パパママ教室

院長のつれづれ

 今、年に4回、市のパパママ教室でお話しをさせてもらっています。与えられた時間はたったの20分。子どもが生まれる前の未来のパパママ達に小児科医として話したいことは山ほどありますが、なにせ時間が短すぎます、最初、何を話そうか悩みました。同じ人が何度か参加するなら毎回テーマを変えても良いのですが、みんな1回限りの参加者です。
どんなテーマがベストか。
病気の話し? ホームケア? 予防接種?
僕が選んだテーマは子どもの心が健やかに育つために一番大切なものは何かということでした。病気の話しも大切ですが、それは生まれてからでも良いことと思うのです。子どもが風邪を引いて、その看病を通して、学んでいくことだと思うのです。先ずは子どもの心の発育に何が必要かを伝えることが大切だと思いました。

 子どもの心の発達にとって一番大切なもの、それは親と子どもとの心の絆です。それを愛着形成といいます。良好な愛着形成を気付くことで子ども達の心の土台はしっかりと育って行きます。安定した土台を築くことが出来れば、その土台の上に立てられた建物は地震が来ても風が吹いても倒れません。しかし心の土台が貧弱だと少しのストレスに耐えかねて建物は倒壊します。思春期に問題行動を起こしてくる子ども達の多くが、乳幼児期の親と良好な愛着形成が出来ていないといわれています。

 パパママ教室では子どもの心の発達について解説し、良好な愛着形成を築くには健全なあまえが大切だとお話ししています。そしてそれにはタッチして、視線を合わせ、声を掛け、抱っこすることが大切だと。実は当たり前のことなんですよね。核家族化が進み、まだ一度も赤ちゃんを抱っこしたことのないパパママが多いのではないでしょうか。保健師に人形ではなく、実際の赤ちゃんに来て貰ってはどうかと提案しました。実現すると良いですね。

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