クローン病という病気をご存じでしょうか。自分も学生時代に勉強したきりでこれまで実際に経験したことはありませんでした。炎症性腸疾患の1つで、下痢や腹痛、血便などを主訴とする病気です。原因不明の疾患で、免疫機能が関与していると言われています。しかし最近、その病気が増えているのです。以前当院を掛かり付けにしていた大きいお子さんで、その病気で入院し治療が大変だったと聞きました。また原因不明の熱が続き、当院で診断できず、大きい病院で詳しく調べた結果クローン病だったとか。最近は血便が続き、クローン病を疑って大きい病院を紹介し診断された例もありました。これまで経験したことのない病気と、ここへ来て続けざまに3例遭遇したわけで、これはやはり何かがおかしいと言わざるを得ません。滅多にない細菌性肺炎も続けざまに診断し、基幹病院へ紹介し治療してもらいました。何のウイルスかは分かりませんが、高熱が続く風邪も流行っています。
例年だと夏のこの時期、外来の患者数は激減し、我々は「夏枯れ」などと読んでいたものです。「閑古鳥が鳴いている」なんて言っている小児科医もいたものです。それが今年の夏はいつまで経っても患者数が減少しません。それはある程度、予想はしていましたが、それにしても数が多すぎます。
新型コロナ感染症の患者の診察を続けていて、コロナは更に軽症化しているように思えます。しかしこの3年間で何かが変わったのでしょう。きっと完璧な感染防止対策を求め、コロナ対策を行った結果、失ったものがあるに違いないと考えています。我々の身体の中で、免疫機能が低下している、あるいは変調を来しているのではないか、と考えています。
元に戻るには時間が掛かるのかも知れません。もしかして失った3年間を取り戻すには3年掛かる?
そうはなって欲しくないですね。