2015年01月12日
インフルエンザ脳症について
感染症豆知識
インフルエンザに罹ると誰しも脳症が心配になりますが、それはどんな症状なのでしょう。
子どもが高い熱を出してうなされることはよくあります。狂ったように泣き叫んだり、あらぬ事を口走ったり、部屋の隅を見つめてまるで何かがいるかのように怖がったり。その多くは熱せん妄と言って心配のないものです。では、どこまでが大丈夫で、どんな時に脳症を疑うのか。以下の項目を参考にして注意深く観察して下さい。
せん妄で脳症が疑われる場合
1.せん妄の持続時間が1時間以上、間歇的に12時間以上
2.せん妄間欠期の意識障害の程度が進行する場合
3.睡眠と無関係にせん妄が認められる場合
4.せん妄以外にけいれんが認められる場合
5.41℃以上の高熱や下痢が認められる場合
解熱剤で熱が下がった時にもお母さんのことが分からなかったり、食べ物でないものを食べようとしたり、大きな子では一桁tの足し算が出来なかったりといった時には病院を受診しましょう。タミフルを飲んだら安心という訳ではありません。タミフルを飲んでも、脳症を起こす子は起こしてしまいます。脳症を起こす時はタミフルが効いてくる前に一気に悪くなるのです。
インフルエンザは正しく怖がりましょう。
2015年01月12日
当院の感染症動向(1/5~1/11)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 6例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 5例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 5例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 0例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 0例
インフルエンザA 23例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 0例
マイコプラズマ感染症 0例
・ いよいよ津軽でもインフルエンザの流行が始まりました。おそらく3週間前後で流行はピークになるでしょう。今のところ、症状の重い子はいません。
・ インフルエンザで大切なことは、大部分の子は安静にするだけで治りますが、ごく希にある脳症などの重症の合併症のサインを見逃さないことです。脳症はタミフルなどの抗インフルエンザ薬を飲んだからといって発症を免れるものではありません。インフルエンザ発症後1?2日で一気に悪くなり、治療薬が間に合わないからです。脳症が不安であれば、100%有効と言えませんが、やはりワクチンを受けるべきでしょう。
2015年01月07日
当院の感染症動向(12/29~12/30)
未分類
溶連菌感染症 2例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 5例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 1例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 1例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 2例
インフルエンザA 1例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 0例
マイコプラズマ感染症 0例
・ 年末の二日間だけの集計ですが、嘔吐下痢症はまだ出ています。1月2日の夜間と3日昼間、急患診療所の当番でしたが、インフルエンザはチラホラといましたが、やはり嘔吐下痢症の受診が沢山ありました。
・ 手足口病や急患診療所でもおたふく風邪の受診がありましたが、いずれも県外の子です。年末年始の移動で多の土地から様々な感染症が持ち込まれるのでしょうね。
・ さて、これからいよいよインフルエンザが流行してくるでしょう。もし罹ったかなと思ったら、状態が悪くない限り、発熱後12時間以上してしてからの受診をお願いします。いくら高熱が出ていても、発熱して直ぐは検査しても反応は出てきません。
2014年12月22日
当院の感染症動向(12/15~1221)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 5例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 26例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 0例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 0例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 4例
インフルエンザA 1例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 2例
マイコプラズマ感染症 0例
・ 少し前に平川市の小学校でノロによる嘔吐下痢症の流行がありました。今度は弘前市の小学校で一気に100人ほどの子が吐いてお休みするということがあり、当院にも沢山の子が受診しました。案の定、次の日の新聞にも出ていましたが、おそらくノロだろう、他の学校で出ていないので給食による食中毒ではないだろうということでした。しかし一度に100人もの子が感染するなんてどんな事があったのでしょう。集団における今後の感染予防対策の資料としても重要だと思います。詳細が分かったらこのコーナーにアップします。
・ インフルエンザは少しずつ増えてきました。当院ではまだそれほど多くはありませんが、市内のいくつかの保育園、学校で流行が始まっています。まだその流行は他の園、学校に拡散していません。今週から冬休みに入るので、本格的な流行は年明けでしょう。
2014年12月14日
当院の感染症発生動向(12/8~12/14)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 3例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 18例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 3例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 0例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 6例
インフルエンザA 1例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 5例
マイコプラズマ感染症 0例
・ 市内の小学校で学級閉鎖となったところが出てきました。ある一クラスですが、きっと誰か一人が発症して、そこから一気に広まったのでしょう。流行の初期を捕まえるのは難しいです。そのクラス以外はまだ大きな流行はありませんが、市内あちこちでチラホラと出ているようです。当院でも1例いましたが、旅行から帰ってきてからの発症です。おそらくインフルエンザの流行地で感染したのでしょう。この後、少しずつ増えると思いますが、冬休みで一旦終息し、本格的な流行はやはり1月中旬と予想しています。
・ 溶連菌はこの後も続くでしょう。
・ アデノの流行は終息すると予想しています。
・ RSウイルスの流行はもう少し続くと思われます。
2014年12月14日
当院の感染症動向(12/1~12/7)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 9例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 12例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 2例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 0例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 5例
インフルエンザA 0例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 6例
マイコプラズマ感染症 0例
・ RSウイルス感染症の流行がテレビのニュースに流れていました。しかしどうしてマスコミは不安をあおる様な報道の仕方ばかりするのでしょう。乳児や3歳未満の幼児ではゼイゼイと呼吸困難を起こすことが少なくありませんが、大きい子では普通の風邪と区別は付きません。
・ 溶連菌感染症は続いています。症状、診断をアデノと迷う子や両方を合併している子もいるようです。
・ ウイルス性胃腸炎は増えてきました。やはりノロが流行しているようです。
2014年12月03日
当院の感染症発生動向(11/24~11/30)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 3例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 5例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 4例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 1例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 7例
インフルエンザA 0例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 4例
マイコプラズマ感染症 0例
・ アデノウイルス感染症の流行は下火になってきたようです。
・ RSウイルス感染症は依然流行中です。おそらくインフルエンザの流行が本格化するまで続くでしょう。
・ 溶連菌感染症はコンスタントに発生しています。
・ 水痘の流行はそろそろ収まるでしょう。
・ 嘔吐する子が多くいます。下痢がなく、嘔吐下痢症とは診断できないことも少なくありません。その原因となるウイルス性胃腸炎にはノロだけでなく、アデノ、サポ、アストロウイルスなど何種類もあります。原因ウイルスを変えながら、通年で流行します。これからの時期はノロが増えてくるでしょう。
2014年11月27日
当院の感染症発生動向(11/17~11/23)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 4例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 10例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 3例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 1例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 14例
インフルエンザA 0例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 4例
マイコプラズマ感染症 0例
・ アデノウイルス感染症とRSウイルス感染症が流行しています。アデノは熱が続くだけで安静にしていれば大部分は大きな合併症なく軽快しますが、RSウイルスは乳児が罹ると呼吸困難を起こすので注意が必要です。
・ おたふく風邪の流行はほとんど収まったようです。次に流行する前に予防接種をお勧めします。
2014年11月20日
当院の感染症発生動向(11/10~11/16)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 3例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 2例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 1例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 0例
ヘルパンギーナ 1例
アデノウイルス感染症 10例
インフルエンザA 0例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 1例
マイコプラズマ感染症 0例
・ 県のサーベランスを見ると、10月の末に青森市で4例のB型のインフルエンザが報告されていましたが、先週はまた0になっていました。人づてに弘前市でも確認されたと聞きましたが、AかBかは分かりません。インフルエンザはこれからチラホラと出てくるでしょうが、冬休みで一旦終息し、再び1月中旬から増えてくるというのが例年のパターンです。
・ アデノウイルス感染症の流行はまだ続いています。夜売れ菌感染症も少なくはありません。
・ 水痘の流行している保育園があります。
2014年11月11日
当院の感染症発生動向(11/3~11/9)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 3例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 4例
細菌性胃腸炎 1例
水痘 6例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 1例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 5例
インフルエンザA 0例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 1例
マイコプラズマ感染症 0例
・ アデノウイルス感染症の流行はまだ続いています。
・ 水痘、RS、溶連菌感染症なども引き続き注意が必要です。
・ 青森市でインフルエンザBが出ていると報告に上がっていました。B型は昨年、大きな流行があったので、同じ遺伝子タイプのB型であればそれほど大きな流行にならないでしょう。しかし注意深く見てゆく必要があります。
2014年11月06日
当院の感染症発生動向(10/27~11/2)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 2例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 2例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 0例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 0例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 7例
インフルエンザA 0例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 1例
マイコプラズマ感染症 0例
・ アデノウイルス感染症の流行は続いています。
・ 今週は水痘はいませんでした。ワクチンの接種率はかなり上がってきているようです。おそらくそう遠くないうちに水痘の発生はほとんどなくなるでしょう。
・ 嘔吐下痢症も少しずつ出ています。普段から経口補水液を用意しておいて下さい。
・ ゼイゼイする風邪が増えています。RSやヒトメタニューモウイルス、ライノウイルスなどでしょう。
2014年10月27日
当院の感染症発生動向(10/20~10/26)
当院の感染症発生動向
溶連菌感染症 6例
ロタウイルス性胃腸炎 0例
その他のウイルス性胃腸炎 2例
細菌性胃腸炎 0例
水痘 5例
おたふく風邪 0例
百日咳 0例
リンゴ病 0例
手足口病 0例
ヘルパンギーナ 0例
アデノウイルス感染症 6例
インフルエンザA 0例
インフルエンザB 0例
RSウイルス感染症 0例
マイコプラズマ感染症 0例
・ アデノウイルス感染症が大流行しています。これほどの流行をこれまで経験した頃がありません。おそらく診断されずにいる子もかなりいるでしょう。アデノウイルス感染症では典型的には扁桃腺が腫れて膿が付き、眼が充血しますが、今回の流行では必ずしも典型的な症状がそろうわけではありません。むしろ扁桃炎の所見は軽いものが多いようです。発熱期間はやはり3日から5日間と長いようです。アデノウイルスにも何種類もあるので、その症状にも様々なタイプがあるのでしょう。
・ 水痘、溶連菌感染症も少なくありません。
・ 熱の出る風邪も多く、外来は混できました。