甲子園

院長のつれづれ

 夏の甲子園が終わりました。今年も数々の熱戦が繰り広げられ、若い高校球児達の活躍が茶の間やマスコミを賑わせたようです。自分はテレビを見る時間も無く、後からニュースで結果を知るだけでしたが、今朝のニュースで生徒の気になるコメントがありました。「自分はこれまで楽しいと思って野球をやったことはありません。勝つために頑張るだけです」と。
きっと彼は本当に必死で頑張ってここまで来たのでしょう。後から振り返って楽しかったと思えるのかもしれませんが、もし本当に楽しくなかったのだとしたら、それはとても残念なことです。

 甲子園の映像をみていつも気になるのはスタンドで応援しているグランドに出られなかった野球部員達です。彼らはどんな気持ちで試合を観ているのだろう。あるいは球場に行くことも出来ず、途中で挫折して辞めてしまった子ども達がきっといるはずです。その子たちはどんな思いでテレビを観るのだろう。外来に体や心が悲鳴を上げて受診するスポーツクラブの子ども達が来ます。未だに練習中に水を飲むなという指導者がいることも信じられませんが、強くなることだけにこだわり、勝つことだけにこだわっていると、心は疲弊します。技量がなかなか上達しなかったり、負けたりした時、むしろそれを糧にし、心が育つような指導者がいると良いのにといつも思うのです。多分、そういうクラブの子ども達は病院には来ないのでしょうね。

 お盆の休みを利用して北海道の子ども達に会うついでに、奥さんと釧路川でカヌーをしてきました。川の水は冷たく透き通り、大自然を堪能してきました。しかしやはり秋の学会のことが頭から離れず、心からリラックスして楽しむことが出来ませんでした。後2ヶ月です。ちょっと焦っている毎日です。

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