吃音

院長のつれづれ

 吃音、どもりのことです。実は僕自身、吃音があって、高校生の頃、苦労しました。始まりは小学校1年生でした。転校したのをきっかけにして吃りが始まり、ことばの教室へも通ったのですが、完全には治りませんでした。それでも小学校、中学校はそれ程困ることはなかったのです。それが田舎の中学校から札幌の進学校に進み、そのストレスからか再び吃音が強くなってしまいました。先生に当てられ、答えは分かっているのに言えず悔しい思いをしたことを覚えています。自分の名前を言えずに困ったことはよくありました。
 予備校の頃も酷く、食堂で好きな物を注文できなかったり、駅で切符を買うのに苦労したりした記憶もあります。今は切符は自販機で買えますが、その当時は近距離でも窓口で駅名を言わなければなりませんでした。大学に入り、精神的に落ちついたのか、ようやく吃音は軽くなりましたが、治ることはなく、今でも残っています。ただそこは年の功か、ずるくなって吃りそうになっても言い換えたりしてそれほど困ることはありません。

 先日送られてきた保育保健協議会の会誌に吃音の対策について書いてありました。よくまとまっていたので紹介します。

望ましい対応
①話し方に注目しないで、話の内容をしっかり聞く。会話を楽しむ。
②心配そうに聞くのではなく、ゆったりと聞く。
③どうしても言葉が出ないときには、子どもが話そうと思ったことを推測し、「○○なのね」と返してあげる。
④吃症状だけに注目しないで、得意なことや活躍できる場を設定し、自己肯定感が下がらないようにする。
⑤周囲の子どもへの対応は丁寧にする。年齢に応じてきちんと吃音について説明する。
⑥からかいに対しては、きちんとした対応をとる。

避けたい対応
①吃音を悪いもとと考え、吃音の話題を避けたり、吃音を治そうとする。
②「ゆっくり言ってごらん」などと言い方の注意をする。
③吃症状がありながらも話そうとしているのに、途中で話しを取ってしまう。

 幼児期の吃音は治ることも多いのですが、それが小学校まで続いた子、あるいは小学校から始まった子は、残念ですが生涯残ることが多いです。しかしそれも一つの個性、自分は自分と割り切れる心を育ててあげましょう。

 写真はまたまた鰺ヶ沢。この公園が広々として好きです。犬の散歩もOKなのでよく行きます。

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