先週の土日、久し振りで県外に出かけました。郡山市で開催された日本乳幼児精神保健学会に参加したのです。Web開催でしたが、幹事の一人として出席しました。新幹線に乗るのはおそらく2年ぶり、飛行機にもしばらく乗っていません。コロナ禍でほとんどの学会がWebになってしまいました。それはそれで手軽に自宅で学会に参加できるのは良いのですが、自分が所属する日本乳幼児精神保健学会は小さな学会で、その分仲間意識もあり、他の幹事の先生とフェースtoフェイスで会話できるのは嬉しいものでした。Zoomではしょっちゅう顔を見ているのですが、違いますよね。
さて、その学会では毎回海外講師の招待講演があります。今回の講師はバングラデッシュのダッカにあるBRAC大学の先生でした。内容はロヒンギャ難民キャンプの子どもの遊び。ミャンマーから隣国のバングラデシュに避難した難民の数は100万人とも言われています。その難民キャンプで子ども達の育ちを如何に支援するかというのが今回のテーマでした。印象深かったのは欧米から援助された衣服をロヒンギャの人達は誰も着ようとはせず、衣服は道ばたに捨てられたというのです。彼らには彼らの文化があり、誇りがあるのです。講師の先生は支援には難民の人々の地域と文化へのリスペクトが必要だと強調されていました。
同じ様な事は日本の日常場面でも起こりえます。兎角、医者や教師は自分の価値観で子どもを判断し、それに合わせようとします。その子どもが暮らす、地域や家庭の文化をリスペクトしなければ受け入れられないのでしょう。
ロヒンギャの人々は文字を持たない民族だそうです。その文化は子どもの頃から歌や踊りで次の世代へと受け継がれて行きます。難民キャンプには子ども達が与えられた玩具ではない、自由に歌って踊れる空間がありました。その子ども達の生き生きとした表情に癒やされました。日本の子ども達にも昔からの童歌や遊びがあります。ゲームだけではなく、日本の子ども文化が伝承されていくことを期待しています。