボードを担いで岩木山を百沢から登りました。岩木山に登るのは1年ぶりでした。まだまだ残雪多く、スキー場の下から雪を踏みしめての登山でした。昨年弥生から登った時はくるぶしまで埋まり、4時間以上も掛かってやっとの思いで登りましたが、今年の雪は適度に硬く、快適な登山でした。所要時間3時間半。学生時代は2時間半で登っていましたが、この年でそのタイム、まあ由としましょう。毎週登れればもっとタイムは上がるのでしょうが、タイムを気にする登山はもう止めようと思ったりしています。

 例年だとそろそろスカイラインの開通する時期で、沢山のスキーヤーがいるのですが、今年は春スキーのバスは4月末からGWの期間中だけのようです。きっとスキーヤーが少なく、採算が取れないのでしょうね。八甲田のバスも遅いスタートで関係者はがっかりしていると新聞で見ました。まあ静かな山を楽しめるのでそれはそれで良いのですが、少し寂しい気もします。

山頂からは鐘の向こうに白神の山々が連なっていました。

花粉症治療米

 スギ花粉の季節です。今年は去年より飛散量が多そうだとの予報がありましたが、今のところはそれほどでもないようです。受診される方をみても例年とそれほど変わりありません。かく言う自分自身も毎年花粉症に悩まされているのですが、一昨年よりも去年、去年よりも今年と年々軽くなっているように思えます。年を取って自分の免疫力が低下しアレルギー症状が軽快してきたのかその理由は分かりませんが、症状が軽くて助かっています。もっとも本番はこれからでしょう。

 日曜日の夜、NHKでアレルギーの特別番組があり、最新情報を分かりやすく解説していました。最新といってもここ数年で明らかになってきた話しですが。
Tレグというアレルギーの免疫を抑制する免疫細胞の存在、そして皮膚から浸入するタンパク質にはアレルギーを起こしやすく、同じタンパク質でも経口摂取するとむしろアレルギーは改善されるという話題を報道していました。それを利用してスギ花粉症の治療米が開発され、そのお米を食べるだけでスギ花粉症が治り、花粉症の女性がマスクをせずにお花見を楽しんでいる姿が出ていました。スギのタンパク質の内、Tレグ細胞を活性化させるタンパク質を遺伝子操作でお米に組み込んで、それを食べることでスギアレルギーを治そうというのです。実はこの話題は数年前からアレルギー学会で出ていて、僕も期待していました。しかし一昨年頃の話しでは、薬は厚労省、お米は農林水産省、その縦割り行政の弊害で実現は困難との話しでした。それがTVでは直ぐにでも世に出てきそうな勢いで報道されていました。半分諦めていましたが、もしスギ花粉治療米が誰でも食べられる様になると嬉しいですね。

 もう一つ、僕の花粉症が軽くなった理由を、毎日ヨーグルトを食べるからではないかなんて密かに思っていますが、違うかな〜? (^_^;

IMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)

 髄膜炎菌という細菌がいます。IMDはその髄膜炎菌による重症感染症をいいますが、現在日本では患者数は極わずか。日本全国で一年間に10〜20人程度の患者しかいません。しかし今それが注目されています。

 髄膜炎菌という名の通り、髄膜炎を起こしますが、おたふく風邪などのウイルス性髄膜炎と違って細菌性髄膜炎です。ヒブや肺炎球菌と同様、いやむしろ症状の進行は激烈且つ重症かも知れません。早期に適切な治療がなされたとしても発症者の5〜10%は24〜48時間以内に死亡すると報告されています。為す術もなく亡くなってしまうこともあるようです。しかも初期症状は風邪と同じような症状で早期診断は困難です。命が助かった場合でも難聴、神経障害、四肢切断などの後遺症が生涯残ると報告されています。4歳未満の幼児だけでなく15〜19歳も好発年齢だそうです。幸い僕は経験したことがありませんし、稀な疾患でこれまでしっかりと勉強もしておらず学生程度の知識しかありませんでした。それが何故今、注目されているか。

 IMDは世界では特にアフリカで患者数が多く、欧米でも保菌者はかなりの率でいるそうです。日本でも戦前は患者数が多かったのですが、それがどんどん減少し、極希な感染症となりました。そのはっきりとした理由は不明ですが、一つには抗生剤の乱用にあるのではないかと考えられているようです。従って抗生剤の適正使用が広まれば再び欧米の様に増加してくるのではないかと懸念されているのです。

 その髄膜炎菌に対するワクチンが日本でも承認されました。間もなく発売されるでしょう。米国では11〜12歳で初回接種。16歳での追加接種が推奨されています。患者は4歳未満の幼児でも少なくないので日本でのスケジュールがどのようになるかはまだ分かりません。ただやはり最近の他のワクチン同様かなり高額で、ロタのワクチンの総額と同じくらいのようです。1回で良いのですが、1回の費用が大きすぎるのも負担ですよね。しかしきっと日本でも大きな問題になってくるでしょうね。
また新しい情報があればご報告します。

流星ワゴン、最終回

 少し前にこのブログで流星ワゴンのことを取り上げました。先の日曜夜、その最終回でした。主人公の父親は幽霊の親子の運転するワゴン車に乗って過去へタイムスリップし、子どもや妻との関係をやり直そうとするのですが、過去は何も変わらない。しかしその過去への旅の過程で自分自身が変わっていく。そして最後はハッピーエンド。過去は変えられないが、現在の自分が変わると未来が変わる、変えられる。それがワゴン車の本当の意味だったという結末でした。子どもを変えようとしても何も変わらないが、自分が変わると子どもも妻も変わる。それこそ心の響き合い、間主観性の世界ということでしょうか。
 しかし人は関係性の問題をとかく相手の所為にしたがるものです。先ずは自らを振り返り、自分自身を変えることが大切なのでしょうが、そう簡単ではありません。外来で子どもを診察する時も同じ。瞬時に内省し、軌道修正出来ればきっと相手との関係性もよくなる(治療方針についてお互いに納得できる)と思うのですが、いつも後から後悔することばかり。この年になってもまだまだ未熟です。

子どもの自尊心をくすぐるには

3.11 震災から4年が経ちました。テレビでは震災の記憶の風化が懸念されていましたが、自分にとってはまだまだ記憶に新しく、思い出すと今も胸が苦しくなります。

さて、今回は先日参加した東京でのFOUR WINDSのセミナーでの話しから。

 弟や妹が生まれた時、お兄ちゃんお姉ちゃんは少なからず不安定になります。普段から僕はお腹の大きくなったお母さんを見ると、「下の子が生まれて、赤ちゃん返りしたらどうしますか?」と聞くようにしています。「もしおっぱいを飲みたがったらどうする?」と。
 反応は様々。自信を持って「あげます」というお母さんもいれば、「え〜っ!大きい子におっぱいを飲ませるなんてとんでもない」というお母さんもいます。以前にもこのブログで書きましたが、いつも僕はお母さんに「下の子が生まれて赤ちゃん返りしたら、決してお兄ちゃん、お姉ちゃんでなく、大きい赤ちゃんとして扱ってあげて下さいね。」
 上の子が4,5歳の大きいお子さんの場合は「きっと色々お手伝いしてくれると思うから、お母さんは助かるって誉めてくださいね。そうしたら上の子は自分がお母さんの役に立っていると思う、それが役立ち感、自己肯定感、自尊感情に繋がりますよ。とても良い機会です」とお話ししています。

 先日のセミナーで渡辺久子先生がおっしゃったことは「私は上の子にはこういうと良いですよとお話ししています。あなたが私をただの女性からお母さんにしてくれたのよ」と。
多分、子どもには何のことか分からないかも知れません。しかしきっと自分がお母さんの役にたっていると目をキラキラさせることでしょう。

 日本の子ども達は世界で最も自尊感情、自己肯定感が低いそうです。自己肯定感が育つには、まずどんな自分でもお母さんは自分のことを愛してくれているという自信が絶対必要条件です。
 ウィニコットという人が「赤ちゃんがお母さんを見つめるとき、赤ちゃんは二つのものを見ている。自分を見つめるお母さんの瞳と瞳の中に映った自分とを」と言っています。お母さんを見つめる時、自分自身の存在がお母さんを幸せにしていることを赤ちゃんは感じ、そこから最初の自尊感情が生まれます。
 自分に自信を持てないと卑屈になったり、逆に攻撃的になったり、社会に適応する力が弱くなります。そう全ての始まりは親子の心の絆なのです。