タイトルの障害名が精神科の診断名として正式に採用されました。確か最近、報道でも取り上げられていたように思います。先週参加した外来小児科学会年次集会でそのゲーム障害の教育講演がありました。
講演の要旨をまとめると
1.精神科を受診するゲーム障害の2/3が未成年
2.男女比は7?8:1
3.全体の90%以上はオンラインゲームに依存
4.ネット依存の健康・社会生活への影響は大きく、遅刻、欠席、成績低下、親への暴言・暴力、昼夜逆転、ひきこもり・・・
5.自閉症スペクトラム障害やADHD、社交不安障害などとも合併頻度が高い
6.依存性は強固で治療は困難
7.場合によっては入院治療、しかしその施設は限られる・・・
以前から不登校の子ども達が家でゲームばかりして、昼夜逆転している状況を見てきました。彼らがゲームに熱中しているのは他にやることがないからということも多いようです。つまりゲームをしているから不登校になるわけではありません。しかしそれが度を超すと依存症となって様々な問題を引き起こしてしまいます。特にネットで繋がるオンラインゲームは依存性が高いそうです。
問題は親側にもありそうです。親自身もゲーム世代。安易にゲームを買い与えてしまう。ゲームをやらせておけば子どもは静か。待合室で子どもがゲームをしている横で親がスマホしか見ていない光景はよく見かけます。自分も良くスマホを使います。スマホが悪いと言いません。しかし子どもが話しかけてきたときは、一緒に遊びたがっているときはスマホを横に置いて欲しいのです。
今のオンラインゲームと昔のゲームとはかなり違って、遥かに依存性が強いそうです。ゲゲーム障害になる前にそれを予防する必要があるようです。行政がゲームを規制する、あるいは警鐘を鳴らすことを願っていますが、さしあたって今、直面している子ども達をゲーム障害から守るには大人がしっかりその使用をセーブする必要があるのではないでしょうか。
ゲームよりもっと面白いものがあれば良いのですが、ゲームってはまるように巧妙に作られているからなあ?。