タンポポの花とランの花

院長のつれづれ

 最近時々、うちの子はHSCですか?という質問を受けるようになりました。それまで自分はその言葉を聞いたことがなく、全く知識がありませんでした。ネットで調べると、HSCとはHyper Sensitive Childの頭文字だそうで、直訳すると過敏な子、繊細な子という意味になるでしょうか。アメリカの学者が提案し、その概念が日本に導入され、近年急速に保育関係者を中心に広まってきたとありました。
 これは子どもが生まれつき持っている気質の話しで 、病名ではありません。しかし貴女のお子さんはHSCですねといわれた親はさぞかし不安になるだろうなと心配になりました。

 僕が教えを請うている渡辺久子先生はもう四半世紀も前から子どもの気質を「タンポポの花タイプ」「ランの花タイプ」と分かり易い言葉で説明されています。「タンポポの花タイプ」のお子さんは踏まれても踏まれても逞しく花を咲かせる。しかし「ランの花タイプ」のお子さんは繊細で水やりや日当たりなど丁寧に世話をしないと花を咲かせない。でもそうやって手を掛けてあげると素晴らしく美しい花を咲かせてくれる。丁度そのランの花タイプがHSCなのだろうと思いますが、ランの花と言われた方がなんだか暖かく素敵ですよね。
 繊細な気質のお子さんの子育ては少し大変かも知れませんが、基本は親御さんが、関わる周囲の大人が気持ちを大らかにして愛情深く接することと思います。ただ悩むお母さんには周囲のサポートが必要でしょう。

 HSCと言われて何のことか分からず始めは動揺しましたが、調べてみて、お母さんを不安にさせるようなそのような言葉はあまり感心しないなと思いました。

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