ケーキの切れない非行少年たち

講演・学会・検診

 

先週、三重県の津市で日本小児保健協会の学術集会にシンポジストとして発表を依頼され、出掛けてきました。久し振りの対面での学会参加でした。大勢の参加者を想像していたのですが、最近の学会はほとんどが現地参加とオンラインとのハイブリッドで開催され、広い学会場は混雑することもなく、隣の人とも間隔を開け、ゆったりとした配置でした。しかしその所為か自分の発表も聴衆は2〜30人ほどと肝散としていたのはちょっと残念でした。

 

その学会で今日のタイトルの本を書いた宮口幸治さんの特別講演がありました。迂闊にも僕はその本を知らなかったのですが、かなり売れた本だそうです。

タイトルから想像して、ぶきっちょさんの話しかと思ったのですが、そうではなく人の認知機能の話しでした。つまり非行少年たちの多くに、ケーキを上手に3等分できない子ども達がいるというのです。

 

普通、丸いホールケーキを3等分するように指示されると、中心から120°づつ3つに切り分けますが、写真の様に真ん中で2つに切って、更に切り分けた片方を更に縦や横に切り分ける子がいるそうです。これでは3等分にはなりません。あるいは少し複雑な図形を模写させると全く書けない、立方体の図すら模写できない子どもがいる。それは単に知的水準の話しではなく、認知機能の歪みが原因だと言うのです。その子ども達に通常の認知機能を持つ子ども達と同じ教育をしてもそれは分かるわけない、その子ども達に合った教育をするべきだと主張していました。

 

目からうろこでした。

常々、子どもの特徴に合わせた教育をと主張していましたが、なるほどこういうように彼らの認知機能を正しく理解し、具体的にアドバイスするべきだったんだと思いました。それを教育関係者にお任せしたいたところがありますが、自分も更に勉強しなければと思わされた学会でした。

 

現地で参加し、目の前で講演するのを聴くのはオンラインで聴くよりより理解度が高まる気がします。おそらく講師の熱意が直に伝わって来るからでしょうね。

学会もきっとこれから、少しずつ以前のようなスタイルに戻って行くのかなと思いました。もちろんこのコロナ禍で生まれた新しいスタイルを共存させることが必要でしょうが・・・。

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