With コロナ

その他のつれづれ

  新型コロナに関して分からないことはまだまだ多いのですが、分かってきたことは沢山あります。まず皆さんに知って欲しいことは新型コロナウイルスを封じ込めることは不可能だと言うことです。それは軽症者や不顕性感染者がとても多いからです。国民全てを検査し感染者を見つけ出し、隔離することは不可能です。
 国は当初から封じ込めは目指して来なかったように見えます。もし中国の武漢のように世界中が強力な国家権力で完璧なロックダウンを行えば封じ込めは可能だったかも知れません。しかし今の日本や欧米ではそれは出来ません。中途半端なロックダウンが功を奏しないのは今の世界をみれば分かることです。僕は日本のクラスター対策を評価しています。出来るだけ市中感染を防ぎ、小規模のクラスターをその都度押さえ込み、長期戦でダラダラとつき合っていくしかないのだと考えています。
 最近、マスコミの報道が少しずつ変わってきたように思います。世間の風潮も変わって来たようです。コロナに慣れたのか不安感危機感が薄らいでいるようです。しかし一気に感染爆発が起こることは避けなければなりませんから、皆がある程度の感染予防対策を取ることは必要でしょう。そのためにはある程度、危険性を強調し、行動の自粛を要請するようなメッセージの出し方もやむを得ないのでしょう。
  ただ、ゼロリスクを求める必要はありません。もちろん高齢者施設では重症化の比率は高いので、ゼロリスクを目指すことは必要でしょう。しかし十把一絡げで日本中が同じ対策を取る必要はないということです。地域ごと、集団ごとの適切な対策を取ることが求められるのだと思います。

  さて、子どもに関してですが、子どもは感染しにくく、感染しても重症化は少ないことが分かっています。もちろん重症化する子も稀にはいますが、それを見逃さず、適切に治療すれば良いのです。子どもが感染するのは主に家族からで、子どもが発端者となって保育園や小学校がクラスターとなることはほとんどありません。子どもの感染者も大人と同様にウイルスを排出するようですが、それでも子ども同士で移し合うことはほとんどありません。従って保育園では極端な感染予防策を取ることは必要ないと考えています。例えば保育園の子ども達全員がマスクを付ける必要はありません。外来で子ども達を観ていると未就学児でマスクを正しく付けている子はとても少ないです。幼児のマスクはあまり意味ないでしょう。家族の感染者の有無に気をつければ良いのです。
  今の青森の状況では保育士も保育中にマスクを付ける必要はないと考えています。日中、子ども達はずっと保育士さんと過ごすわけですから、その保育士さんの顔の下半分が隠れていては、表情を読みとることが難しくなり、子どもの心の発達に大きな影響を及ぼすのではないかと懸念しているのは僕だけではありません。実際、乳幼児が食事でもぐもぐ出来ず、丸呑みしてしまうとか、表情が硬いとか、それをマスクを外したら、もぐもぐ出来るようになり、それまで硬かった子どもの表情が良くなったなどが観察されています。コロナに感染する危険性よりも子どもの心の発達に及ぼす影響の方が大きいと心配しています。

  Withコロナとは良く言ったものです。
今の新型コロナウイルスの病原性は極端に強いものではなく、過度に恐れる必要はありません。専門家は過去の強い病原性を持ったインフルエンザ同様、今の新型コロナウイルスもいずれ弱毒化し風邪のウイルス の一つになるだろうと予想しています。しかしそれにどの位の時間が掛かるかは分かりません。既に弱毒化していると主張している方もいらっしゃいますが、まあそれは話半分で聞いておきましょう。弱毒化するまでは過剰ではない適切な感染予防対策を取り、新型コロナウイルスとつき合っていきましょう。

  最後にもう一つ、感染した人を誹謗中傷してはいけません。感染したことを悔やみ自死された方もいるようです。感染症は誰のみにも起こり得ることです。明日は我が身なのです。

写真は日本海に沈む夕陽です。
なぜ我々は夕陽を綺麗だと思うのでしょう。明日も必ず昇ってくるからだと思いませんか?

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