IMD

IMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)

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 髄膜炎菌という細菌がいます。IMDはその髄膜炎菌による重症感染症をいいますが、現在日本では患者数は極わずか。日本全国で一年間に10?20人程度の患者しかいません。しかし今それが注目されています。

 髄膜炎菌という名の通り、髄膜炎を起こしますが、おたふく風邪などのウイルス性髄膜炎と違って細菌性髄膜炎です。ヒブや肺炎球菌と同様、いやむしろ症状の進行は激烈且つ重症かも知れません。早期に適切な治療がなされたとしても発症者の5?10%は24?48時間以内に死亡すると報告されています。為す術もなく亡くなってしまうこともあるようです。しかも初期症状は風邪と同じような症状で早期診断は困難です。命が助かった場合でも難聴、神経障害、四肢切断などの後遺症が生涯残ると報告されています。4歳未満の幼児だけでなく15?19歳も好発年齢だそうです。幸い僕は経験したことがありませんし、稀な疾患でこれまでしっかりと勉強もしておらず学生程度の知識しかありませんでした。それが何故今、注目されているか。

 IMDは世界では特にアフリカで患者数が多く、欧米でも保菌者はかなりの率でいるそうです。日本でも戦前は患者数が多かったのですが、それがどんどん減少し、極希な感染症となりました。そのはっきりとした理由は不明ですが、一つには抗生剤の乱用にあるのではないかと考えられているようです。従って抗生剤の適正使用が広まれば再び欧米の様に増加してくるのではないかと懸念されているのです。

 その髄膜炎菌に対するワクチンが日本でも承認されました。間もなく発売されるでしょう。米国では11?12歳で初回接種。16歳での追加接種が推奨されています。患者は4歳未満の幼児でも少なくないので日本でのスケジュールがどのようになるかはまだ分かりません。ただやはり最近の他のワクチン同様かなり高額で、ロタのワクチンの総額と同じくらいのようです。1回で良いのですが、1回の費用が大きすぎるのも負担ですよね。しかしきっと日本でも大きな問題になってくるでしょうね。
また新しい情報があればご報告します。

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