記事一覧

医教連携セミナー

ファイル 519-1.jpg

 以前、このブログ(2017年3月)で紹介した医教連携セミナーを弘前でも開催することになりました。大館の間嶋先生にお願いして、弘前に来てもらうことにしたのです。今回は医療機関側の講演を健生病院の加村先生にお願いしました。対象は発達障碍の診療に関わる医師、看護師、そして学校関係者。子役付きの模擬授業もあって、大変勉強になります。発達障碍の子ども達に対し医療機関が出来ることは少なく、保護者だけでなく、療育機関、園・学校との連携が大切だと考えています。関心のある方は是非ご参加ください。

日時:2月24日12:30〜16:00
会場:青森県武道館
参加申込みはkurotaki77mkt@yahoo.co.jp に
 件名 医教弘前 申込み 
 内容 1.氏名 2.メールアドレスまたは電話番号 3.住所 4.勤務先 で
参加費 教師・医師 2000円
    一般・学生 1000円 です。

カマキリの卵

ファイル 518-1.jpg

 青森市のある方が「今年は雪が少ないと思っていた」と言っていたと聞きました。それはカマキリの卵の位置が低かったからだそうです。カマキリは冬の間、卵が雪に埋もれないような位置に産卵するそうで、それが今年は例年より低かったと。カマキリの卵の位置でその年の雪の深さが分かるのですね。この冬の青森は出だしは早かったのですが、どうも少雪のようです。そこで暮らす者にとっては幸いですが、しかしあまりの少雪はかえって夏の水不足も心配になります。

 さて、今週の写真はニセコ。毎年成人の日の連休をニセコで過ごすのを恒例にしていました。津軽は少雪ですが、今年のニセコは最高でした。ここ数年で最高の積雪。ゲレンデでさえもフカフカの深雪で十分楽しめました。もちろんゲレンデ以外(オフピステ)も楽しく、ニセコは手軽にパウダースノーを楽しめるパラダイスなのです。

 ニセコはいつも札幌のH先生と滑っています。彼は僕のボードの師匠です。30年前に彼にボードを教えてもらったのが僕のボードの始まりでした。昼は存分にボードを楽しみ、夜は夜で美味しい日本酒を飲みながら、同業者同士、遅くまで語り合ったのでした。

新年のごあいさつ

ファイル 517-1.jpg

皆様、明けましておめでとうございます。

 戌年の今年、我が家に届いた年賀状のうち何通かは愛犬の写真でした。そういう我が家の年賀状も今年は犬の写真。トイプードルとペキニーズのミックスで、まだ2歳の甘えん坊です。そして写真の下に「子ども達が巣立った今、コタローが子ども代わり?いや孫の代わりです」と書き添えました。

 これまで毎年、正月登山を恒例としてきましたが、子ども達が成人し、それぞれに家庭を持ち、伴侶を伴って、あるいは大きなお腹で帰省し、山どころではありませんでした。そんな訳で今年の最初の写真は年賀状と同じコタローです。

 昨年は故障が多く、思うように山を登れず自転車も走れずの一年でした。今年は体調管理を万全にし、山を登ろうと思います。そしてもう少し日々のんびりと行こうと考えています。このブログも毎週は難しいかも知れませんが、時間が出来たら、無理せず更新して行きますね。

それでは皆様、今年もクリニック共々よろしくお願い申し上げます。
m(__)m

夫婦げんか

ファイル 516-1.jpg

 昨日、朝7時。クリニックに到着する直前、急に激しくお腹が痛み出しました。部位は右の上腹部で肝臓を押すと痛みがありました。間歇的な痛みで下痢もあり、おそらく胃腸炎だろうと思ったのですが、あまりに腹痛が強く、とても診療どころではありませんでした。急遽休診にして、痛みの部位も心配で健生病院のERを受診しました。幸い検査結果に大きな異常なく、やはり胃腸炎との診断。それにしても腹痛が強く、冷静な判断が出来ませんでした。おそらくウイルス感染にアルコールや疲れが重なったのでしょう。健康は大事ですね。ご迷惑をお掛けした皆様にお詫び申し上げます。

 さて、昨日の夜、NHKのクローズアップ現代に見覚えのある顔が出ていました。福井大学の友田明美先生です。友田先生とは2年前の弘前のFOUR WINDSでも講演してもらって、それ以来のお付き合いです。先日、その友田先生から文庫本が贈られてきました。先生が新しく上申された本です。タイトルは「子どもの脳を傷つける親たち」。本の中で先生は明らかな虐待だけで無く、些細な行為であっても子どもが傷つく行為を全て「マルトリートメント」として大人はその行為を認め、改める必要があると述べています。NHKの番組では夫婦げんかが子どもに与える影響について解説されていました。力の暴力よりも言葉の暴力の方が子どもの脳に与える影響は大きいそうです。繰り返す夫婦げんかの心理的ストレスに曝されて育った子どもは思春期に切れやすく、他人との関わりが上手に出来ない大人に成長してしまいます。しかし傷ついた脳は愛情深く接してあげることで回復するとも述べられてありました。

 本には最新の脳科学の知見から親子の関わりの大切さが分かり易く解説されています。子育て中のお父さんお母さんだけでなく、広く一般の方々にも読んで欲しい良書です。

子どもの義務

 日本も批准している「子どもの権利条約」の話題です。そのアイディアはポーランドの小児科医コルチャック先生によるものです。「コルチャック先生」は映画や演劇にもなっていてご存じの方も少なくないと思います。小児科医の彼は文筆業でも活躍し、その収入の多くを貧しい孤児のために使いました。そしてユダヤ人であった彼は収容所に入れられていた子ども達と共にナチスによってガス室に送られ、殺害されたのでした。

 さて、先々週東京で開催された日本乳幼児精神保健学会FOUR WINDSで、ある先生が「子どもの権利」ではなく「子どもの義務」と述べていました。全ての子どもは幸せになる義務がある。権利ではなくて義務。大人は子どもを幸せにする責任があるということでしょう。権利ならその権利を行使しないという選択もあるわけで、そうではなくて子どもは幸せにならなければならない。大人は子どもを幸せにしなければならない。なるほどなと思いました。

ユニセフのHPに詳しく書いてあります。
「子どもの権利」の4つの柱とは
1.生きる権利
2.育つ権利
3.守られる権利
4.参加する権利

 子どもの権利条約では親が親としての責任を行使できるよう国はそれを支援することを締約国に義務づけています。さて、それを批准している日本はその義務を十分に果たしていると言えるでしょうか・・・。

 昨年、FOUR WINDSでコルチャック先生の足跡をたどるツアーを企画していました。行きたいのは山々でしたが、そんなにクリニックを休めず諦めました。リタイヤしたら行ってみたい国の一つです。


追記:昨日アップした記事を読み返し、義務やら権利やらなどと書くときっと脅迫的に感じる人もいるのではないか?などと思い直しました。
要は国が、地域社会が如何に家族を支援して行くかが大切なのでしょう。

ワクチンの恐怖?

本屋さんで医療に関する棚を見ていたら今小児科医のMLで話題になっている本を見付けました。
近藤誠さんが書かれた「ワクチン副作用の恐怖」
何とも医療従事者ではない一般の方が興味をひきそうなタイトルです。このタイトルにしたのは出版社の入れ知恵でしょうか。中をめくってみると、ワクチンの効果を頭から否定はしていませんが、因果関係が明らかでない副反応に注目し、また現在患者が少ない疾患はワクチン不要と取られそうな記述の仕方でした。
筆者はドクターのようですが、多分この先生は実際に患者を診たことがないのだろうなと思いました。またワクチンの歴史をご存じなのだろうかと訝しく思いました。昔、百日咳のワクチンを中止したら、再び百日咳が流行したことがありました。しかしこれを読んだ一般の方はワクチン不要論を信じるかも知れません。そしてワクチンを受けないという選択をするかも知れません。もしそうなって再びVPD(ワクチンで防げる病気)が猛威を振るうようになったら、それが原因で亡くなったり合併症を起こしたりしたらと思うと恐ろしくさえあります。ワクチンを受けずに、あるいは受けられずに、亡くなった多くの子ども達がいることを忘れてはいけません。

その本の隣に「手術してはいけない病気」という本もありました。別の筆者ですが、こちらの本には例の乳がんで亡くなられた歌舞伎役者の奥さんの事が書いてありました。彼女は根拠のない民間療法を信じ、受診のタイミングが遅れてしまったようです。最初に見つかった時点で手術すれば助かっていたはずと書いてありました。しかしその様な経緯をたどってしまった彼女、ご主人の葛藤があったのでしょうね。この本のタイトルは?ですが、内容は○かな〜。じっくり読んでいないから分かりませんが。

 更にその隣の本、「ブラック病院」。この本には都会のほとんどのクリックは金儲けに走り、まともな医療をしていないとありました。
この筆者はよほど酷い医者にしか掛かったことがないのでしょうね。
「よい病院」、「名医が居る病院」なんて本もある意味、かなりの問題本です。

本屋さんには似たような本が沢山並べてありました。何でもありの世の中なのでしょうかね。

コウノトリ

ファイル 513-1.jpgファイル 513-2.jpg

 今、話題のテレビ番組の話しです。先々週の放送を師長の赤平が観ていて、その内容を教えてくれました。子宮頸がんワクチンの話題だったようです。赤平が言うには偏ることなく正確に情報を伝えていて良かったそうです。子宮頸癌ワクチンは必要なワクチンであること、それでも一般の人は不安を抱いていること。医療関係者でない人がどのように考えているかがよく分かると言っていました。
 先週の放送を僕も観てみました。先週のテーマは産後うつでした。周産期(出産前後)、女性はホルモンバランスや体の劇的な変化、社会環境の変化、家族との関係性、育児のストレスなど色々な要因でうつになりやすいのです。ごく普通の母親の10%が周産期にうつ病を発症するというデータがあります。ドラマの主人公、産科のドクター達が真剣に向き合っているのが印象的でした。
 先日参加したある勉強会で同じテーマ、周産期のメンタルヘルスが取り上げられました。今ひとつ、産科の先生方の熱意が伝わっては来ませんでしたが、スタッフを連れて勉強会に来てくれること自体、𠮷としましょう。

 里が紅葉する頃、山の木々はもうすっかり葉を落とし、寒々としています。日曜日、八甲田では接近中の台風の影響か、お昼前から雨が降り出しました。それでも登っている登山客は少なからずいました。物好きというか何というか・・・。高齢者の団体山も2パーティ。標準語でしたから県外の登山客でしょう。予定を変更できなかったのでしょうね。

スペクトラム

ファイル 512-1.jpg

『スペクトラム』 元々は物理学で連続体のことをいいます。よく目にするスペクトラムが空の虹です。これは光のスペクトラム。光をプリズムで分解すると波長の短い紫色から波長の長い赤色まで連続的に分かれますが、決して七つの虹色にくっきり境がある訳ではありません。
 最近はスペクトラムというと自閉症スペクトラムがよく知られるようになりました。それで医療や療育関係者の間ではあの子はスペクトラムだなんて言うのを聞いたりします。これは自閉症の特性の強い子から、ほんの少しその特性を持つ定型発達(=正常)に近い子まで連続している事からそう呼ばれるようになりました。スペクトラムを言い換えると多様性ということでしょうか。僕自身、多少の自閉的特性を持っていると思います。師長の赤平は多少のADHDの要素を持っています。しかし社会生活上、取りあえず大きな困難は抱えていないので、そうは診断しません。一方、特性の強い子は早期に自閉症と診断されて療育に入ることで良い所を少しでも伸ばして、社会生活への適応を図ります。

 さて問題は、ある程度特性を持つもののそれと診断するのが難しい子ども達です。先の日曜日、秋田で開かれた小児心身医学会東北地方会。その大会長講演は秋田療育センターのW先生でした。彼の考えは様々な身体症状を訴える子がいる。その子達が自閉症の特性を少しでも持つならさっさと診断して然るべき対応を取ると講演しました。

 随分乱暴だと思いました。然るべき対応は必要ですが、僕はその子の行動、症状の意味を考えたいと思っています。そして環境調整を図る。そこに診断名は必要ではないと思うのです。極論すればどんな発達障害の子だって診断する必要は無い。診断すべきは病名ではなく、支援の方向です。本来なら診断名は不要なのです。

 そんな訳で僕は積極的に診断を付けることはしないようにしていました。そもそもが多様な子ども達なのですから、色んな子がいて良いんじゃないかと思うのです。
 僕の考えも乱暴なのかなあ・・・。

私、失敗しないので・・・?

「私、失敗しないので」
 誰もが知っているテレビ番組ドクターXの台詞です。もちろん手術で失敗されるのは困りますが、しかし世の中、全く失敗しない人はいません。それを分かった上での台詞でしょうが、時々、失敗を極端に恐れる子が外来に来ます。そこで彼らが失敗しない方法はというと、挑戦しないこと。失敗したくないからやらない。それはおそらく過去に失敗して、とても嫌な経験をしたことがあったから失敗したくないのでしょう。嫌な経験・・・そう、その代表は親から酷く罵られることでしょう。叱るだけならまだしも、子どもの人格を否定するような叱責はいけません。

 失敗や困難を乗り越える力をレジリエンスと呼んでいます。人間、生きていると様々なトラブルがあるものです。勉強や学校での人間関係、大人なら健康問題、仕事や金銭的な心配事などなど。子どもの内にそれらのトラブルを乗り越える力を身に付ける必要があります。それには何が必要か。まず基本的なベース、心の土台が必要です。それには親子の心の絆が基本となります。どんなに失敗しても、どんな君でもお母さんは君を愛していると。そこから子どもの心には自分は自分でいいんだという自己肯定感、自尊感情が生まれます。その土台が出来た上で今度は様々な経験が必要です。それには成功体験だけでなく失敗の経験も大切です。それらを糧にして子どもは失敗を乗り越える力を身につけて行くのです。だから失敗しても良いのです。

 米国の著名な児童精神科医アリシア・リーバマン先生の、FOUR WINDSの学会での講演で出てきたフレーズを紹介します。
Mistakes can be repaired(失敗は取り戻せる)

八甲田レポート:紅葉情報

ファイル 510-1.jpgファイル 510-2.jpg

 今年の八甲田の紅葉のベストは9月下旬と予想していました。朝から快晴となった10月初めの日曜日、案の定ベストには一足遅かったようで、毛無岱では既に茶色に変わった葉もありました。しかし朝日に照らされ、むしろコントラストが強く、それはそれで綺麗でした。絶好の登山日和とあってか、ものすごい数の登山客。8時前に酸ヶ湯に着いたというのにもう駐車場は一杯でした。山の中には他県訛りや日本語以外の言葉(おそらく中国語?)が飛び交っていました。きっと八甲田の美しい紅葉の情報が海外にも届いているのでしょう。ただ美しい紅葉が比較的手軽に楽しめるとでも伝わっているのではないでしょうか。軽装の人が多かったのが気になりました。

 大岳の山頂からは360℃の大パノラマを望むことができました。南は岩手山から八幡平の山々、その左は姫神山? 東には小川原湖と太平洋の海岸線(日本一の砂丘)、そして六ヶ所村の石油備蓄基地までくっきりと見えていました。西には岩木山とその後ろの白神山地。遠くに鳥海山は・・・? 秋になると空気が澄んで遠くまで見通せるようになります。長い冬の前の一瞬の輝きに思えます。

紅葉情報:酸ヶ湯の紅葉はこれから、今度の日曜日あたりがベストでしょう。奥入瀬は更にその1週間後でしょうか。