子どもとコロナ

講演・学会・検診

 弘前では連日のように新規感染者が報道され、皆様の不安が大きいのはよく分かります。このブログで以前、子どもはコロナに罹りにくいし罹っても軽症と前に書きましたが、まだまだ子どもが罹ってしまったらと不安に思われる方が多いようです。以前、弘前にお呼びし子宮頸がんワクチンについて講演していただいた長崎大学の森内浩幸先生が日本臨床ウイルス科学会で「COVID-19と小児」をテーマに講演したというニュースを読みました。その内容をかいつまんでお伝えします。

 先生は講演で「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は子どもにとっては基本的に風邪のウイルス」と述べたそうです。
「日本だけでなく世界でも18歳未満の感染者は少なく無症候性のことが多い。日本では現時点で子どもの死亡例はない。子どもにとって危険なのはコロナよりもインフルエンザ肺炎でさらにインパクトが大きいのがRSウイルスである」
もちろん講演ではその裏付け、科学的データを解説されたと思いますが、難しいことはここでは省きます。

 感染経路は家庭内での感染が主。
「インフルエンザは子どもが流行の中心で、学校の流行から社会に広がって行くが、SARS-CoV-2は社会の中の流行からウイルスが家庭内に持ち込まれ、子どもが感染するという逆の構図である」
そして更に「感染対策としてゼロリスクを求める過剰な対応は非現実的で、バランスの取れた対応策を立てる必要がある」と協調されたそうです。

 そのバランスを取るのが難しいのでしょうね。子どもにとっては風邪のウイルスであったとしても高齢者にとっては極めてリスクの高い感染症です。高齢者に対する感染防止対策と、それ以外の感染防止対策とを分けて考える必要があるのでしょう。

 少なくとも弘前の休校措置はSARS-CoV-2の流行の阻止という意味では過剰な対応のように思います。
子ども達はまたゲーム三昧のようです (v_v)

 さて、Withコロナ、新しい生活様式とはどんな生活様式なのでしょう。
皆がマスクして半分顔を隠したままの社会・・・違和感を感じます。
人と人との関係性に問題が生じないものかと危惧しています。

写真は中野もみじ山の近く、浄仙寺の紅葉です。

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