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夜泣きに「笑顔の無言療法」

 外来で赤ちゃんの夜泣きのことを相談されることがあります。僕は「良いお薬があるよ。漢方薬が8割くらいの子には効くよ」とお話しして甘麦大棗湯(かんばくだいそうとう)を処方します。これはクッキーの原料のようなお薬で甘くて飲みやすく、副作用はありません。もう一つ、抑肝散も夜泣きに使うことがあります。しくしく泣くような夜泣きに甘麦大棗湯が有効で金切り声で泣くような夜泣きには抑肝散が有効と言われています。また漢方薬には「母子同服」という考え方があります。これは子どもと同時に母親にも服用させるというものです。甘麦大棗湯は不安を鎮める働き、抑肝散はイライラを鎮める働きがありますが、赤ちゃんの夜泣きの原因は、母親の不安やイライラを赤ちゃんが間主観的に感じる(心と心が響き合う)ことによることが多いからです。
 夫やお姑さんとの意見の食い違い、アパートで赤ちゃんの泣き声がご近所さんにに迷惑になってはいまいかと心配したり、それらのお母さんのストレスを赤ちゃんが感じて夜泣きしてしまうことがあります。内藤寿七郎先生の「育児の原理」には夜泣きはいずれ治るものと家族もご近所の方も大らかに接してあげて欲しい、そうした思いやりが夜泣きを一番早く治すとありました。

 「育児の原理」にはもう一つ夜泣きの治療法が書いてありました。それは「笑顔の無言療法」。神経質な赤ちゃんに言葉をかけすぎると夜泣きが始まることがある。もしこれといって夜泣きの原因が見当たらない場合、言葉のかけすぎを疑って、1週間くらい“だんまり作戦”という無言療法が効果あることがあるのだそうです。これは声を出さないで笑顔だけで赤ちゃんに接し、かまわれすぎて高ぶった神経を鎮める治療なのだとか。
赤ちゃんの夜泣きでお困りの皆さん、一度試してみてはどうですか?
「治ったら普通の態度で接すること」とただし書きもありました。

バイオプシー

 先週金曜日、クリニックを休診にして1泊入院し、バイオプシー検査(生検)を受けてきました。組織を取って顕微鏡で見るのですが、ドクターは痛覚神経がない場所だから痛くない、無麻酔でやりますと言っていました。そうは言っても痛いものと覚悟はしていましたが、やはりちょっと痛かった。まあ我慢できる痛さではありましたが、10カ所も刺されては流石にもう無理と最後は叫びそうになりました。結果を来週聞きに行くことになっています。
多分、手術になるだろうと覚悟はしています。おそらく1週間程度の入院で済むと思うので、2月の22日の週をお休みして、3月から復帰、と思っているのですが、大学病院の都合もあるのでそう上手くいくかどうか。

 11月の採血で正常だった腫瘍マーカーが、ほんの1、2ヶ月でどんどん上昇するとは思いませんでした。12月に同じ検査をしたのは偶然で、それはホントにラッキーでした。しかし何故でしょう。やはり1年間のストレスで僕の免疫力が低下してがん細胞を叩けなくなっていたのかも知れないと思うのです。いつもなら山へ行ってレフレッシュするのですが、それも出来ませんでした。
少し仕事を減らして健康を取り戻そうと思っています。
 そんな訳で4月から診療時間を1時間短縮することにしました。そして自分のやりたかった医療をしようと思っています。健診や予約方法が少し変わります。詳しくは“お知らせ”に載せることにしました。近日中にupしますのでご覧ください。

八甲田レポート:樹氷の森

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 久々の大自然レポートです。

 昨年11月に始まった腰痛も少しずつ癒え、なんとか雪かきもできるようになりました。衰えた体力を取り戻すにはやはり山へ行かなきゃと日曜日空をにらみながら八甲田へと出掛けました。北や南では暴風雪で大変だったようですが、何故か津軽地方は穏やかに晴れていました。出発が遅れ、八甲田大岳は諦め、その隣と硫黄岳を目指しました。標高は大岳より200m低く、仙人岱ヒュッテより僅かに高いだけです。幸いトレース(登った跡)が着いていて、自分でラッセルすることなく随分と楽をしてしまいました。しかし今の自分にはそれで充分。無理せず少しずつハードルを上げるつもりです。

 さて、今年は里も少雪ですが、山の積雪も例年より1mは少ないようです。樹氷も貧弱でいつものモコモコのモンスターにはほど遠く、痩せて枝が見えています。しかしそれでも広々とした斜面に樹氷の森が広がる様は壮観です。やはり自分には山が合ってる、山を登ると気が満ちるように思えます。今年はまた山を登ろうと思ったのでした。

 昨日の大雪で積雪はようやく平年並みになったようですね。昨日の新雪、今日は今日で除雪車が置いていった固い雪を片付けるのに二日連続で朝から汗を流していました。これもトレーニングの一環と信じて (^_^;

先を見通した診療とは

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 先週土曜日の午後、県の主催する発達障害者支援フォーラムに出席してきました。このフォーラムは毎年この雪の季節に開催されています。今年の講演は国立重度知的障害者施設のぞみ園のS先生。自閉症のある子ども達の生涯を通しての支援のあり方についての講演でした。ある一人の自閉症の方を設定し、その方が生まれてから80歳でなくなるまでの一生のストーリーを講演されました。想定されるライフイベント・・・診断、就学、就職、病気、そして老後生活、そしてそれらを支援する社会的課題。自閉症、その基本的な特性は生涯続きます。自閉症の子ども達を診るときその将来を見通した目で診ていく必要があるのでしょう。

 でもそれは何も発達障害に限ったことではないように思います。
例えば安易な抗生剤の使用が将来のアレルギーの引き金になったり、タミフルの使用は熱を2、3日早く下げることはできますが、インフルエンザに対する強い免疫が出来なかったりします。子ども達に関わる全てのこと、それが将来にわたって有意義かどうかを考える必要があると思ったのでした。

 ところで僕は自閉症を病気や障害とは思っていません。独特の特性を持っているだけなのです。特性とは性格みたいなもの。しかしその性格のために生きにくさがあったとしたらそれは支援が必要です。無理解が軋轢を生み、繊細な彼らは鬱などの二次障害を併発します。二次障害は治療が必要ですし、二次障害を起こさないような環境調整が必要なのです。

写真は講演会の帰りに立ち寄った物産館Aファクトリー。沢山のミニ灯籠が歓迎してくれていました。でもちょっとバランスの悪い写真だなあ (^_^;

ご褒美とお仕置きと

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 昨年1年間、学会開催ため山へも行かず忙しく準備していました。お陰で盛況の内に終えることができ、弘前大会は成功だったと言って良いでしょう。その自分へのご褒美で1月9日を休診にして3連休とし、ニセコへボードに出掛けました。しかしこの1年間、ほとんど運動らしい運動もせず、体力は落ちる一方。ボードも結構体力を使うスポーツです。体を動かそうにも思うように体が動きません。少し滑っただけで直ぐに疲れ、足腰が言うことを効かなくなります。思う存分楽しむとは行きませんでした。むしろ自分のふがいない滑りに落胆することしきり。まあそれでも友人達と楽しい一時過ごすことができたのは良かったです。

 ただ、実は旅行の直前に自分でやった検査(腫瘍マーカー)でちょっと心配な値が出ていました。旅行中、そのことが気にならなかったとは言えば嘘になります。検査結果を山岳部の先輩に相談したところ、「それはバイオプシー(生検:組織を採取して顕微鏡で見ること)した方が良い、国立病院に紹介状を書いてあげる」と言われ、急遽、連休明けの12日午前中を休診にして、受診してきました。やはり国立病院の先生にも検査しましょうと言われて、1月末に検査入院することになりました。これは何かのお仕置きでしょうか。少しは自分の体をいたわりなさいという忠告でしょうか。まあもし悪性だったとしても初期の段階で重症度は低いと思うのですが、またクリニックを休診にしなければならないのは気が引けます。開腹なんてことになればまた体力がなくなるな〜 (v_v)

 まあこの年になるとあちこちにトラブルが出てくるものなのでしょう。それと上手に付き合おうと思っているのですが・・・。

 写真はニセコの最終リフトから30分程登ったニセコアンヌプリの山頂です。ここからの滑走はふわふわの深雪で最高でした。

新年のご挨拶

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皆様、明けましておめでとうございます。

 今年の正月は腰痛のため恒例の八甲田登山を諦め、のんびりと過ごしていました。毎日、アルコールが入り、体重は2kgも増加。ズボンのホックがきつくなってきました。
 今年の元旦、山岳部の後輩から届いた年賀状に「そろそろカラを破っては?」と書かれてありました。彼は学生時代、素晴らしいクライマーでした。数年前に勤務医を辞め開業した後、再び精力的に山を登りだしたようです。日々体を鍛え、今も先鋭的な登山を続けています。毎年、冬山を登る写真の年賀状が届きます。今年は剱岳の登頂写真でした。剣は夏でも険しい山ですが、雪山となると技術的にも体力的にも遙かに厳しい山です。彼も既に50歳代、その年で雪の剣を登るなんて大したものだと感心してしまいました。卒業後、彼はとても優秀な脳外科医へと成長しました。しかしおそらくもう手術はしていないでしょう。優秀な脳外科医という殻を被っていたのかも知れません。そういえば自分も小児科医に成り立ての頃、自分の進むべき道はこれで良かったのかどうか疑問に思ったことがありましたが、小児科医になって既に30年以上が過ぎました。職業が人を作ります。初めは疑問に思ったこともある小児科医の道でしたが、今ではすっかり小児科医そのものです。もしそれが殻だとしても相当に強固な殻です。そう簡単には破れそうにありません。しかし今でも時々、冒険をする自分の姿を夢見ます。果たしてどちらが本当の自分の姿なのでしょうか。
多分、どちらも本当の自分ですよね (^_-)-☆
人は多面性を持って社会で暮らす生き物ですから。

写真は3年前の正月に行った八ヶ岳の大同心、お地蔵さんみたいな大きな岩峰です。
今年の正月は写真を撮らなかったので・・・。
今年はまた山を登り、写真を撮ってくるつもりです。良い写真が摂れたらまたupしますね。クリニック、HP共々ご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

今年の漢字

 毎年、漢字の日に清水寺で発表される「今年の漢字」は「安」でした。日米安保の「安」なのでしょうか。安心安全の「安」といかないところが残念です。各界の知識人達が今の日本を危惧しています。戦前の日本と同じ匂いがする、ひょいとあの時代に戻ってしまいそうな予感がする・・・などなど。積極的平和主義とは戦争放棄を積極的に世界にアピールすることだと僕も思うのですが、国のトップはそうは思っていないようです。次の時代を担う子ども達が心身ともに健やかに過ごせる平和な世の中を残してあげたいという思いは皆同じでしょう。その方法の話しなのですが・・・。親子という基本単位を支える地域社会、そして国という大きな単位。それらは密接に繋がっています。決して先の時代にあと戻りしないよう我々はしっかりと世の中の動向を見据える必要があると思っています。

 さて、当院の今年の漢字は・・・やはり「忙」でしょうか。兎にも角にも忙しかったです。完全にフリーの休日は全くなく、後半はほとんど山へ行けませんでした。帰るのも遅く、お陰で朝の自転車も乗れず、体力は落ちる一方。しかし学会を準備の過程は新しい人の輪を構築する過程でもありました。全国学会を主催することで得られたものは大きかったです。今回の学会を一度限りのもので終わらせることなく、子どもの心の学びを続け、地域との関わりを持ち続けることを実行委員の皆で誓いました。

 雪のないクリスマスイブですが、今週末には雪が降るようです。寒さも厳しくなるでしょう。皆様、お体ご自愛ください。そしてよいお年をお迎えください。

胃カメラ

 開業してからというもの、自分自身の健診と言えば血液検査だけで胃や腸の検査は受けてきませんでした。しかし自分もおじいちゃんと呼ばれてもおかしくない年となり、そろそろ自分もしっかり健診を受ける必要があるのかしらと、去年から医師会がお膳立てしてくれている半日人間ドックなるものを受けています。今年も11月末の日曜日、その人間ドックを受けてきました。血液検査だけでなく、便、尿検査、胃の透視、眼底検査、聴力検査などなど。
 案の定、体の様々な箇所が悲鳴を上げていました。まず左の聴力低下。これは片側性でもしかして滲出性中耳炎?と思いお薬を内服し、今年は少し改善。眼底の神経乳頭陥凹。これはまだ受診していません。今年もD判定(要精査)。そろそろ受診しようかしら。両腎嚢胞に胆管拡張。これは今更しょうがない。去年の胃潰瘍疑いを放っておいたら今年は胃ポリープ疑い。これはちょっと不味いかなと知り合いの内科医に相談したら急遽内視鏡の検査をすることになりました。金曜日午前の診療を12時で切り上げ、鼻からカメラを入れて内視鏡検査を受けてきました。結果は2、3個の胃腺腫。良性の腫瘍ですが、(これが悪性化することもあるし)まあ3年に一度内視鏡検査を受けると良いでしょう・・・だそうです。取りあえずは安心して良さそうです。

 他にも血圧は高いし、腰も痛いし、全身ががたがたです。まあ老いると言うことはそういうことなのでしょう。上手に老いと付き合って、今自分が為すべきことを為すしかないのでしょう。

 これからは少し体の負担を減らして、上手に生きて行こうと考えていたのでした。

60点主義

 内藤寿七郎とうい日本で初めてシュバイツァー博愛賞を受賞された著名な先生がいらっしゃいます。日本小児科医会の初代会長だったそうです。7,8年前に101歳でお亡くなりになったとか。先輩の先生から話を聞いただけで、自分では直接お目にかかったことも講演を聴いたこともありません。その先生が書かれた「育児の原理」という本があります。ベビーカーのアップリカから発行されており、一般の書店では手に入りません。その中古本をアマゾンで手に入れました。今日の話題はその中から。

児童心理学者の故波多野勤子さんのことが紹介されていました。
波多野さんは商家に嫁がれ、家業の手伝いから家事まで心身ともに休まる暇もありません。
そこへお子さんが生まれました。
これ以上はもう無理だと悩み、考えぬいた末に「そうだ六十点主義でいこう」と思いついたのだそうです。
すべてに百点満点を目指すから身動きがとれなくなる。
六十点ならなんとなかるのではないか、
一度そう決めると、心に余裕ができて、
お姑さんとの間も、家業も家事も育児も、
今までより、かえってうまく運んだそうです。

完璧を求める必要はありません。bestを求めるとお母さんだけでなく赤ちゃんも疲れます。good enough、ほどよく良ければそれでOK。

内藤先生は書かれています。
何がいちばん赤ちゃんにとって必要なのかを考える心のゆとりを持ちましょう。
それだけをする。
そしてそれ以外のことは、思い切って手を抜いてみてください
と。

腰痛

 弘前大会も無事終わり、残務整理もほぼ片付き、後は報告書を作るだけ。久し振りで山へ行こうとそぞろ準備を始めていたのが、先週の中頃から急に腰が痛み出し、歩くのもままならないほどになってしまいました。最初は単なる筋肉痛かと高をくくり、安静にしていればそのうち良くなるだろうと、連休はどこへも行かずのんびりと過ごしていました。しかし一向に良くなる気配さえなく、寝返りすることさえままならず、これはちょっと不味いかもと水曜日を休診にして、近所の整形外科を受診してきました。
腰のレントゲン写真だけでなく、MRIまで撮りましたが異常なし!!
3週間ほどでそのうち治るでしょうだって (@_@;)
予感が当たりました。きっと異常なくて鎮痛剤と湿布を処方されるくらいじゃないかと。
そういえば10年以上前に四十肩で辛かったときもそのうち治ると言われたっけ。しかしいつまで経っても治らず、テレビや本で紹介されていたリハビリをやったらどんどん良くなりました。今回もそのうち治ると言われましたが・・・。

 小児科もそうですが、きっと整形外科も重い病気は治療法も研究されているのでしょうが、“大したことのない”病気には整形外科医もあまり関心がないようですね。医者には大したことなくても患者は結構辛い。
自分も子ども達の些細な症状を“大したことない”と冷たい対応をしているのかも知れないなと振り返り反省していました。

そんな訳でまだしばらく大自然レポートはおあずけです。

悪しからず m(_ _)m