今朝のニュースでWHOの会長さんが「テスト、テスト、テスト」と連呼し、検査の重要性を強調していました。しかし本当にそうでしょうか。先週、新型コロナウイルス感染症について整理して載せましたが、もう少し詳しく書いてみます。
先ず潜伏期間は平均5.2日
PCRの検査が陽性になってから陰性化するまで平均9.5日(最大21日)だそうです。
症状は7日7日7日で変化する。つまり発症するかどうかの目安が7日間。発症して軽症の人が治るか中等症になるかに7日間。更に軽快するか重症化するかで7日間だそうです。
血液検査で当てになる検査項目はない。
ウイルスの排泄は上気道及び糞便。
咽頭より鼻腔の方がウイルス量は多いようです。
基本再生産率は2.2
これは一人の人が何人に感染させるかの値で感染力の指標となります。
インフルエンザとほぼ同等かやや強いくらいでしょうか。因みに麻疹は15と極めて強い感染力があります。
8割の人が他人に感染させていないそうですが、基本再生産率の値も含めて、隔離されていることを考慮する必要があるかもしれません。
家族内接触者の罹患率は12.9%
接触頻度別の罹患率は稀・中等度・しばしばでそれぞれ0.4%・3.0%・14.8%
感染して無症状の人は2割、それを含めて8割が軽症です。
主な症状は発熱と咳嗽。ただし喘鳴の報告は少ない。
鼻汁や鼻閉は少なく、嘔吐や下痢などの消化器症状も少ない。
小児科学会でもコメントを出しました。
現時点においては、小児患者本人にとって検査の有益性は少ない。
・濃厚接触歴、クラスター感染が疑われる場合は検査を推奨。
・原因の特定できない肺炎では周囲の状況等を加味し、総合的に判断。
上記以外の無症状者や軽症者に対する検査は推奨しない。
小児への検査については小児科学会のコメントに賛同します。
ただそのコメントには
「一般小児科診療については診療制限を行うことなく通常通り行うべきである」ともあります。
さて当院の診療をどうすべきか発生状況をみながら検討して行きます。