先日、2ヶ月の赤ちゃんの初めての予防接種に来たお母さんから聞いたお話しです。
A君は3歳の男の子。上に6歳のお姉ちゃんがいます。弟のBが生まれてA君は周りから「お兄ちゃんになったね」と言われると「お兄ちゃんじゃない」怒っていたそうです。そして「僕が赤ちゃんになる。Bがお兄ちゃんになればいい」と言ったそうです。お母さんは察して、「そうだね。大きい赤ちゃんだね」と言って一杯抱っこしてあげたそうです。そうしたら2ヶ月程してA君は「今日から僕がお兄ちゃんになる」と言って、弟の世話を始めたそうです。
その話を聞いて僕は思わず「お母さん、素晴らしい対応ですね!」と言いました。そして「一番上の子はどうですか?我慢していませんか?」と尋ねると「上のお姉ちゃんは一杯お手伝いしてくれるんですけど、先日、上のこと二人きりで布団に入って寝てあげたんです。そしたら嬉しいって喜んだんです。それを聞いてやっぱりこの子も寂しかったんだって分かりました。」
僕は脱帽しました。この素晴らしいお母さんと3人兄妹に乾杯!
外来でお母さんが次の子を身ごもったとき、僕はいつもこうお話しします。
「下の子が生まれて赤ちゃん返りしたら、決してお兄ちゃん、お姉ちゃんでなく、大きい赤ちゃんとして扱ってあげて下さいね。」
もし上の子が4,5歳の大きいこの場合は「きっと色々お手伝いしてくれると思うから、お母さんは助かるって誉めてくださいね。そうしたら上の子は自分がお母さんの役に立っていると思う、それが役立ち感、自己肯定感、自尊感情に繋がりますよ。とても良い機会です」と。
今週の写真は沈下橋の上から撮った四万十川です。