タスク志向型と子ども志向型、そして自己効力感

講演・学会・検診

 金曜日の夜、自分が主催している勉強会(FOUR WINDS青森)で世界的に有名なマイケル・ラター先生のインタビュービデオを視聴しました。ラター先生は「子どもの心理学の父」とも呼ばれているそうで、世界中で使用されている自閉スペクトラム症の診断基準作成にも関わってこられた先生です。残念なことに先生は既に2年ほど前にお亡くなりになられました。

今回のビデオは生前に渡辺久子先生らが直接お目に掛かり、お話しを伺った時のものです。今回のひとことのタイトルはそのビデオに出てきたフレーズです。

 子どもを支援する際のタイプにタスク志向型と子ども志向型があると言います。タスク志向型とは与えられた課題を達成できたか否かに注目するタイプ。子ども志向型とは子どもが課題に取り組む過程に重きを置き、子どもがどう感じて、どう思って、同大人と関わったか、子どものの資質や性格など子どもの個性を重視するタイプです。

 ついつい我々は子どもが達成した課題ばかりに目を向けがちですが、子どもの意志を尊重し、子どもは自由に課題に取り組むことで、子どもは自らの能力を伸ばして行きます。タスク志向で達成された経験は必ずしも良い経験とは言えないとラター先生は仰っていました。

 子どもがありのままを評価されることで、自己肯定感が育ちます。そして子どもが物事にチャレンジする体験を積み重ねることで、自分は成功できるという自己効力感が育ちます。

自己肯定感は大切だとよく言われますが、自己効力感もとても大切なものです。そして自己肯定感も自己効力感も教えられて生まれるものではないのです。

このビデオ、多くの保育士や教師など子どもと関わる職種の人に観て欲しいと思いました。

filed under: