生まれて間もない赤ちゃんを守るために

講演・学会・検診

 連日のように百日咳の流行が報道されています。ニュースに出ている数字はそれ程多く思えないかも知れませんが、おそらく診断されない患者が数多くいることでしょう。既に市中に蔓延していると考えた方が良いです。

さて、百日咳はワクチンで予防できる感染症です。三種混合や四種混合、今の五種混合ワクチンに含まれています。そのワクチンで守られている年齢は良いのですが、ワクチンを受けることの出来る前の生後2ヶ月未満の赤ちゃんとワクチンから時間が経過し、免疫が弱くなってしまった小中学生や成人への対策を取る必要があります。

最近も弘前市内の中学校での流行を確認しています。小中学生や成人でも百日咳に罹ると苦しい咳で辛いのですが、2ヶ月未満の乳児では重症化しやすく、重い後遺症を残したり、亡くなることもある感染症です。既に今年も数名の赤ちゃんが亡くなっています。

当院の感染症発生動向にも書いたのですが、小中学生の百日咳を予防するのに年長児と小学生高学年への追加予防接種(三種混合ワクチン)が推奨されています。

問題は、ワクチンを受けることの出来る前の小さな赤ちゃんをどう守るかです。その方法の1つとして、妊婦さんへの三種混合ワクチンが推奨されています。母胎にワクチンを接種し、お母さんに免疫を作ってもらい、その免疫が胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、乳児期早期の百日咳を予防しようというものです。

 妊婦への予防接種は昨年からRSウイルスのワクチンが始まり、その効果を実感しています。生後1ヶ月でRSVに感染した赤ちゃんがいましたが、幸いお母さんがRSVのワクチンを接種していたためとても軽く済みました。高額でも接種してくれたお母さんに感謝です。

小児科医のMLで教えてもらったサイトを紹介します。

日本産婦人科感染症学会の「妊娠に向けて知っておきたいワクチンのこと」

https://vaccine-navi.info/

妊娠中に特に接種が推奨されるワクチンとして、
インフルエンザワクチンや新型コロナウイルスワクチン、百日咳含有ワクチン、RSウイルスワクチンが書かれてました。

是非、覗いてみてください。

写真は弘前の桜

桜のハートは木が折れてもう見られないと心配していましたが、今年も見られて良かったです。

昨夜の夜桜はホントに綺麗でした (^_^)v

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