現実世界と仮想世界

その他のつれづれ

 最近IT技術の進歩は目覚ましいものがあります。自分でも学会の会議はほとんどZoomになりました。バーチャル空間でのプレゼンテーションやら授業なども現実のものとなってきました。おそらくこのコロナ禍でソーシャルディスタンスが当たり前となり、それがITの技術開発を後押ししているのでしょう。

 先週、金曜ロードショーで細田守監督の「竜とそばかすの姫」が放送されました。そこに描かれたのは仮想世界で活躍する歌姫の“Bell”と乱暴で嫌われ者の“竜”。そして現実世界の歌が好きな“すず”と父親から虐待されている少年“恵(けい)”です。そして現実世界で虐待されている“恵(けい)”を助けるのは仮想空間の“Bell”ではなく、現実世界の“すず”だったというストーリーですが、少し先のIT世界と現実世界との混乱を暗示しているようでした。

映画には“すず”がSNSでバッシングされる場面もありました。これはもう既に実際に起きていることです。

仮想世界Uのうたい文句、「現実はやり直せない。Uならやり直せる。Uで新しい人生を作ろう」・・・って現実逃避?

 

 ゲームの世界にのめり込む子ども達がいます。中にはゲームの時間が1日10時間以上という子もいます。そして様々な不適応を起こし、受診します。当院に連れて来られる彼らの表情はふてくされています。ゲームやYouTubeなどのスクリーンタイムが長すぎると、生活リズムに様々な影響を及ぼしてきます。特に戦闘系のオンラインゲームは耽溺性が強いと言われています。最近はそこにギャンブル性を持たせた課金のシステムが加わり、ますます中毒性が高まっているそうです。

 生活リズムの崩れた子どもの親御さんに先ずスクリーンタイムを減らしましょうと提案しますが、中々困難なことが多いようです。それはゲーム以上に楽しいことが無いからでしょう。ゲームに代わるものを見付けられた子どもはゲームの時間を減らすことが出来ます。それには家族の協力が必要です。

 しかしそうなる前に最初にゲームやスマホを買い与えるときのルール決めが大切でしょう。弘前のデータで赤ちゃんを寝かしつけるのにスマホを見せる親の割合が60%以上だったという報告を聞きました。(全国学会での話しです。弘前のデータが出てきてびっくり)

先ずはそこからかな〜 (-_-)

 

写真は八甲田。紅葉の見頃は今度の日曜日かな。

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