新型コロナのエンデミック

その他のつれづれ

 パンデミックという言葉は既に一般的になりました。地域の流行を越えて、世界的に流行することを言います。エンデミックとはそれが平衡状態に至ることを指します。つまり常に人口の一定の割合で感染者が存在する状態です。ほとんどの人が罹患、あるいは予防接種で基礎免疫を持ち、免疫を持たない子ども達が風邪として罹患し、それが時々免疫の低下した大人へ広がる。子ども達は感染することで基礎免疫を獲得し、大人になる。ウイルスも強毒性で致死率が高いと自分自身が生き残れないので、変異を繰り返し弱毒化して行く。というシナリオです。当初は3、4年でエンデミック期に入るのではないかと予想されていたと思います。現在、かなりの数の人が感染し、小児を除く多くの人が何回か予防接種を受けています。そして実際、オミクロン株の病原性はそれ程強くはありません。

ただし新型コロナの場合、免疫が長続きしなそうなことと、変異のサイクルが早いことが問題を厄介にしています。

そろそろエンデミック期に入りかけているようにも思いますが、この新型コロナのエンデミック期は、特に高齢社会の日本では高い死亡が想定されるとの西浦先生の論文を読みました。

 感染した子ども達を見ていると、当初、症状はごく軽微でした。それがオミクロン株に変わり、子どもの症状はむしろ少し強くなっています。高熱や嘔吐で発症する子が多い印象でした。熱性痙攣を起こす子も少なくありません。もっとも熱は2日ほどで下がりますし、症状が長引くことも少ないようで、やはりインフルエンザよりは軽い印象です。

 日本小児科学会では重症となる子どもも少なくないと警鐘を鳴らしています。亡くなる子は多くはありませんが、脳炎や肺炎を起こした子どもも全国で百数十名報告されています。そして学会では予防接種を勧めています。

 当院でもインフルエンザワクチンが一段落した時点で子どもへのコロナワクチンを再開することを検討しています。オミクロン株対応の新型コロナワクチンが子どもに使えるようになるのに、まだ少し時間が掛かるでしょうから、丁度良い時期でしょうか。もう少しワクチンが扱いやすくなると良いのですけど・・・。

写真はミヤマギボウシです。

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