夏枯れ

その他のつれづれ

 

 夏に降水量が減り、暑さで食物が枯れる様子を言いますが、市場の取引も夏に取引が減少し、相場が低迷するそうで、それを夏枯れ相場と言うそうです。以前は小児科も夏に風邪の流行が治まり、受診する子が少なく、それを夏枯れと呼んでいました。

 コロナ禍の期間中、厳重な感染防御対策でコロナだけでなく、様々な感染症が減少しました。その結果、免疫を持つ人が減り、社会は感染症に対し脆弱な状況に陥っていました。つまり様々な感染症に対する集団免疫の低下が起こったのです。そしてコロナ禍開け、様々な感染症が次から次へと大流行しました。

RSや溶連菌感染症、マイコプラズマなど名前が付く風邪だけでなく、普通の風邪も流行しました。お陰でコロナ禍開け直後の小児科は大変な状況でした。それから3年が経ち、ようやく落ち着いてきました。

そして前と同じに夏枯れがやってきました。外来は閑散としています。

 少子化もあり、小児科医院はこれから経営が大変になるかもしれません。お隣の韓国では日本の上を行く少子化で、小児科医のなり手がなく、小児医療が成り立たなくなる危機に直面しているとか。日本もいずれそうなるかも知れません。もう随分前に小児科は絶滅危惧種などと言われた時代がありました。それが現実のものとなりそうです。県内の開業小児科は減少の一歩をたどり、弘前市内の開業小児科医も減少しています。この先、更に減ることが予想されます。病院小児科も大切ですが、開業小児科医も診療だけでなく、健診や予防接種など小児の健康に大切な役割を担ってきました。直ぐにでも根本的な対策を取る必要があると思うのですが、どうも日本の国の舵取りをする人達は、ことが起こってからでないと動かないようです。

自分もあと何年続けられるか。去りゆくものとしては心配でなりません。

写真は今月初め、田植えの頃の岩木山。田んぼの水面に反射してとても綺麗でした。下は同じ日、独狐の森公園からの岩木山です。

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