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インフルエンザワクチンの接種回数

 インフルエンザワクチンの接種回数ですが、小学生以下は2回となっています。それを当院では小学生以上は前年度の接種歴があれば1回でOKと言うことにしていました。
実はこれは当院だけの「ここだけルール」
なぜそんなルールでやっているかというと、諸外国では小学生の年齢の子ども達は1回接種となっているそうです。またWHOでも3歳以上は前年にインフルエンザワクチンを接種してあれば1回としています。事実、1回接種と2回接種の効果を血液検査で比較するとそれ程、差がないそうです。そして当院を掛かり付けにしてくれている少しでも多くの子ども達に当院で接種してあげたい、そんな理由から「ここだけルール」でやっていました。
 ではなぜ日本では一般に小学生は2回接種なのか。以前、日本ではインフルエンザワクチンの接種量が年齢に応じて細かく設定されていました(本当にそれが有効かどうかの評価は別にして)。その時、小学生は1回0.3ml。それを2回接種していました。3年ほど前から日本も諸外国と同様に3歳以上は1回0.5mlに増量されました。その際、接種量は増えましたが、接種回数の見直しがなされていませんでした。そんな諸々の事を考慮して当院だけのルールで小学生は前年に接種してあれば、1回でOKとしています。

 先日のこと、ある小学生がインフルエンザワクチンの接種で受診しました。お母さんに聞くと前の年はやっていなかったとのこと。「今年は2回接種しましょう。でも来年は1回で良いよ」というと、その子は「じゃあ先生、今年3回やれば来年はやらなくて良いの?」と聞いていました。
「君、頭良いねえ! そうだね、今年3回やれば来年やらなくて良いかもね。3回やる?」「いや、止めておきます。」もちろん、毎年、接種する株が変わるので、もし今年3回やったとしても来年やらなくて良いと言うことにはなりませんが、それにしても素晴らしい発想です!!
我々、大人になると、常識という鎖に縛られ、そんな自由な発想がなくなってしまいます。
子ども達の自由な発想を大事にしたいと思っています。
実は我が子の自由な発想をつぶしてきたのではないかと今更反省しているのでした。

響き合う心

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 2年以上の時間を掛けて準備してきたFOUR WINDS乳幼児精神保健学会弘前大会が終わりました。幸い参加者500人を越える大盛況の会となりました。
紅葉も散り急ぐことなく、何とか雨も降らず、天も少しだけ味方してくれました。

 参加者からは沢山のお褒めの言葉をいただきました。本当にありがとう。
 ある友人に人と人とのつながりの暖かさが伝わってくるとても心地の良い会だったとメールが来ました。彼からは会場で帰り際に会の最初から最後まで僕の想いがよく伝わってきたと言われました。それを聞いて本当に嬉しかった。別の先生からは学会で涙が止まらないという経験は初めてですとメールが来ました。そのメールを聞いてまた胸が熱くなりました。

“響き合い”というテーマで二日間開催された弘前大会でしたが、響き合いという言葉と、その言葉に広がりを持たせ構成したプログラムは自分の狙い通りに、参加者の心に響いたようでした。最後の閉会の挨拶で感無量で言葉に詰まってしまいました。壇上で涙をこらえるのに必死でした。まさか自分がここで胸が熱くなり、言葉が出なくなるとは想いもしませんでした。しかしそれでも会場からは暖かい拍手、会場の全ての参加者と心が響き合ったようでした。

 やっと終わりました。しかしこれはただ種を蒔いたに過ぎません。その種に水をやり、芽を出させ、大きく育てなければなりません。燃え尽きてはいられません。
このブログもまた更新して行きますね。

FW弘前大会 市民公開講座

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 2年以上前から準備してきたFOUR WINDS学術集会、いよいよ目前に迫りました。弘前大会ではで二つの市民公開講座を用意しました。
米田怜美先生と堀内勁先生の講演です。

 米田さんは全盲の方で「赤ちゃんの頃の私に伝えたいこと」というタイトルでお話ししていただきます。「辛いことはあったけど、人生捨てたもんじゃ無い」・・・とても肯定的な生き方をしてこられたご自身の体験のお話しです。

 堀内勁先生は聖マリアンナ医科大学の名誉教授で、日本で初めて未熟児にカンガルーケアを導入した先生です。講演のタイトルは「親と子とであい〜心と身体のふれ愛のかなで〜」。愛着をメインテーマに講演をお願いしました、とてもお話しの上手な先生です。是非沢山の方々に聴いて頂きたいと思っています。事前申し込み不要、無料です。皆様のお越しをお待ちしております。

八甲田レポート:紅葉

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 八甲田の紅葉、今がベストと知ってはいても、2週続けての日曜日の急患診療所昼間の当番、今年の八甲田の紅葉は諦めていました。しかし奥さんのとても綺麗だったよとの声に背中を押され、診療所が始まる前までに帰ってこようと、朝5時に家を出て毛無岱まで行ってきました。しかし生憎の空模様。紅葉もくすんで見えました。まあそれはそれで嫌いではありません。久し振りの山の空気に癒され、少しだけパワーを充填してきました。

 学会まであと1ヶ月を切り、最後の詰めの作業に追われています。

マイ保育所

 以前、新聞でも報道されましたが、県のモデル事業としてマイ保育所なるものが、10月1日から津軽地域のいくつかの保育園で実施されます。その内容は体調不良児の預かりと代理受診。体調不良児とは微熱や少しの下痢程度の症状の軽い児のこと。ただ、これには医療機関を受診する前の子も含まれるそうです。代理受診とは親に代わってその児を医療機関に受診させること。
 症状の軽い体調不良児のお預かりはまだ良いのですが、受診前の児の症状が本当に軽いかどうかを誰が判断するのでしょう。まして代理受診なんて誰が言い出したのでしょう。その話を初めて聞いたとき返す言葉がありませんでした。自分で病児保育をやっていますが、僕はそれは必要悪だと思っています。本来ならばない方が良い。どうしても休めないときに最後の砦として子どもをお預かりする。ただし子どもの心に最大の配慮をして。しかし代理受診は少し違います。例えば保育園で子どもが体調を崩したとき、母に代わって医療機関を受診する。それはあまりに就労保障に傾いて子どもの心を蔑ろにしていると思うのです。体調が悪く、保育園に連れて帰れないときはそのまま病児保育室へ連れて行く・・・それはたらい回しというものです。

 そんな理由で僕はマイ保育所の協力医になることはお断りしていました。
安保法案も可決されてしまいました。世の中が危機的状況に陥ったとき、一等最初にしわ寄せが来るのは子どもとお年寄り。子どもを大事にしない国は滅びます。何だか日本の将来が不安でなりません。

かくれんぼの心理

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 先々週の日曜日、慶応で開催されたFOUR WINDSのセミナーに参加してきました。今回は事例検討。岐阜の臨床心理士の先生が報告した事例に小倉先生という著名な児童精神科医がスーパーバイズ(カウンセラーのためのカウンセリング指導)するのですが、事例そのものもさることながら、スーパーバイズの質と内容に圧倒されました。感動すら覚えた2時間半のセミナーでした。
 かくれんぼは発表者の臨床心理士がカウンセリングを進める中で子どもが取った行動です。子どもと心理士が面接の回を重ねるうち、親しくなり、ある回の面接の始まりで、子どもが診察机の下にふざけて隠れるのです。それを小倉先生は「ああ、この子はかくれんぼしたかったんだね。それまでお母さんとかくれんぼ出来なかったんだ」と言われました。会場の皆が大きく頷きました。

 さて、かくれんぼの心理とは。かくれんぼする時、自分を探して見付けてもらえるという安心感がないと隠れられませんよね。ちょっと不安な子はわざと見つかるようにサインを出したりします。つまり親とかくれんぼで遊べるためには、それまでにしっかりと親子の絆ができていることが必要です。安定した愛着が形成され、心の中にお母さんお父さん像が出来てくると子どもはかくれんぼ遊びができ、家の外へも遊びに行けます。直ぐ目の前にお母さんの姿が見えなくても直ぐには不安になりません。では心の中のお母さん像を造るにはどうするか。それには親子の心を響き合わせ、子どもの甘えを受け止め、強い信頼関係を造ることです。そう書くと大げさですが、穏やかな気持ちで、抱っこして、視線を合わせ、お話しする・・・なんだ普通のことでした (^_^; 。でもその普通のことが難しくなっている今の世の中なのかな。

写真は8月の終わり、鯵ヶ沢の海水浴場です。

還暦のお祝い

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 8月28日は僕の誕生日です。今年、僕は還暦になりました。その日、スタッフの皆は写真の様なケーキでお祝いしてくれました。プレゼントは着ている写真のTシャツ。アンパンマンの愛と勇気(背中にそう書いてある (^_^)v )のTシャツです。
還暦とは暦が一巡りし、干支が元に戻ることをいいますが、よく還暦に赤いちゃんちゃんこを着たりします。その理由は60年で生まれた干支に戻り、赤ちゃんに戻るという意味があるそうです。60才となってまた赤ちゃんに戻り人生の再スタート。良いんじゃない?

 還暦を迎え、身体は衰えつつありますが、気持ちは益々若くありたいと思っています。まだまだやりたいことは沢山あるし、まだまだ勉強もしなければなりません。今は秋の学会のことで頭が一杯ですが、来年からは自分のやりたいこと、やりたい診療をしようと考えていました。クリニックも開設し15年が経ちました。来春、少しバージョンアップするつもりです。自分の体力にあった、自分のやりたい診療をしようかと。待ち時間を減らすための工夫や、専門外来の創設等々。どれもちょっと難しい課題ですが、もう残された時間はそんなに長くない。しかし前向きに生きたいものです。

甲子園

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 夏の甲子園が終わりました。今年も数々の熱戦が繰り広げられ、若い高校球児達の活躍が茶の間やマスコミを賑わせたようです。自分はテレビを見る時間も無く、後からニュースで結果を知るだけでしたが、今朝のニュースで生徒の気になるコメントがありました。「自分はこれまで楽しいと思って野球をやったことはありません。勝つために頑張るだけです」と。
きっと彼は本当に必死で頑張ってここまで来たのでしょう。後から振り返って楽しかったと思えるのかもしれませんが、もし本当に楽しくなかったのだとしたら、それはとても残念なことです。

 甲子園の映像をみていつも気になるのはスタンドで応援しているグランドに出られなかった野球部員達です。彼らはどんな気持ちで試合を観ているのだろう。あるいは球場に行くことも出来ず、途中で挫折して辞めてしまった子ども達がきっといるはずです。その子たちはどんな思いでテレビを観るのだろう。外来に体や心が悲鳴を上げて受診するスポーツクラブの子ども達が来ます。未だに練習中に水を飲むなという指導者がいることも信じられませんが、強くなることだけにこだわり、勝つことだけにこだわっていると、心は疲弊します。技量がなかなか上達しなかったり、負けたりした時、むしろそれを糧にし、心が育つような指導者がいると良いのにといつも思うのです。多分、そういうクラブの子ども達は病院には来ないのでしょうね。

 お盆の休みを利用して北海道の子ども達に会うついでに、奥さんと釧路川でカヌーをしてきました。川の水は冷たく透き通り、大自然を堪能してきました。しかしやはり秋の学会のことが頭から離れず、心からリラックスして楽しむことが出来ませんでした。後2ヶ月です。ちょっと焦っている毎日です。

ジオラマ

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 以前もこのブログで書いたことがありますが、僕が医学部を卒業して間もない頃、パキスタン・カラコルム山脈のユクシン・ガルダン・サールという7000m級の山を登ったことがあります。1984年の夏です。日本を出る時は未踏峰でした。残念ながら初登頂は逃しましたが、かなり困難なルートからの初登攀でした。今思うとよく登ったなと感心します。僕の数少ない勲章の一つです。
 先日、僕とザイルを組んで一緒に登頂した広島の精神科医、Aさんが、アルミニウムの塊を持って遊びに来ました(もちろん彼が弘前に来た目的は別ですが)。
ユクシン周囲の精巧な模型でした。
なんでも最近保険に入ったら担当の保険屋が山好きな人で、我々が登った山の模型をNASAの衛生写真から作成し、プレゼントしてくれたのだそうです。アルミと言ってもかなりの重量でよく広島から持ってきてくれたと感心しましたが、秋のFOUR WINDS弘前大会にまた来るからその時まで貸してあげると置いて行きました。飾ってくれと。
 その模型を玄関に飾ってよとスタッフに渡したら、あっという間に写真のようなジオラマを作ってくれました。これにまたびっくり。

 もう僕の人生も終盤で体のあちこちにがたが来て、同じような山登りはできませんが、憧れだけは今も持ち続けています。
学会が終わって少し暇になったら、また山旅をしようと考えていました。

舌下免疫療法

 以前、このブログでも書いたかも知れませんが、舌下免疫療法という新しいアレルギーの治療法があります。これは皮膚から浸入する異物(主としてタンパク質)に対してはアレルギー反応を起こすが、口から入る物に対してはアレルギーを起こさない、耐性を獲得できる(治る)という体内の反応を利用した治療法です。既にスギの花粉症治療で実用化されています。スギの花粉のエキスを口に含むことでスギ花粉に対する耐性が獲得できます。これは抗ヒスタミン剤などの単なる対症療法ではなく、アレルギー体質そのものを治療するわけで画期的と言えます。

 それと同じ方法でダニに対する舌下免疫療法が開発されたことが、今週の「ためしてガッテン」で紹介されていました。子どもに使えるのはまだ先のことになるでしょうが、期待できます。近年、様々なアレルギーに対する考え方、治療法が変わりつつあります。食物アレルギーについても不要な食物制限は反って重症の食物アレルギーを引き起こす可能性があることが分かってきました。食べられる範囲で積極的に食べた方が食物アレルギーは治るのです。我々は常に知識を更新しなければならないし、新しい知見を社会に情報提供して行くことが大切だと考えています。

 スギやダニの舌下免疫療法はスギやダニ単独のアレルギーがある患者では有効ですが、複数のアレルギーがあるとその効果は限定的です。将来、それぞれの人が持っているアレルギーに合わせた、オーダーメイドできる混合タイプの舌下免疫療法が開発されるといいななんて夢見ていました。