おもちゃ

クリニックエピソード

 クリニックに玩具を置くことを嫌う先生がいます。それは玩具を介しての接触感染を防ぐ目的です。しかし僕はそもそも風邪を予防する必要はない。それぞれが風邪を繰り返すことで免疫ができ、風邪に罹り難くなる。風邪を予防するには個人の免疫力を高めることだと考えていました。玩具は子どもにとって必要不可欠なものです。遊びの中で子どもの心は成長します。自分がクリニックを立ち上げるとき、たとえ風邪を引いていても遊べるようなクリニックを作りたいと思って、沢山の絵本や玩具を置きました。待合室のプレースペースで遊ぶ子ども達の声を聞くと自分自身も癒やされます。
  しかし今回の新型コロナウィルスの騒動でやむなく玩具を全部片付けてしまいました。それはクリニックが新しい感染症の温床となっては困ると判断したからです。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は子どもが重症化することはほとんどないようです。しかし高齢者や基礎疾患を抱えた大人は重症化し、亡くなる方も出ています。子どもは良くても子どもの面倒を見ている祖父母に移すわけには行きません。
早晩、日本中に蔓延するでしょう。検査の対象は限られ、子ども達は検査されることなく普通の風邪と同じ扱いになるでしょう。おそらく自分も感染すると思います。その覚悟は出来ていますが、家にいる高齢の父母に移すわけには行きません。

 いずれは多くの日本人が感染しそれぞれが免疫を獲得し、COVID-19は子どもの風邪の一つになるのだろうと考えています。もちろん不幸にして亡くなる方もいるでしょう。自分も免疫がないので重症化するかも知れません。しかしいずれは普通の風邪と同じになるでしょう。簡易診断キットや治療薬が作られるかも知れませんが、そこまでは自分には分かりません。しかし今我々はCOVID-19に対し、必要以上に恐れることなく冷静に対処することが肝要と考えています。

 マスクの効果は限定的です。マスクは風邪を引いている人が周囲にウイルスをまき散らすのを防ぐのには有効ですが、健康な人が感染を予防するにはマスクだけでは不十分です。しかし今の段階で自分が罹るわけには行きません。自分が診療できなくなると、その影響は大きいでしょう。そんな訳でしばらく自分もマスクをすることにしました。それでも罹ってしまえばそれは仕方ありません。治るまで自宅で安静・療養するつもりです。

皆さんも罹らないためには、あるいは罹っても重症にならないためには次のことを心掛けましょう。
①ハードな仕事や運動で疲れをためない。
②疲れを感じたら休息を取る。
③保温と充分な睡眠を心掛ける。
④しっかり食べて栄養を付ける
⑤手洗い・うがい・マスクの着用
⑥人混みを避ける。
⑦感染リスクの高い救急外来をむやみに受診しない。

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