立ち会い分娩

院長のつれづれ

 先週、娘が無事に男の子を出産しました。自分にとっての二人目の孫です。彼が産まれたのは夜8時過ぎ。娘の夫は陣痛が始まったとの知らせを聞いて東京から新幹線で青森に向かったのですが、残念ながら弘前に着いたのは夜の9時半。もう少しのところで我が子の誕生の瞬間には立ち会うことができませんでした。それでも病院側の配慮があったのか、彼が病院に駆けつけたとき、母親と産まれたばかりの赤ん坊はまだ分娩台の上でした。父親となったばかりの娘婿が感動しているのは良く分かりました。母親の胸に抱かれる赤ん坊を見て、「こんなことがあるのか?」「凄いな?」「おーおーっ!よく産まれてきたなあ?」と何度も何度も我が子の頭を撫で、語り掛けていました。そして産まれた子どもとその父親を見詰める我が娘の、本当に幸せそうな表情が印象的でした。

 僕も妻の出産に立ち会うことはできませんでした。しかし本来、可能なら全ての男性は我が子の出産に立ち会うのが望ましいと思っています。その方がその後の子どもと父親との愛着形成もスムーズに行くはずですし、男性も育児にもっと積極的に参加することでしょう。

 ところで、夜、我が家で娘婿と祝杯を挙げ、色々と語り合う中で彼は「まるで神になったようだ」と言いました。神とはヒトの創造主という意味です。ちょっと変わった感情かなとも思いましたが、彼は優秀な男性でヒトの体の神秘をそれだけ分かっているということでしょう。彼の親馬鹿ぶりは大したもので、「君のお父さんは君をどう育てたのですか?」と聞くと、「母が言うには父も随分と自分を可愛がったようです」と言っていました。そう、育児の態度も世代間伝達するのですよね。

 写真は父親を見詰める生まれたばかりの孫の写真です。こうやって父親の顔は赤ちゃんに刷り込まれる(imprinting)のでしょうね。

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