CM

インフルエンザとテレビCM

その他のつれづれ

 そろそろインフルエンザが出てきたようです。今回はバスケの練習試合から。詳しくは知りませんが、おそらく練習試合に出ていた生徒か先生の一人がインフルエンザで、そこから他の生徒に感染が広がるパターンでしょう。2、3年前に野球の練習試合でも同じようなことがありました。しかし遅かれ早かれ流行はするのです。感染経路をあれこれ詮索しても詮無いこと。

 さて、最近気になるテレビCMがあります。一つは富士フイルムのインフルエンザの診断機器のCM。もう一つは塩野義製薬のインフルエンザの治療薬のCM。インフルエンザの迅速診断は発症からある程度、時間が経たないと陽性に出ないのですが、そのキットはこれまでより早い時間で診断が可能となると謳っています。治療薬のCMはこれまでの内服薬、吸入薬に加え注射薬もあるよというCM。
 僕としてはどちらも必要ないと思っているのですが、危惧するのはテレビのCMで流れることで、みんなが翻弄されるのではないかということです。診断が数時間遅れたからといって別にそれ程困りません。注射薬が必要なのは内服も吸入も出来ない意識のない重症患者でしょう。一般の外来診療では必要ありません。インフルエンザというだけで点滴していたら、する側もされる側(子ども)も大変です。
 ほんの十数年前まではタミフルも無かったし、迅速検査もありませんでした。確かに迅速試験が出来て自分の臨床診断能力も向上しました(一目、見ただけでインフルエンザと診断できることも少なくありません)。しかし治療薬や診断キットが世に出て、どれ程死亡率や重症化する子が減ったのでしょう。それは疑問です。タミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬で治療すると免疫が出来ないという話しもあります。
 抗インフルエンザ薬も適正使用を心掛けたいのですが、抗生剤と違って、目の前に効くと分かっている治療薬がぶら下がっていたら、それを使う必要はないと説明するのは骨が折れるのです。

filed under: