iPS細胞の山中伸弥先生が何故日本でコロナの患者数、死亡者数が少ないかの理由をまだ不明という意味でファクターXと表現しています。
これまで色々な説が出てきました。日本人の生活習慣説、日本語の発音説、遺伝子説(HLAの違いで感染性が異なる)、免疫説(過去に既に今回の新型コロナに近似したコロナが既に流行し既に免疫を持っていた)などなど。最近、ある京大の先生が言い出したのは新型コロナの遺伝子タイプに病原性の低いK型があり、日本の入国制限措置の遅れがむしろ幸いし、病原性が強い型が流行する前にK型が流行し、それにより集団免疫が出来たという説。
ファクターXが何なのかはまだ明らかにされてはいませんが、何らかの理由があるのは確実です。それを考慮して、日本における基本再生算数(ウイルスの感染力を示す指数)に基づいて、感染防御対策を進めるべきと考えます。
統計的な解析から休校措置や自粛は意味がなかったという見解も出てきました。緊急事態宣言が出された時点ではそれは明らかではなかったのでしょうが、我々はこの流行を詳細に客観的に分析し、国はそれに沿って次に取るべき施策を考えるべきでしょう。
果たして保育園や学校での全員マスクが必要なのか?
マスクの有効性は限定的です。子どもは感染しにくく子どもから子どもへの感染は稀です。学校での子どものマスクは不要と考えています。もちろん保育園でも子どものマスクは不要。ましてや赤ちゃんにフェースシールドを付けるなんて・・・気持ちは分かりますが、不要どころか危険です。
マスコミの不安を増長する報道に煽られ、行き過ぎた対策はむしろ社会にとって不利益をもたらすと考えています。どんな状況で感染を起こすかが分かってきました。それを避ければ、そこへの対策を講ずれば良いと考えています。事態は刻々と変化し、情報は日々更新されます。新しい知識と情報に基づいて臨機応変に予想される事態に対応すべきでしょう。
さて、ほとんどの学会、研究会が中止になり、日曜日は急患診療所の当番のない限りフリーです。おかげで毎週山に行けていました (^_^)v
写真は八甲田の稜線の高山植物です。チングルマにイワカガミ、井戸岳ではイワウメの群落が崖一面に花を咲かせていました。