八甲田レポート:早立ち

院長の大自然レポート

 こんな時、何をのんきにと言われそうですが、日曜日ボードを持って、また八甲田へと出掛けました。

 学生時代、山は早立ちが基本と先輩から教えられました。夏の北アルプスは午前中天気が良くても、お昼頃から雲が沸き出し、午後は雷が鳴ることもよくありました。それで夏山では午前3時頃には起き出し食事を済ませ、日の出前に早立ちします。お昼頃には目的地に到着することもありました。それは天気のためだけでなく早立ちして時間に余裕があると気持ちにもゆとりが生まれ、何かトラブルがあったとき、冷静な判断も可能となるからです。

 日曜日、天気予報では晴れ。朝、空を見上げると高曇り。午後には晴れることは分かっていましたが、長年の山登りで染みついた習性でやはり朝7時には家を出ました。酸ヶ湯に着くとまだ気温は低く、雪は硬く凍っていました。前回アイゼンの話しを書きましたが、硬い雪を登るときもう一つ必須アイテムがあります。それはピッケルです。ピッケルとは登山用のつるはしみたいな道具です。最近、そのピッケルを捜しているのですが、どこに仕舞ったものか見つかりません。ピッケルと言えば武士の刀。刀がないなんて武士とは言えない、僕ももう登山家とは言えないなどと思いながら代わりにストックを突いて登っていました。
 頂上直下、既に10時を回っていましたが、まだ雪は硬く、ボードで滑り始めたのですが、転ぶとダメージが大きく怪我をしそうです。結局上部はほとんど横滑り。少し雪が柔らかくなった下部でようやく少しだけ滑りを楽しんだのでした。

 さて、いよいよ青森県でも新型コロナが出てきました。今の所、感染経路がはっきりしているケースだけですが、早晩東京のように感染経路不明の事例が増えてくるでしょう。志村けんさんが亡くなられました。驚きと不安が日本中を覆ったのではないでしょうか。感染症情報にも書きましたが、この新型コロナの流行は長期戦になりそうです。
 自分がCOVID-19の治療に携わることはないでしょうが、それでももしそれが疑われるような子が受診したとき、トリアージ(重症度と治療の優先順位の判断)は必要です。それに病気は新型コロナだけではありません。赤ちゃんの予防接種も大切です。子ども達の心のケアも続けなければなりません。そのためにはまずは自分が罹らないようにしなくてはいけません。ましてや知らずに移ってそれを他の子ども達に移す訳には行きません。
 更に緊張感を持って診療しています。

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