吃音、どもりのことです。
青森県かかりつけ医等発達障害対応力向上研修会、なんとも長い名前の研修会ですが、その研修会が日曜日に青森でありました。国の指示で発達障害の子ども達への対応を一般のかかりつけ医でも出来るようになることを目的として企画されたもののようです。今回2回目となるその研修会で吃音が取り上げられました。今、国では吃音や発達性協調運動障害(とっても運動が苦手な子)を発達障害の一つとして扱おうということになったそうです。
実は僕自身に吃音があり、子どもの頃ことばの教室に通いましたし、高校の頃、辛い思いをした記憶もあります。今ではそれほど目立たなくなりましたが、完全には治っていません。講演で実際の吃音のフィルムが上映されると、それに同調してまた自分の吃音が悪くなるのではないかと胸が苦しくなりました。
そうか、自分も発達障害か・・・(^_^; 。
時々、吃音の相談を受けます。以前、吃音に有効な治療はないと学びましたが、若しかすると何か有効な方法があるのかもと期待して講演を聴いていました。2人で一緒に文章を読むとどもらないとか、メトロノームに合わせた文章朗読でどもらない、など興味ある情報はありましたが、結局の所、やはり有効な治療法はないようです。ただ、軽快はしても、ほとんどそのまま一生治らないと覚えていたのですが、男児の6割、女児で8割の子が3年で自然回復するとありました。しかし小学校2年生ではっきり吃音のある子は思春期までは続くそうです。
吃音は急激な言語発達の副産物とありました。けっして親の躾や環境の問題が原因ではありません。しかし自分の経験では心的ストレスが発症の引き金になることはあると考えています。吃音のある人は大脳の右半球の過活動があるそうですが、それはちょっと急激な言語発達とは合わない気もします。まあ原因や病態については今でも良く分かっていないのでしょうね。
さて、治らなかった場合ですが、一番の問題は周囲の無理解です。周りからふざけるなと非難されたり、馬鹿にされたり、言い直しを無理強いさせたり・・・。それが元ででますます精神的な緊張を強いられ吃音が酷くなり、挙げ句の果てに人前で何も話せなくなったりします。吃音の対応で大切なことは、周囲がどもってもいいんだよと穏やかに聞いてあげることです。
社会の自閉症などの発達障害に対する理解は少しずつ進んでいます。国が吃音を発達障害の一つとして対応するように求めた理由の一つは、吃音に対する社会の理解を促すことが目的でしょう。
もし貴方の周りに吃音の子がいたら、温かい目で見守ってあげてくださいね。
写真は2週間前に撮った弘前公園の紅葉です。もう紅葉も終わりですね。